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2009年5月29日 (金)

ネオテニー・ジャパン(上野の森美術館)

仕事が早く終わったんで寄ってきたのさ。高橋さんという精神科医の現代若手日本美術コレクション。「ネオテニー」とは「幼形成熟」という意味なんだけど、この言葉を選んだ時点で何か間違えてんじゃねーかって思うんだよねー。芸術家なんて、みんなネオテニーみたいなもんじゃないですか。あえて「日本の若手は大人になることを拒否したまま成熟したネオテニーですぞ!」なんて胸張って言うところじゃないと思うんだけどねえ。

まあいいや、最初は鴻池朋子。この人の作品は何度か見ていますが、細かく飛ぶナイフとか、狼とか少女の足とか、最初はすげー面白い世界だと思ってたんだけどねえ……最近はみんな同じ感じなので飽きてきた。でも表現力はあるし、色々展開ができればいい感じになるぞ。オペラシティで個展もあるらしいからこれは行かないとナ。名和晃平という人のビー玉で作った剥製みたいなの。おなじみ奈良美智。うーん、何度も書いてるが、もっとチマチマした、チラシにペンで描いたような作品の方が面白いよ。大きいのは似合わない。横浜美術館での個展はひどかったな…… あと小沢剛。名前はよく見るんだけど、どうも何をやりたいのか分からんなあ、と思っている。今回は尾形光琳の有名な紅梅図の単色写しが出ていた……と思ったら醤油で描いてんだって。それにしても木肌がヘタだな。こういう愉快な路線の作品をやるなら、表現力は完璧に持っていてもらいたい。そう、アイディアだけでなーんか雑なんだよねえ……ベジタブルウェポンも「野菜で武器作ってみました」というのはいいんだけど、もっとちゃんと造形していただきたい。何もっと深い意味があるって? いいんだよまず造形だテクニックだ。話はそれからだ。村上隆のDOB君風船。あとバカボンを使った作品。「ポリリズム」という田宮のプラモ兵隊使った作品(91年製だからPerfumeよりはるか前だな)。まずまず面白い。しかし「ルイ・ヴィトンのお花畑」あははは、なんかこれ、見ててムカついてくるわ。なんでかな? 会田誠の傑作「大山椒魚」がある。そうかここのコレクションか。山口晃の頼朝とかある。池田学。うーん、すごいね。細かいね。描くのに1,2年かかるんだって。細かく見たいけど時間無いや。町田久美。ここんとこよく見る人だ。なんちゅーか、ベルメールの影響受けてねえ? もっとも澁澤訳のサド作品の挿絵だってさ。澁澤さんちにベルメール人形があったんだから似た感じになっちゃうよなあ。

2階に上がり、加藤美佳。人形のデカい写真かと思ったら、人形を作って写し描いたんだって。うーん、人形のデカい写真みたいだな。ここから、なんかつまらなくなったぞ。しばらくオモローが無い。照屋勇賢の紙袋を切り抜いて木を作っちゃうのは凄いね。村山留里子のドレスはケバいね。できやよいはブツブツでキモいね。束芋は立体は面白いね。そしてラスト、加藤泉うおおおっ。なんか怖いぞ胎児崩れみたいなその絵その人形。精神を病んだアウトサイザーアート作家の作品みたいだ。でも、ちゃんと計算されているのがデカい人形なんか見ると分かるね。この人は要チェックだな。

おっとまだ続きがあった。「Mr」とかいう人。なんだ村上の劣化コピーかと思ったら、キューバ生まれで村上の下で修行した人だって。

今時の人が一通り分かるぞ。7月15日まで。金曜日は夜8時までやってるよ。

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2009年5月27日 (水)

栗本薫死す

こないだキヨシローだったのに今度は栗本かっ……ずいぶんいろいろ……も読んでないか。「魔界水滸伝」は最初の5巻ぐらいが面白かったなあ。まあ、あの本のおかげで「クトゥルー神話」という魅力的なものに逢うことができたのだ。「レダ」というSF大作は学生の頃図書館でハードカバーの分厚いヤツを借りて読んだんだけど、再読したいと常々思ってはいたのだ。まだ果たされてはいない。一番衝撃受けたのは「ゲルニカ1984年」である。なんか、ものすごく魅力的だった。この小説で、主人公が単に狂っているだけ、としか感じられない人もいるかもしれない。そういう人はクトゥルーやグノーシスといったオカルトの世界とは縁のない人だろうなあ、と思うよ。そう、この世というものはだね、魂が囚われている牢獄なのだ。

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2009年5月24日 (日)

岸田劉生展(損保ジャパン)

まず「Ⅰ 自画像」から開始。だいたい22から23歳ぐらいでガンガン描いてたんだって。見たところ、ゴッホ風からいかに脱出するかで四苦八苦している様子。結局、写実的でガチッとした描き方になったわけだ。パネル解説にあった「内なる美」の話は大いに共感するところです。美は人の内面にあり、同じ絵を見ても美しいと感じる人と感じない人がいたり、以前と今では印象が違ったりするのです。この話をフェルメールってだけで群がってありがたがっている連中に聞かせてやりてえものだな。

「Ⅱ 友人・知人」も大体同じ流れ、ゴッホ風から写実へ。有名な武者小路実篤とかあるけど、ここは一つ「椿君之肖像」がいいですな。スゴイですな。顔の質感バリバリテカテカあと隣の「Tの肖像」とかもいいね。ここまでリアルにやっちゃうと、次どうするのかな、というと今度は少々グロテスクに、なんちゅーかCGのカートゥーンみたいになってきたぞ。リアル感を持ったままマンガみたいにするのだ。遠藤医学博士とか、岡崎義郎の肖像とか。

「Ⅲ 家族・親族」おなじみ麗子はここで出てきます。妻は割りと普通。おなじみ「麗子五歳」は普通のリアル系。それから村娘が何人かおり、次の6歳「麗子坐像」も顔テカ系。1920年(7歳)あたりから様子がおかしくなってきて、微笑しているがなんじゃこりゃになりつつある。21年でこけしみたいで横長の顔になり、一番ヤヴァいのが22年「野童女」で、寒山拾得図の妙な笑いから表情を持ってきた。なんちゅーか、自分の愛娘をこう描くかねえと思うが、小さい娘を持つ身としては、子供の持つ無尽蔵の底知れない親がひたすらバテるエネルギーってやつは単に「美しい」だけじゃ表現できないんで、分からんでもないぞ(単に自分が衰えただけかもしれん)。あと麗子16歳とか、割と美人の、大人になった本物の写真とかあるよ。

「野童女」だけ、見たこと無い人は期待して行ってもよい。月休7月5日まで。

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2009年5月21日 (木)

なごやだぎゃあ

仕事で名古屋に来ている。新幹線に乗るのにマスクを忘れるという痛恨のミス。そこらで買おうとしたがことごとく売り切れ。しかたねえ。でも名古屋に来たら、そんなにしてる人はいなかった(東京に帰っても隔離しないでくれ)。晩メシ昨日は辛口もつ鍋の「赤から鍋」初めて食ったが旨いじゃないか。帰りにコンビニに寄ったらマスクの最後の一つがあり思わず買っちゃったよ。で、今日の晩メシは名物「風来坊」の手羽先唐揚(「山ちゃん」じゃないぞ)。あひゃひゃこれも旨いにゃ。それにしてもアルコール入ったのに喘息にならなかったな。東京の空気はそんなに悪いのか?

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2009年5月19日 (火)

あしたからしゅっちょおですって

金曜まで名古屋……嗚呼行きたくないな。あっちの方はインフルエンザの震源地(?)に近いじゃん……って、だんだん関係なくなってきてるようなんだけど。

出張というとことさら張り切って飲みに行く人とか、いるんだけど、こっちは眠いのじゃ。さっさとホテルに帰ってくたばりてえな。おまけに初夏のアルコール喘息月間……というか季節になりましたね。酒飲むと調子が悪い。いや、アルコールは嫌いじゃないのよ。

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2009年5月16日 (土)

「ルーヴル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」(国立西洋美術館)

この~愚民どもがあっ!

土曜の朝一に行ったら20分待ちとか出ていた。実際10分ぐらいで入れたが、なんだよGWの初日の都美行った時は入場制限してなかったぞ、あの日に行きゃよかった……なんて、客足を読み違えるとすげえプライドが傷つく。そうか、いかにも混みそうな連休の初日って、狙い目かもね。

3部構成なんだけど、混んでたからⅡから鑑賞。「旅行と『科学革命』」だってさ。なんかこのさいテーマはどうでもいいような気がする。最初にルーベンス「トロイアの逃れる人々を導くアイネイアス」ほほー、ダークですな。ルーベンスにしちゃ普通の絵じゃね? 誰が描いたか不明だけど「ルネ・デカルトの肖像」これはいいぞ。顔に味があるぞ。皆の者、素通りしないで見なさい。ヴェラスケスの、おなじみマルガリータがありますな。でも、イマイチパッとしないのは工房製作だからか? 近頃のマルガリータはハズレが多いな。ウテワールとかいう人の「アンドロメダを救うペルセウス」おなじみのテーマでおなじみの絵でいかにもヨーロッパ~(←すげえ知性の無い感想だ)。えーと、またルーベンス。今度こそルーベンスだっ! 「神田うのに欺かれるイクシオン」……あ、「ユノ」か。見よ、この肉付きのいい女をっ! 特に右のヤツ。ルーベンスの美観がそのまま絵になっているじゃないか。そうかそういう趣味かルーベンス。

Ⅲは「『聖人の世紀』、古代の継承者?」とかいう、別に区分けはどうでもいいコーナー。おおおおお、ジョルジュ・ドゥ・ラトゥール! 「大工ヨセフ」この絵はいいぞ。素晴らしい! 文句なし! このキリストを照らす蝋燭の光よ。父ヨセフよ。そうかヨセフはただのオヤジじゃなかったんだなーとか感じちゃうだろ? な? な? ……てめーらちゃんと見ろっ! フェルメールにゃ群がってたくせに何ラトゥールを適当に見んだ! 何しに来たんだてめーら! この愚民どもがあっ! あとムリーリョ様がある。見なさいこの無原罪のマリア様のお顔を、ほとんど美人画だ。都美で違うマリア様を見たのも覚えているぜっ。

そしてⅠの「『黄金の世紀』とその陰の領域」で、もう入口付近からぐっちゃぐちゃに混んでいる。この手の展覧会は最初はぎっしりだけど後半空いている、ということが多いぞ。前半で疲れちゃう愚か者どもが多いからじゃ。「マリー・ド・メディシスの肖像」……メディチかと思った。絵の人ギッシリ。堂々としているご婦人のデカい肖像。でもそんな群がって見るもんでもねえぞ。それからレンブランドの自画像がある。隣にあるハルスの「リュートを持つ道化師」の方が表情が目立って豊かで、おおこっちの方がええな……と思ったが、しかしレンブラントの微妙な表情もなかなかよい。いや、泣くでも笑うでもない、なんともいえない表情を描けるってのは、実は凄いんじゃね。そうとも人間の感情は複雑なのだ。そうか、レンブラントは自分をモデルにそういうものを描きたかったのか、と思った次第である。フェルメール「レースを編む女」の前に群れ。絵が小さい上に……遠目で見たがそんなにいい絵か? だから「モテ美」Vol.16で言ったではないか「フェルメールに気をつけろ」と。あと、グレコかと思ったらスペイン派ですって。

月休6月14日まで。フェルメールだけでありがたがって帰るなよ。ちゃんとラトゥールやムリーリョぐらい見て帰りなさいっ!

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2009年5月10日 (日)

文学フリマだった

重いトランクで帰宅。なーんつって、持って行き過ぎた。それなりに売れたのですよオホホホホホ。残念なのは一人参加だったもので、ひたすら店番をしてて会場内を見て回れなかったこと。結構面白そうなのあったんだけどねえ。わずかに、近くにあった「練馬言葉力研究所」の冊子を購入。ここは前回も出ていて買っている。練馬なんでうちからも近いし、いずれコンタクトを取りたいとは思っているのです。

隣のブースが絵のギャラリーの人だったりして、「モテ美」を買って下さったが、鑑賞の底が浅いと思われやしないかドキドキもの。ギャラリーめぐりってのは通常の美術展鑑賞とはまた別の世界というか楽しみがあるんですよね。現在進行形だし、そこに作者がいて話ができたりするとか。でも、人に連れられ一度しかしたことが無いのです。

あと連詩に参加したら、次のブースに間違えてフリーペーパーのバックナンバーを一緒に渡してしまい、一時行方不明に。慌てて探し回っている間に誰かが届けてくれた。ありがとうございます。

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2009年5月 9日 (土)

明日は「文学フリマ」G-23

重い荷物をカラッポにして帰ってきた~い。

でも、たとえそれが現実となったとしても、部屋にある全在庫からすれば

焼け石に水

という表現がよく似合うんだよね……

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2009年5月 6日 (水)

文学フリマのブースG-23、「春波浪本舗」へおいで下さい

5月10日は「文学フリマ」です。初参加です。「モテる美術鑑賞」冊子版をまだ手に入れていないアナタ、ぜひ買って下さい。

開催日:2009年 5月10日(日) 
時間:開場11:00~終了16:00(予定) 
会場:大田区産業プラザPiO

「モテ美」フリー版の「番外」作成予定(といっても内容が冊子の宣伝だったりするのだが)

貴重かつ幻の「モテ美」バックナンバーを入手できるようにしようかしまいか考え中。今現在「Vol.26」まであるので、持って行くと重い。閲覧はできようにしたいですね。

朗読+音楽のCDも持参予定。

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2009年5月 4日 (月)

「オルナタティブ3」録音!

8月14日のライブに向け、ヴォーカルの北村さんが高知から東京に来るというので、スタジオを取って練習というか録音。個性と表現力十分。「バトルスターリン」におけるソヴィエト国歌の巻き舌のヴォーカルが凄い。目指すは21世紀の「ゲルニカ」である。私は巻き舌というのができないの。テルミンのようこさんも同席。録音後、吉祥寺の沖縄料理の見せで夕食など。北村さんとPETEさん(ようこさんのだんな様)の四国談義が盛り上がる。その後PETEさんのおすすめで、「吉祥寺麺通団」という讃岐うどん店でうどんを食す。うむっ、これが、四国の人が許せる讃岐うどんなのか……と、ちょっとしたカルチャーショック。いや、近くの人は行ってみて下さい。

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2009年5月 3日 (日)

キヨシローが死んだ

建築学科の大学4年の頃、就職活動の時期になり、周囲の皆が皆、大手建設会社の設計部に推薦で入るという超安全ルートを取っていたが、そういうお決まりの行動がバカバカしく思えて、誰にも頼らすに一人就職先を探し始めた。その時、頭の中を流れていたのが、RCの「自由」という曲だ。

「汚ねえこの世界で、一番キレイなもの、それが俺の自由、自由、自由」

このフレーズは尾崎豊の「この支配からの卒業」以来の衝撃だったねえ。

その結果いまの勤め先になったのだが、調子悪くてよかったのやらそうでないのやら、まあ建設業界もひどい状態だけどね。まあ、いずれにしてもバブルの頃だったからねえ。楽な時代だったもんで、今はもっと必死の就職活動をやらなきゃダメなんだろうけどねえ。

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「万華鏡の視覚」(森美術館)

大型インスタレーションだからイケると思い、3歳の娘YuYuを連れて行ったが、当然のごとく振り回され、ちゃんと見てません。でも確かに大型だし体験型もあって分かりやすいぞ。
最初にあるのは蛍光灯の柱、なかなか見ごたえあり。次がチラシのメインでもある電球トンネルの通路なんだけど、チラシではしっかりした大きな空間っぽかったけど、実際は鏡を貼ったベニヤで囲まれていただけだったりして、ちょっとチャチい。でもまあ、無限の奥行きが見えたりして、YuYuも喜んでいた。次は床に縞模様がびっしり描いてあるので、チラシではそこに大型の鏡の球体があるはずなんだけど「調整中」とかで無かった。金返せ。次の暗い部屋でミラーボールの反射を使って光りの粒々が飛び交うのはYuYuも「きれいねー」と言って大喜び(と言ってもそこに何分も居座るわけではない)。で、よかったのはここまで。次の暗い部屋には残念ながら入ろうとせず見落とした。あとはYuYuが出たがったので適当。原美術館で見た光が回るのがある。椅子みたいな人形みたいなのがある。グラスでできたシャンデリア?がある。何かの門がある。壁が壊されたような、破片を上から1個ずつ吊ったのがある。これは見て面白かったね。うーん、でもほとんど見るだけだな。最後の映像は見てない。結局いたのは20分ぐらいか。うーむ、もちっといたかったぞ。

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