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2010年8月24日 (火)

「美とは何か」をめぐる作品

先日から例の、2児が育児放棄の結果、部屋にとじこめられ餓死する、という事件を考えている。母親は子供を放って遊び回っていた。子供がおらん者なら「とんでもねえ、あの母親も同じ目にあわせて殺してまえ」というのが、ごくまっとうな反応だろうと思うのだが、こっちは子供がおるんでどうもそう単純でもない。悪条件が揃えば自分もああなるに違いないと分かっている。「いや、私は子供がいるけど絶対にああはならない」と豪語できるんなら、そりゃ凄く恵まれていてそのことに気がつかないのか、あまり育児をしておらんのだろう。1歳と3歳だったろ。2歳差は一番キツいと言われている。下の子が手がかかる時に上が反抗期だからだ。誰にも頼らず(頼ろうとせず)一人でやってたら気も狂うだろう。

そんな時に美術関係の本でゴヤの解説を読んでいた。偉大なるゴヤはあまり日本で見る機会が無い。「サチュルス」は陶酔の表情を浮かべて子供を喰らうデッサンであった。ゴヤはこれを批判的に描いたのではなく、人間の本性として描いたという。ふと私は、あの惨劇の密室一面のゴミを詳細に描いて、中央に亡くなった子供の空間をぽっかり開けた絵を描いたらどうなるかと考えた。不謹慎かもしれないが……作品としては「あり」だな。批判的な要素を除き、あの惨劇が生み出したある種の形態というか情景は、情報を伴いある種のインパクトを持った作品になるだろう。あの「ジューサーミキサー」みたいに会田誠とかに描いてほしい。

私は絵が描けないから言葉にした。

それが現代詩フォーラムに置いてある「ネグレクト」である。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=216620&filter=cat&from=listdoc.php%3Fstart%3D0%26cat%3D1

……ちょっと数が足りないかもしれん。いや、でも狭い部屋だったのだから、この程度でいいとも思う。これがアウトなら、じゃあこっちはどうなのよ、の一つは河原温の「ヴェトナム」。これはベトナム戦争を「ONE THING 1965 VIET-NAM」と年号を記録しただけの作品。これは名作とされている。「戦争」がこの扱いだよ。もう一つはChin↑Pomの広島上空の「ピカ」。こっちはヒンシュクを買ったが、多分理由は一つしか無くて、美術に関心が無い人も、リアルな犠牲者や関係者も目にできてしまったからだろう。かといって、広島上空の写真に「ピカ」と書いて美術展に出す、のでは全くパワーが無い。やはり本物の空に出してこそ……なんだな。

「ネグレクト」には自分で生み出した言葉も文章も一つも無い。菓子名などは全部サイトから拾った。レイアウトはエクセルで文字数を計算してコピペした。こういうやりかたを取ってなお、私には作品らしい作品だと思えてしまっている。あのタイトルと、あの文字の羅列だけで「事件」じゃないか、おお、自画自賛。ん、まあ入ったポイントは少ないけどね。ちなみに、縦横同じ幅でレイアウトすると、実は日章旗と同じ比率になっている。だからどう、というものでもないが「ONE THING 2010 JAPAN」ってとこだ。

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2010年8月23日 (月)

ネイチャーセンス展(森美術館)

自然に関する3人のインスタレーション。厳選しているだけに、どれも大がかりで面白い。

最初の吉岡徳仁は、ガラス張りの巨大な部屋の中で、扇風機で巻き上げられた大量の羽毛が、雪のように降ってくるもの(部屋に入れるわけではない)。「スノー」というタイトル。扇風機がついたり消えたりで、そのたびに舞い降りる羽毛の表情も変わる。まさに降る雪とか、吹雪のようで楽しいぞ。ガラス面の中央にある水平線にいくつかひっかかっているのが気になるが、これは意図的なのか? それから光学ガラスの巨大作品。ベンチ状のもの。透明度が高いから、ガラスの塊を通して向こう側が見える。連れの写真撮ってるヤツ多数(今回の展示は撮影可。フラッシュや動画だダメよ)

それにしても一般観光客も多いし、恐竜展もやっているのでガキも多い。フラッシュ使うヤツ、つい触っちゃうヤツ、入っちゃいけないところに進入するガキ、ポール倒しちゃうヤツなど多数。

さて、次の篠田太郎は、まず巨大スクリーンでの風景の映像、それから白い部屋で白い山から赤い液体が流れ落ちるもの(巨大スクリーンの裏側なので、慌てていると部屋に気がつかない)。あとは「銀河」というタイトルで、円形のプールに水滴が時々パラパラっと落ちてくるもの。水の輪が広がってすぐに消えてしまうのだが、この液体は水なのかな?

栗林隆は、和紙でできた木々の並ぶ白い森を、地面の下から、あいた穴から首を出してのぞき見る、というもの。つまりフロアが地面の下ですぐ上が和紙でできた地面だ。面白い。子供にもウケる。あと巨大な土の山があり、脇の階段から上って見ると、上のほんの少しの部分が実はXXXX(書かない方がいいな)、というメッセージ性の強いもの。これは分かった時に驚くよ。あと一輪車の屋台プロジェクトの紹介。これはちょっとよく分からなかった。

ネイチャー関係の本のコーナーもあり。

この企画とは関係ないが、最後のところの「トロマラマ」のヘビメタ木版アニメーションは凄い。
http://www.mori.art.museum/contents/sensing_nature/index.html

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2010年8月21日 (土)

アントワープ王立美術館コレクション展(東京オペラシティアートギャラリー)

我が愛するベルギー近代だから面白くないわけがない……んだけど、マグリットやデルヴォーやスピリーアルトがタップリ……を期待して行ったらちょっと肩すかし、クノップフも1枚だもんなあ。でも、そこはベルギー近代、イケてる画家が多いのは嬉しい。

最初はアカデミズム関係のコーナーで、クールベさんの影響やら、スーラの新印象主義の影響の作品やら。アンソールもここにあって、後期印象派からフォーヴっぽい、うまさのある絵なんだけど、後の仮面系が無いのがちと残念。ここではヤン・ストパーツの「バラのシャワー」がいい。バラ園をあるく裸婦の象徴主義的雰囲気。裸婦を照らす光。描き方もぶわっとした超個性的。グレーフの「公園にいるストロープ嬢」はうまい少女描きだ。あとはスメットの「雲」。これはヴラマンク顔負けのいい感じなフォーヴ風の雲。

次は象徴主義関係。レオン・フレデリックがあるね……いいんだけどもっと凄いのを見てるのでねえ。キリスト教系の衝立とか。スピリアールトも4枚。後ろ向きの女の影を描く「海辺の女」はなかなか傑作だ。「砂丘の少女達」……んーああ、これももっと極端で凄いの知ってるぞ。クノップフの父の肖像……えー? ベルギー象徴主義の巨匠がこれだけっすか。それよりグザヴィエ・メルリの「母の教育」の宗教画的な強さと暗い人物のインパクトがいい。サデレールの、ブリューゲル風「フランドルの雪景色」フィルターをかけたような空の暗さ。

ポストキュビズム系のコーナー。フィリベール・コックスの「横たわる裸婦」。うむっ、この裸婦は妙だ。なんか「なまめかしい人形」みたいだよ。イポリット・ダーイの妙な個性が光る「子ども」。この顔はえれえ不気味だ。エドガー・ティトガットの物語風の絵もちとユルいがいい。

次がおなじみシュルレアリズムでマグリットとかデルヴォー。マグリット「9月16日」は文句無い傑作。そうそう、これ前版画で見たっけな。デルヴォーの「バラ色の蝶結び」は、うーん、もっと凄いのあるぞ。それより隣のデルヴォーの水彩「ウェステンデの海」がいい。こういう、水彩テクも使えるわけなのか……と新鮮。

有名どころじゃない画家に期待して行こう。
http://www.operacity.jp/ag/exh120/

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2010年8月13日 (金)

ザ・コレクション ヴィンタートゥール(世田谷美術館)

スイスのとある美術館なんだって。90点が日本初公開。うん、前のね、ユトリロ展でも書いたが日本初公開が多いってのは、貴重かつ秘蔵の部分と、大したもんじゃないって部分があるのよ。

出だしのちょっとショボいドラクロワとコローでなんじゃこりゃ的印象。大丈夫か? でも珍しいモネの灰色系の絵と、シスレーの教会、ルノワール晩年の極太裸婦とどれも大作ではないが手堅く特徴がある作品で迫る。あとゴッホはさすが、いいね。これだけで十分客寄せパンダになれる。

ドイツとスイスの近代画家コーナーで、名はあまり知られていないが、コレクションとしてはこういうのが本領だろうなあ。ホードラーの自画像がいい。あと風景画「ジュネーヴ湖畔の柳」も小品ながら色がなかなかいいぞ。

次はナビ派からのコーナーとしてボナールがいくつも並ぶ。ううむ、どうもボナールってのが私にはイマイチとらえられない。色に特徴があるのかな。フォーヴ系がありヴラマンクが1枚あるんだが大ざっぱな絵でイマイチ。いや、フォーヴって概ね大ざっぱなんだけど、ヴラマン君にはもっと神業みたいなのがあるはずなんだが。一方マルケの風景画はフォーヴとは思えんほど落ち着いた色あいがいいね。

スイス出身のヴァロットン。さすがスイスの美術館。そうかヴァロットンってこういう画家だったのか。「5人の画家」のクールな具象の感じ。なかなかええな。ナビ派だそうだが絵はとてもナビではないな。オーベルジョノワって人の貧弱な「オランピア礼賛」もいいね。

20世紀表現主義としてカンディンスキーやクレーがある。それからピカソが手堅く2つ。ピカソのキュビズムかと思ったらファン・グリスって人のが1つ。レジェのキュビズム風あり。いやそれより建築家でもあるル・コルビュジェの絵がいいぞ。それから素朴派など。アンドレ・ボーシャンを今回初めていいと思った。波が並々ならない。損保でだいぶ見たはずなんだが、そっちはあまり覚えていないんだ。それよりやっぱりアンリ・ルソー「赤ん坊のお祝い!」おいおいすげーなこれ、わざとやってんのか的妙さが冴える。赤ん坊ったって妙にデカいよ。いや、後ろの木が変に小さくねえか。隣の人形がまるでヘンな人物じゃ。全然関係ないが、浮世絵の口当たりのいい役者絵を見て、いきなり写楽をみたらこういうインパクト受けるんじゃね? えー、それからモランディのおなじみ静物2つ。スイスの画家でニーストレという人の日本画風のと、シュテックリンの幻想画風……は、こういうのはデルヴォーのがいいな。

なかなかいいので行ってみよう。
http://www.collection-winter.jp/

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ありえってぃ

ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」を鑑賞。最近映画で映像酔いすることが多いのだが(3Dでなくても酔うので、3Dなぞ怖くて絶対に見れん)、これは酔わなかった。家の中を動き回る小人のリアルさ、例えば水滴の大きさや表面張力などのディテールは相当よくできている。ただ、話があまり盛り上がらない……いや、事件もピンチもあるのだが、何かいまひとつ。主人公の少年が病弱な設定なので、アリエッティと協力し合うテンションがどうにも低い。小人と人間だから手に手を取って……ってわけにもいかないけどな。監督は宮崎駿の一番弟子なんだけど、やっぱ駿はすげえなあ。何か「紅の豚」が見たくなったな。そういえば息子はどうしたのだ? もういないのか?

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2010年8月12日 (木)

奈良の古寺と仏像(三井記念美術館)

ほとんどアウェー過ぎて何も書けん。一応時代ごとの特徴や寺ごとのお宝仏像が並んでいたり、仏教工芸品のコーナーもあり。解説も豊富だし、會津八一って人の歌もあるぞ。

飛鳥時代の仏像は顔が面長でアルカイックで左右対称で立像も多くて銅像だったりして、なんとなくどんな雰囲気かは分かる。奈良時代も、奈良の大仏の感じのぶくっとしたのは、奈良だなあというのが分かる。平安時代から木の一本から作る「一本造」が始まったはずだ。鎌倉時代は写実的になったと言われ、何がどうってわけじゃないが、顔が普通の人間っぽいのが出てきたり、あと寄せ木という木を組み合わせる手法が本格化してデカいのが作れる……とまあそんな程度が分かったところで、仏像を見たらいつのかなんて分からんのう。だいたい美しいとか素晴らしいとか感じて見てるわけじゃないのがキツい。鑑賞センスがないのだ。今はね。うん、今は、と言っておかないと、もっと後になって心底感動したりしてな。

鎌倉時代の東大寺四天王像はよかった。それからアフロヘアみたいなデカい頭の鎌倉時代の「五劫思惟阿弥陀如来坐像」。あとは……工芸品はおよそ見ていない。

http://www.mitsui-museum.jp/

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印象派とエコール・ド・パリ(横浜美術館)

印象派の次がエコール・ド・パリではなく、その間にナビ派とかフォーブとかあるわけだから、まあ客寄せに2つを並べたってとこだろうなあ。

ポーラ美術館のコレクションで、有名どころが多いし、質の高いのもあるんだけど、私もこのあたりはずいぶん見ているもんで、よほどのもんじゃないと感動できんのです。

印象派はモネが多い。水辺ものを見るとみんなシスレーだと思ってしまうがモネだったり、あおあおとした緑の木々を見るとピサロだと思てしまうがモネだったり。「睡蓮の池」があり、先のオルセー展のとほぼ同じ名品。とはいえ、モネはあちこちに山ほどあるので、今更どうってもんでもないなあ。ルノワールも大したものがない(といっちゃ失礼なんだが、これもずいぶんあれこれ見ているもんで)。後期印象派ではゴッホの「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」が鮮やかでいい。セザンヌは「ラム酒の瓶のある静物」が手堅いね。

新印象主義すなわち点描法というのは、印象派が適当にやっていた太い線の描法を、もっと理論的に、転々の方向やら色彩を分析してやったんだって。出だしのスーラはまあ点描法で描いてるな、って感じだが、その後のシニャックになると色がテカテカしてきて、1つ見りゃ満足する感じ。あと今回もピサロの点描法が出ている。そうか、オルセー展で見たのが珍品だと思っていたが、ポーラも持っていたのか。あとプティジャンって人が人物ヌードの点描法。ちょっと珍しいかな。

エコール・ド・パリに行き、ピカソのコーナー。やはり「青の時代」の「海辺の母子像」がいい。ピカソで幾度の鑑賞に耐えるのは、実はこの青の時代じゃないかと思ったりする。キュビズムやら、新古典やら、いわゆるピカソ顔やらは、実験的で斬新ながら、青の時代ほどの深みは無いと思いませんか?

ヴァン・ドンゲンコーナー……ありゃ、この人はどんなんだっけ? 一応フォーヴだったかな。それより最近気に入っているパスキンが3つ。「ルネとマルセル・ソヴァージュ」がいい。しかし、だいぶ前に損保でやった時にもっと見とくんだったよ。モディがいる。ビンボーだったというスーティンがいる。キスリングの「風景、パリ・ニース間の汽車」が変わっててよい。フジタがいくつか。フジタはレオノールになっているから、エコール・ド・パリ時代ではなく、日本を追い出されフランスに帰化したあとの。でも子供を描いたいい絵が並んでるぞ。「オランダの少女たち」がお気に入り。あとシャガールがあるが、あまり目新しくない(悪いデキの絵というわけではない)。

というわけで、おなじみの画家のそこそこのがそれなりにあるというところか。
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php

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2010年8月 9日 (月)

マン・レイ展(国立新美術館)

あらゆる芸術的概念を破壊する「ダダ」が結構カッコイイ印象なのは、マン・レイのごときおしゃれな写真家がいたりするから……だと思う。新美術館でオルセーと一緒に開催中。疲れているけど行ってきたよ。でも基本が写真展なもので、何しろ点数が多い。マジ多い。映画もある。まともに見ていると大変な時間がかかる。

最初はニューヨーク時代。モノクロ写真ではない見たことのないものに目がいく。「伝説」といった派手な絵のリトグラフやら、ダダイストデュシャンの作品写真やらが新鮮。「プリアポス」というイチモツもええな。「両性具有」という抽象人体彫刻などもある。

次のパリ時代に行くと、得意のポートレイトがずらっと並んで、ポスターのセルフポートレイトもここ。いろんな人がいるが自殺した儚いパスキンと、大ピカソの風格なんぞがよい。あとキキ・ド・モンパルナスの有名な写真(キキはモンパルナスのアイドルだったが日本人から見ると顔がちょっとキツいよな)。あと、技法を使ったもの「ソラリゼーション」という過度な露光とか、「レイヨグラフ」という現像中に物を置いて光を当てちゃうのとか(正確にどういうものかは写真に詳しくないんで分からん)。それからそういうのを使った映画もあり。あーそうそう有名な「黒と白」が最新技術でプリントされたって。あとカラーのリトグラフ「無限なる者」「運」が目新しい。

次、ロサンゼルス時代。ヨーロッパでは有名でもアメリカじゃあイマイチだったらしい。なんかダダでもシュールでもない普通のポートレートが並ぶ。チェスの駒のデザインはなかなか面白い。あと「から騒ぎ」というキリコみたいな油彩。

再びパリへ。晩年になって芸術家として認められたんだって。そこで、過去の作品のリトグラフとか作り始めたのと、なんとカラー写真がある。マン・レイのカラー写真なんて貴重じゃあないですか。新たなる表現を求めたカラー写真……なんだけど、並んでいたのはまあ普通のポートレイトだった。でも、退色しないように結構工夫したんだって。あと絵画などの作品もあったけど、うーん、イマイチだなあ。やっぱり写真の方が向いている。

入る時にオルセー展の方がなんと1時間待ちで1階フロアに人がぎっしり並んでいたが、出てきた時は誰もいなかった。そういえば6時で閉館だったな。夕刻に行ったもんで。

http://www.nact.jp/exhibition_special/2010/manray/index.html

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ついったーそのご

最近、あまりちゃんと使わなくなった。いや、前からそんなにハマってはいなかったんだが。ともあれまず「ついっこ」というコミュニティの機能があって、そこに美術鑑賞のブログ情報を書き込んでいたんだけど、7月末で何の予告も無く機能しなくなり、それについて管理会社のサイトにも何の説明も無いときて、なんだよ、ツイッターってのは要はその程度の、ビジネスになりゃ食いつくけど、ならなきゃ知らん知らん逃げちゃ逃げちゃえ、というもんかよ。なんか、今あまり聞かなくなった「セカンドライフ」みたいだな。嬉々として使っているのはTL(タイムライン、今何が書き込まれているかの一覧)をタップリ追える暇人だけか。私にゃ140字じゃ足りん。いや、やっぱり「ついっこ」復活しねえかな。

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2010年8月 8日 (日)

タブロオ・マシン中村宏の絵画と模型(練馬区立美術館)

中村宏なんだから面白くないわけがない。

1階が模型や立体、インスタレーションで、こだわりの立ち入り禁止の黄色黒ストライプを使っている。

2階からは年代順。初期の社会派っぽいざらざらした暗い絵画が並ぶ。事件を題材にした「ルポルタージュ絵画」というものだって。それでも「蜂起せよ少女」には後のこだわりとなる立ち入り禁止のストライプがあって、タイムスリップみたいで面白い。ざらざら手法の絵画は「侍の飛行」という作品が傑作。この絵の雰囲気と、ところどころ顔をのぞかせる線描の人体がイケる。その後の「飛行機不時着す」の赤いイメージもいい。
それからどうなるかというと、一気に「青の時代」。全体に深い青を用いた奥行き感と浮遊感を演出。題材はフェティシスティックにこだわる飛行機とか機関車とかセーラー服。「B727」の飛行機、「似而非(エセ)機械」のセーラー服、「一対の緊束具」にうっすら浮かぶ不気味な顔、「HUDSON-C62」の硬質な機関車、「波」の上に浮かぶ妙な物体。どれも超現実的にして、エロティックなのがいい。若冲の鶏と中村宏のセーラー服や機関車は同じ位置にあると思うよ。
次の部屋に「車窓」もの。椅子もコックピット画に向かって並んでいて面白い。ここにもセーラー服がチラホラ登場。次の部屋は、車窓が連続した「タブロオ・マシン」機械のように運動感がある連続絵画。これを見ると、実はイタリア未来派ってのはあまり大した運動感を獲得できなかったんじゃねーかなとか思っちゃう。

次の部屋に得意の「グラフィックの仕事」雑誌とか。イメージがよりはっきりしている。ギーガーがやる前にセーラー服と機関車を融合させた人体メカをやったり(別にギーガーでもないか)、おなじみ一つ目セーラー少女も出まくっている。一つ目でない顔もあるが、カワイイ顔が全く無くてだいたい怖い。顔が溶けてるのもある。あと、セーラー服少女の首を切断してあったりもする。時にビアズリーのようにエロくお下劣に、やりたい放題に見えて、それでも仕事なんで、あっち側にいく一歩手前で止めている感じがある。

それからおなじみ立ち入り禁止とダイヤグラムもの。最近になると、絵を並べるのと、地平線があるのに縦横のグリッドを入れて遠近感が無いとか。とにかく常にエキサイティングに活動、冒険、そしてフェチ的こだわり。凄いな。カッコイイな。似たようなもんばっかり描いて閉じこもっているアーティストはぜひ見習うべき。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/

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2010年8月 6日 (金)

BASARA展(スパイラルガーデン)

天明屋尚キュレーションによる日本美術展示。日本美術はわびさびだけじゃないってのは浮世絵好きにゃおなじみなんだけど、それを今の美術作品にも通じている美意識の「BASARA」でくくった愉快企画。4日間しかやってないという、もったいない。

我が浮世絵派の国芳、芳年、暁斎の作品がある。特に暁斎の蛙合戦は嬉しいじゃないか。国芳は出世作の武者絵。芳年は……はて残酷絵じゃなかったような。それから縄文土器がある、となれば岡本太郎先生もといきたいところだけど、無い。代わりに誰だか知らん色だけ見たら太郎パクリみたいなのしか無かった。

池田学の大作「興亡史」に再会できたのは嬉しい。これ、細かくて凄いんでじっくり時間かけて見たいんだけど、いつも焦っちゃうんだな。あと立体もので松山淳「グラビア観音立像」と四天王もうひゃひゃな傑作。四天王の渋い塗装がいい。最近仏像の本見てるもんで。この四天王もちゃんと「静」と「動」やっているって分かりますな。

キラキラのデコ電(ケータイ)と古い印籠が並んでいる。そうか、これが同じくくりなんだ。「大」「小」とかいう耳のついたヘンな兜があるなあと思ったら桃山時代の。当時からこんなんやってたわけね。それとそのヘンな兜みたいな改造バイク。

彫よしの刺青やデコトラ(ハデハデのトラック)の写真。この展示の初日には本物の刺青の人が来てパフォーマンスしたらしい。

天明屋尚本人の作品もあり。他のカブいているのに比べたらちょっと普通かな。にしても名前が「天明 屋尚」になっていた。「天明屋 尚」だよねえ。

明日まで。行っとけ!

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2010年8月 5日 (木)

ぶつぞう

仏像の見方とかいう本を読んだりしている。飛鳥時代のは何となく分かるものの、それ以外のは何がどうだからってのがイマイチつかめない……ってこないだも書いたか、そうそう奈良時代のは、なんとなく分かってきたぞ。銅製とかでデップリしているのだ(奈良じゃなくて天平時代とか書いてあったよな)。あと、千手とかそんなのはいなくて、せいぜい阿修羅のアレか。平安になると一本の木から丸ごと取るヤツが流行し……えーと、今だいだいこの辺。どうも鎌倉時代でクライマックスで、それ以降なんか、あまり書いてない。せいぜい円空と木喰だけ。うーん、クラシック音楽が、過去の作品でほとんど完結しちゃったように、仏像もそうなんでしょうなあ。今でも同じようなもんは作れても、それは二番煎じでしかないのだ。

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