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2010年6月19日 (土)

会田誠+天明屋尚+山口晃(高橋コレクション日比谷)

「ミヅマ三人衆ジャパンを斬る」ということで、現代の傑出した、というか挑発的な三人の展示。会田誠の「ジューサーミキサー」や「犬(月)」に再会できたのが嬉しい。こりゃ子供にゃ見せられんウヒヒ。

三人とも高い表現力を持っているのがポイント。それで冗談みたいな作品を作る。会田のジューサーミキサーは美少女群をミキサーにかけちゃうヤツだし、模造紙にペン書きとか、「下手」という掛け軸とか、コスプレ美少女へ仰天ボディペインティングとか、何しろやってくれている。天明屋の日本語グラフィティ(よくビル壁とかに落書きされているアレ独特のデザイン)は落書き野郎どもに見せたいほどセンスがいい(琳派風部分はイマイチだが)。山口は、馬バイクの九相図(普通小野小町でやる死体が腐っていく描写)があり、あとビルに木造家屋がびっしり貼り付いているような「東京画」がある。この手はいつ見ても凄いな。ペンと水彩だけで描いている。

日本美術は江戸浮世絵がそうだったように、大衆を挑発するものを生み出してきたのだし、それが今できても、あるいは皆が望んでもいいはずなんだけど、未だにワビサビだの四季折々の日本情緒だのが日本美術かよケッケッケ、つまらん。やっぱ北斎が国芳が暁斎が、持っていたアレだよアレってな。

ふと思ったが、これらは昨日見たルソーの「戦争」と逆な感じだな。あっちは象徴的かつシリアスなテーマをあまり高くないテクニックでまとめたのがオドロキなのだが、こっちには逆のインパクトがあるというわけだ。

あーそれにしても私も詩の世界の、いかにも詩人でございます的言動や価値観がイヤなんだよな。何か生み出したいものだよ。

月休8月8日まで。行ってみよう。特に「ジューサーミキサー」を見たこと無い人、これだけでも見る価値はある。

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オルセー美術館展2010「ポスト印象派」(国立新美術館)

人間ドック帰りに行く。午前はランチおばちゃん群、昼過ぎはおやつおばちゃん群、晩は会社帰りの社会人で混む……と見たので夕刻四時過ぎに訪問。まあ混んではいたが、激混みではなかった。
えーと、オルセーね、コルモンの「カイン」が来なけりゃオルセーが来たことにゃなりませんな……などとスカしたことを考えつつも……いや、よくこれだけ持ってきたな。
シスレーの「モレの橋」はいつになく明るく鮮やかでいい。そうかこれがシスレーじゃん。ベナールの肖像「ロジェ・ジュルダン夫人」はマネ風か。モネはいくつも並んでいて(ほんま多作ですな)もう見飽きたと思ったが「睡蓮の池」は抽象睡蓮の池に突入する前の絶妙な時期でいいね。
新印象主義はそう好きでもないのだが、ピサロがあの点描法をやっていたのに驚く。うまい。
セザンヌの「水浴の男たち」は……やはりどうも、良さがよく分からんな。全体の印象だとか風景と人物の調和とか書いてあるんだが……待てよ、これって江戸浮世絵がさんざんやっていることじゃないか? 北斎の富嶽三十六景とかで。そんなわけで、むしろセザンヌについては静物に驚異を感じる「台所のテーブル」はこないだ読んだ西洋美術史の本にも出てた傑作。不正確なのに絵として安定している奇妙さ。北斎の肉筆美人画の、解剖学的に不正確ながら全体で美人、という絵に似てるってか。いやいやいや。しかし、このセザンヌの静物からピカソがキュビズムのヒントを得たのは想像に難くない。いやまさにそのピカソの「大きな静物」って絵があるではないか。セザンヌの静物画内に眠るものを呼び起こしたのがピカソだな。
ロートレック3つは……悪くないが、うん、そうかって感じで。ゴッホの「アルルのゴッホの寝室」は超傑作らしいが、イマイチな印象なのは画題がつまらんからか。部屋だもん。自画像はいいね。「星降る夜」はMoMAの「星月夜」ぐらい感動的かと思ったら空が割と普通だ。画題はいいのにな。惜しいな。ゴーギャンは……例の黄色いキリストが見れた。
ポン=タヴェン派は、ま、これゴーギャンが行った村なんだが、エミール・ベルナールの総合主義な。「愛の森のマドレーヌ」が傑作……あー総合主義ってイマイチ分からんわ。次のナビ派……って、この意味するところを最近知ったんだけど、要はナビってのはゴーギャンのことでゴーギャンに続いて行ごーぎゃんということで、彼の指導による絵「護符」という、まさにナビ派結成の重要な絵が今回出ているんだぜ……人だかりがしているってことはみんな知ってるのか。物知りだな。しかし絵自体は、当時は派閥の指針という感じで驚異的だったろうが今見ると大したことないんだ。ドニの「ミューズたち」は正に美術教科書ですな……これ西美の常設に無かったか? どっかで見たんだが。
次の部屋にモローの「オルフェウス」がある。おいおいおいこれ持ってきちゃマズいだろ。もったいねえだ。オルセー行った時のありがたみが無くなっちゃうぜ……っていうかこれポスト印象派じゃないぞ。次のシャヴァンヌの「貧しき漁夫」も美術史の本に出てたぞ……ありゃどこだったっけ? ボナールの「ベッドでまどろむ女」と「男と女」のほれ、これはいわゆる官能的ってやつだ。
クライマックスはルソーの「戦争」「蛇使いの女」。素朴派という妙な言い方がされるが、なんていうか絵自体は象徴主義的なんだけど、写実的にうまいわけじゃない。シロウトっぽさがある。この、うまくないところでインパクト倍増というのがルソーだと思った次第。だから、単にシロウトっぽいから評価されてんじゃねえだ。それにしても「戦争」の倒れた人々(死体か)の描写とかはかなり凄い。
次の部屋「装飾の勝利」は大型作品が多いが、まあ普通に。
時代的にもう少し先も見たかったと思うが……あ、オルセーには無いのか?
火曜休8月16日まで。さすが大宣伝やってるだけある。

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にんげんどっくだ

毎年恒例人間ドック(2年目)。毎回検便用便採集に苦労するぜ。容器は小さくて、採集自体は便表面を撫でるだけなんだが、何しろ最近は洋便器が多く、しかも水がナミナミ入っているヤツも多いので、うんこがすぐ水ん中に沈んじゃうんだ。前回まであった「採便シート」ってヤツが今年から無くなっていた。入れ忘れたか、あるいはあまり役に立たないからか。確かシートの説明には、水ナミナミ型の場合、大量のトイレットペーパーを敷き、その上にシートを敷いて、うんこをする、というものだったが……多分ありゃあ無理だろう。従って、採集時には水の少ない洋便器か、和便器を探し回ることになる。

結果は特に異常は無かったが、体重が相変わらず増えない。食ってるんだけどなあ。「太らないなんてうらやましい」と言う人もいるかもしれないが、印象がひ弱貧弱虚弱で困る。「ちゃんと食べているんですか?」いや食べているんだよ、これが。

Photo

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2010年6月18日 (金)

さいしょのびじゅつし

1冊終わった。まあ超入門書だし、西洋美術史を1冊で網羅するのは無理だとしても、ディエゴ・リベラ、フリーダ・カーロ、レメディオス・ヴァロも出てこない……ってメキシコは西洋じゃないか。でもアメリカは出てたぞ。ムンクがいてもスピリーアルトがいなかった。偉大なるバルテュスやベーコンは名前だけ。最強の抽象画家ザオ・ウーキーはいないのか……って、彼は中国だな。パスキンやデルヴォーを出してくれたのは嬉しいよ。あっ、ハンス・ベルメールはどうした? ギーガーはアートじゃないのか? あっ、あいつがいない……クリスチャン・ラッセン! え? ウォーホルがいるんならラッセンがいたっていいじゃん。アールブリュットに言及無し……って別に要らないか。でもダーガーだけでも入れてくれ。

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2010年6月14日 (月)

「モテ美」の配布

やっと「モテる美術鑑賞」フリーペーパーのVol.33を配布。だいぶ前に書き上げてはいたのだ。例によって中野の「タコシェ」、新宿の「模索舎」にあります。あと冊子をまだ持ってない人はぜひ購入よろしく。

今回の配布には4歳の上の子が同行。色々な要求に振り回され苦労して配っておるのだ。心して読んでくれ……って、内容が内容だけに、この苦労をどう見るのかって感じだが。

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2010年6月12日 (土)

ゆうじんのけっこんしき

に参加。乾杯の音頭という大役。極めて短い言葉だったがオープンマイクやステージ以上に緊張。何しろ、ご両家親族の皆々様のどこそこ会社の会長様とか、元何とか会社の誰様とか、そんな中じゃ40代とて若造じゃないだろうか。どうにか無事済んで、その後、宴会の中でスピーチもやるのかと思って(当初スピーチって話だったんで)準備をしてきたんだが結局無かった。そうか、同じ人は2度出ないんだ。そりゃそうだな。まあ、乾杯の音頭で燃えつきてたし、ひさびさに昼から飲んで酔いも回ってたんで無いなら無いでいいのだ。友人の弟がカラオケで歌おうとするが感極まって歌えない。友人も思わずもらい泣き。いや、これ、いい場面だな。あと、最近のキャンドルサービスはロウソクじゃなくて、なんか液体を注いでて、多分化学反応で発行させるもので、色んな色が出せる。思わず、おおっ、となった。友人の姉もピアノを弾いたりカラオケで歌ったり、ほほー、歌好きな一族ではないか。どうりで友人もカラオケによく行こうとするわけだ。ともあれ、おめでとう!

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2010年6月11日 (金)

まだびじゅつし

後期印象派まで終わった。どうも自分の好みは時代的にどうこうではなく……いや人様もそうだろうけど、背景の時代がどうあれこの画家が好きじゃ、というのもだろうね。美術史的には重要でなく、えっ、この画家の言及がこの程度かよってのも多いようだ。ウィリアム・ブレイクとか。本の中で気になったのは自分があまり知らないロココ時代つまり1700年代前半。その前のバロック時代でそうそうたるメンバーが出てしまい、何か気が抜けちゃって貴族達のお戯れの時代。なかでもロココ最後の巨匠と言われるフラゴナールのはじけっぷりが気になる。晩年はロココも流行らなくなって不幸だった。多分、美術展でいくつかお目にかかってはいたと思うがなんの意識もしてなかった。今度から注意してみよう。

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2010年6月 9日 (水)

びじゅつし

そんなわけで美術史の本を読んでいる。バロックまで終わった。バロックってゴシックの次ぐらいかと思っていたが(というかほとんど考えたこと無いが)、全然違うんだよ。間にルネサンスが入ってんだな。ルネサンスもイタリアのと北方のがあって、ギリシャ回帰はイタリア特にミケランジェロがマッチョで、ラファエロはミケとダビンチのいいとこどりで、北方はファン・エイク(知らんかった)から始まる油彩の超進化、ボッスとダビンチは同時代だってよ。クラナッハも同じぐらいなんだ。その後イタリアでは色彩に凝ったヴェネツィア派とマニエリスムってのが始まり、グレコはマニエリスムに所属だって。それから17世紀、バロック時代になり、カラヴァッジョが出て、その影響がフランスのジョルジュ・ラトゥールに伝わる。さらにフランスではクロード・ロランが登場。フランドルではルーベンスが大活躍。フランドルから独立したオランダじゃあレンブラントとフェルメールだ。スペインではヴェラスケスとムリーリョがこの時代。そうか、今までバランバランに見ていたが、こうして時代順に見ていくとそれはそれで面白いもんだな。

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2010年6月 5日 (土)

おわりのはじまり

とうとう私のいる事業部がグループ会社に移管されることになった。遺憾、いかんですな。大権力者カイチョ様の大ナタで一発決定。そんなわけで気分は「おわりのはじまり」である。行き先の会社がどうのってわけじゃないか、なんかもう次の仕事でも探した方がいい気がするよ。

じゃあセカンドライフは美術関係の仕事だ~ってのはまあ冗談として、美術検定でも受けるかねえ、と思った。いや、それよりまず、ちゃんと美術鑑賞を勉強する、ということを考えて美術史の分かりやすそうな本を買った。そう、今まで「歴史は苦手じゃ」と言ってその手のことを何にもやってなかったのだ。

ブログやら「モテ美」でさんざんっぱら「鑑賞に知識はいらねえ」とぶち上げてきたが、そういう態度もちょっと飽きてきた。もうちょっとその、作品が作られた時代背景、流れなんかを、普通に分かっておいていいんじゃないか。サブカルみたいな文章じゃなくて、正門から入れる面白い文章だって書いてみた~い。あー、ついでに内覧会ご招待の身分になりたいわぁ~ ツイッターでつい美術関係の有名人をフォローしていると軒並み「内覧会なう」とか「ゆっくり鑑賞できました」とかやらかすので歯ぎしりしてるぜ。

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2010年6月 3日 (木)

日本の美術運動(板橋区立美術館)

日曜に行ったのだが、月曜から歯がトラブって何も書けず。地下鉄赤塚から歩いたら来るだけ疲れてしまった。帰りはなんとかバスに乗れた。無料。展示は一応時代順。無料なだけに大作というものは無い感じだけど。そこは企画力でカバー。大正以降の美術運動とその作品が見れる。私もほとんど知らなかった。

大正期新興美術運動 未来派が入ってきたのがこの頃のようで「未来派の自画像」なんてのがある。なんかこう、全体にパッとしないのは、つい「誰それが劣化したみたいだなあ」という印象になってしまうためか。レジェみたいだなあ、とか。こっちが先だったら申し訳ないが。まあ、当時はこれらが最先端だったと思うぞ。

プロレタリア美術運動 うん……どう「プロレタリア」なのかイマイチ分からんかった。

日本のフォービズム 菊地なんとかと、田中なんとかと、寺田なんとかの絵がほとんどおなじ印象で困った。

ヨーロッパで学んだ画家たち おお、ヨーロッパ仕込み。うーん、これも何とかみたい、が抜けん。

戦時下の画家達「新人画会」 ここに、後に残る中村宏がいた。さすがだと思うのは先入観か。松本竣介の「鉄橋近く」や井上長三郎の「トリオ」はなかなかいい。
リアリズム絵画運動 おお、岡本太郎がここにあるのか。でも、大作でも名品でもないそこそこな感じが惜しい。ガツンとくる絵は無いか。

反芸術運動 赤瀬川か、いややっぱり秋山祐徳太子の都知事線立候補が面白い「保革の谷間に咲く白百合」なんてコピーもすげえ。白百合かよ。詩人も誰か「政治のポエム化」とかやってくれないかな。あと、篠原有司男の「マイアミビーチとお化けロブスター」これを見ると先の森美術館で見たChim↑Pomの展示作品がそう目新しくないなあと感じてしまう。あっちは食品サンプルぶちまけで、こっちは……まあ絵の具というかなんというかぶちまけなんだけど。Chim↑Pomについてはまだよく評価ができない。最先端か、お笑いか、単なるアーティスト気取りか……

板橋区美術館は結構今回ようなのテーマにこだわっていたようで、過去の図録なんかにも「反芸術」っぽいのが「分かってたまるか現代美術」といったタイトルのパンフレットとか。「脱・現代美術教養論」というのを買った。あと今回のチラシ(無料冊子)が、反芸術というか反読者みたいに見にくい。意図も気持も分かるが、こういうのは普通でいいんだが。

月休6月27日まで。

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