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2007年3月 4日 (日)

モード・オブ・ザ・ウォー(印刷博物館)

江戸川橋から飯田橋方向に10分ぐらい歩くと凸版印刷のビルがあり、その地下に印刷博物館がある。企画展示もやる。客も少ない超穴場。何しろ周囲に商業施設とか何もない。中におしゃれなキャフェも無い。

この企画は第一次世界大戦での、アメリカの戦争プロパガンダポスターの展示。一応印刷技術の解説などもあって、それも目的の一つなわけだが、やはり戦争のプロパガンダがいかなるものであったか、というものを知ることができる機会。当然日本においても、そういうのがあったはずだ、という想像がつく。戦争賛美だと苦情が来るのか、そういうものの存在すらよく分からないが。

今の、反戦が常識というか良識である時代に「私は戦争絶対反対。もし戦争が起きても参加しません」と言ってのけるのはたやすい。でも時代が変われば、反戦が非常識になる。どんな時代かというと、街にこうしたプロパガンダが溢れる時代さ。その時同じことを言えるかな? 自分だけは大丈夫かな? 

展示されたポスターは、例えば、公債の購入を勧めるもの。攻撃されるニューヨークを描て、戦争に負けるとこうなるぞ、とか。「兵士たちは全てを捧げている」(だからあなたも金を出せ)とか、「息子達の命よりドルを大切にすべきか」とか、「勝利のために仕事中」とか、愛国団体の宣伝「あなたの息子のために」とか、女性向けに「全ての兵士の背後には女性の働きが」とか。それから敵の心情を「彼らは我々が戦うことなどできないと思っていた」と書いたり、アメリカならではのアンクル・サムが、これがまたカッコイイオヤジに描かれていたり、自由の女神や、白頭鷲や、あるいは赤十字の美女が誘ってきたり、美女がカッコイイ海軍の制服着てたり、あの手この手で誘ってくる。

こう書いても諸君はそんなのに煽られないぞとタカをくくっているかもしれないが、巧みな絵と一体化したポスターを前にすると、なんとなく「その気になっちゃう」感じがするのが怖いじゃん。ポスターの文句の通りに協力することにより、ある種の達成感を得るような気がする、ように作られているのだ。こうした作成物を、戦争賛美じゃと言ってバイキンのように嫌悪して、接しない、見ないようにしていると、あるいは「これは怖いものだ、いけないものだ」という結論ありきで接して「その気になっちゃう」感じを否定していると、やがて時代が変わった時に、プロパガンダに煽られるままあっけなく手のひらを返すんじゃないかと私は思うし、現にそうだからこそ戦争が繰り返されてきたって思うわけです。予防接種をしないままウィルスにやられるようなものですよ。

見る価値はある。月休3月25日まで。

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