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2010年12月26日 (日)

ねんがじょ

やっと年賀状を作ったが、今年も子供の写真だけである。チマタの少なからぬ人々が「子供だけの写真の年賀状なんてバッカじゃないの!」と言っているのはジュージュー承知なのだが

物理的に親の写真が無い

んだよ。じゃあ写真なんかやめちまえという意見もあるはずだが

そんなことしたら毎年全く同じものになる

のですよ。じゃあデザインとかを毎年変えて凝ればいいじゃないか(少なくとも独身時代はそうしてた)ということになろうが

もうめんどくせえ

従ってまたハガキ面に子供だけの写真が載ることになる。「この一年はどうでしたか?」というものを報告総括するのが年賀状の役割とすれば、親にとって相対的に比重がかかってくるのは子供の成長なんだからしょーがないじゃん。こっちはもう開き直っちゃうぜ。だいたい人様の日記などで、今日の休日はのんびりどこそこに行ってどこそこに行って夜はこじゃれたレストランで美食三昧ワインは年代もののなんちゃらなどという内容がありゃあ指くわえて見ざるを得ないのだよ。ああうらやましいぜねたましいぜこんちくしょー。そうやって芸術やら食文化を堪能している姿を自慢して文化的に不足しているオレの事を鼻で笑ってやがるんだろう。子供自慢を非難するならその自慢をやめろよ……とまでひねくれてはいないけどさ、ともあれ、もし神様が「じゃあ子供を取り上げます」なんて言っても「それは絶対イヤ!」。まあ、そんなもんだ。

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2010年12月23日 (木)

カンディンスキーと青騎士展(三菱一号館美術館)

二〇世紀はじめのドイツのグループ「青騎士」についての展示。中心は巨匠カンディンスキーなんだけど、後の洗練された抽象画やら大作「コンポジションⅣ」などを見た身には、今回の展示はひたすら何をやりたいか分からんカンを延々と見せられる感じ。抽象化に至る過程を目にできると言えば絵画通には嬉しいかもしれないが、私のごとき完成品好きには悶々とした奴らばかりが並んでいる。

最後の青騎士展あたりになってやっとカンも吹っ切れていい感じになるが、しかし「コンポジション」シリーズの本物1枚ぐらい持ってこないかなあ「《コンポジションⅦ》のための習作」がカンのラストじゃちょっと寂しいぞ。

そんなわけでカンの作品を最初の方から追うと「花嫁」は何をやりたいか分からんの典型。フォーヴにも新印象主義にもナビにもなれず「オレのやりたいことはなんかちがうんだよなあ」という悶々とした表現。当然サイズも小さい。それからパートナー「ガブリエール・ミュンターの肖像」は普通にうまい。中盤の「山」でやっと抽象に踏み出しつつあり、後半の「《印象Ⅲ(コンサート)》」でようやく抽象のキメ方を分かってきて、ラストの煮えきらない「《コンポジションⅦ》のための習作」に至る。

カン以外では、パートナーのミュンターが当時のカン風の絵、ヤウレンスキーの「ムルナウの風景」も当時のカンっぽいが、むしろカンより明確で迷いがない傑作になっている。マルクの「虎」や、マッケの「遊歩道」もスタイルができている。特に「虎」は傑作で、今回こっちが目玉でもいいと思うのだが、やっぱ知名度でカンの「《印象Ⅲ》」にチラシ表面を奪われた。

そんなわけでカンディンスキーが一番遅れてきた感じだが、後の活躍を見ると大器晩成というヤツですか。

今回の企画は「青騎士」がどんな連中だったか、というメンツを見るにはいいが(というかなかなかいい視点ではあるが)、カンディンスキーの絵を堪能するにはちょっと物足りん。1500円は高いぞ。
http://www.mimt.jp/

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2010年12月20日 (月)

ドガ展(横浜美術館)

ドガはそう好みでもないのだが、話題の規模のため行ってみたのだ。開館ほぼ同時に行って既に入場制限。チケットを買うにも20分ほどかかる。うええええ、こういう目に遭うと内覧会ご招待組への煮えたぎるジェラシーがいやが上にも高まるというものだ。

ドガがアングルを敬愛していたというのは初めて知った。冒頭の「画家の肖像」からして肖像画がうまい。「エドモンド・モルビッリ夫妻」は、確かこれ再会だよな。ドガもこんなきちっとした肖像を描くのかと感心した記憶があるが、その手合いの味のある肖像がいくつも見れるのは嬉しい。「画家の従姉妹の肖像」もいいね。「マネとマネ婦人像」なんて妙なのもあるぞ。これは横向きのマネが婦人像が気に入らなかったので、どうやらマネがキャンバスを切って婦人の半分を切っちゃったって。マネのくつろいでんだか偉そうなんだか、そんな格好がいい。

その前の、サロンに出たという「障害競馬 落馬した騎手」って、こりゃうまいのか? まず馬の足はこれでいいのかって気がするが。あと、通好みのデッサンもかなりあって、多分ドガ好きにとってはこのデッサンこそが相当な魅力であろう(オレはなんかどうでもいい)。

次にいよいよバレエもの。最初に「14歳の小さな踊り子」の彫刻。こりゃ傑作。胸が出てないのがいいよな。何書いてやがると思うかもしれないが、これでオッパイが大きかったら踊り子じゃなくなるような気がするぞ。それから見たぜ目玉の「エトワール」……背景(踊り子じゃない部分)とか結構とラフなタッチなんだな。うちにある複製(印刷の)とあまり印象は変わらんかった。「バレエの授業」なんてきちんと描いてあるのはなかなかいい。ドガはパースのかかった部屋の描き方がうまいね。「バラの踊り子」というのがあり、一見普通にキレイなんだけど、上半身が妙にデカい。うむっ、このプロポーションは「?」だ。いやしかしこれは、リアルなのかもしれん。全身鍛えているからなあバレリーナは。あと、マツコ・デラックスの肖像があり、ほほー当時から活躍してたんだ……いやいやいや「女性の肖像」だ。マツコの鼻はこんな高くないな。

次に浴女の山。当時主流のキレイキレイな女神像が嫌で、覗き見風の行水女を描きまくる。なんかこう、本来アングラ気分でウヒヒヒムフフフ的鑑賞物だと思うが、こうして堂々と大美術館に展示され、老若男女が喜んで鑑賞しているってのはいとおかし。いやーオレはこれ当時のアングラだと思うね。「浴後(体を拭く裸婦)」の下半身は生々しく、上半身はねじれてどうなっているか分からない(試験に出るマニエリスムか)、なんてのを見ると、もう少し時代が進めば、ドガはベルメールみたいにパーツフェチになったんじゃない? ……んーまあならないか。部屋を出るところにバレリーナに関する歯の浮くようなドガのポエムがあり、えー? お前本当にそんなこと考えて描いてたのか?

最後の部屋には彫刻があり、ドガさんはバレエのコスプレフェチかと思ったら、おおこりゃ違うんだな。衰えても全身像を見事に作っている。顔は目鼻とか全然作ってないが、全身像はきちんと作り込む。つまりそういう嗜好なんだね……うーん普通じゃん。

出たら昼前で空いてて入場制限もしてなかった。なんだよ。
http://www.degas2010.com/

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美術検定2級合格!

今日はドガ展に行ったんだけど、その話は明日にして、来ましたよ美術検定合否通知が。

2級合格! わはははははーっ!(3級は言うまでもない)

正確な結果、マークシート66/100、穴埋め19/30なんで、まあこれギリギリの線ですかね。それでも合格者361/1079人で合格率33.5%だったんで、結構厳しいものだったようです。ちなみに3級は78点、合格者915/1309人で69.9%。こっちは結構合格率高いですな。うーん、私が見たところ2級3級でそんなに問題に差がある感じじゃなかったが。あと、試験会場にはうじゃうじゃ人がいたんだけど、1~4級まで全部含めても3448人しか受けてないんだな(しかも2つ同時に受けてる人もいるだろうし)。うーん、マイナーな資格だ。

ともあれ、今年最後のグッドニュースだ。いつもブログの美術鑑賞記事をナメてかかっているキミも、こっちは一応資格保有者なんだぜっと。

合格特典として、1年間はメールでボランティア案内とかが来ます。1年かよ、セコいな。あと美術関係書籍10%OFF。でも直接申し込みだけだって。なんだよ美術館の売店とかで認定証をシャキッと出すんじゃダメなのか。ちょっとカッコつけさせてくれよー……まあ、あんまり買い物しないが。

さあ来年1級……は受ける気無いなあ……だって見たくもない美術品も見てないといけないし、あと文章書くのがあるんだよね。ワープロパソコンポメラが使用可能なら受けないでもないが、手書きの字なんてもう自分でも読めないよ……

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2010年12月12日 (日)

モネとジヴェルニーの画家たち(Bunkamura)

前も書いたが10時の開場時間前に行くと、渋谷周辺のパチンコ屋に並ぶ列を横目で見ながら行けるという「俺サマはパチンコ族じゃなくてアートなお芸術族だもんね~」というイヤラシイ優越感に浸れる特典付きだぜっ。モネはやはり人気なのか、Bunkamuraの前もパチンコ屋と同じくらい並んでた。

フランスの村ジヴェルニーってとこにはモネだけじゃなくて、彼を追ってアメリカン画家などが来て描いてたんだって。この手の企画で「モネ以外はダメだね」などというのはいかにもシロートっぽくてイヤなんだけど、冒頭からモネのパチモン(というのは失礼だがなんかどこでも見るような感じの)アメリカン画家のつまらぬ絵が並んでてシマッタと思ったりした。
次にジヴェルニーでのモネのコーナー。なんたって「積みわら(日没)」だよな。おお、積みわらはいくつも見てるが初めてこいつぁスゲエと思った。積みわら周囲に散るオレンジの光、わらの逆光の色がまさに光の一瞬をとらえようというモネの執念だ。他には「セーヌ河の朝」がいいね。何がいいってこの表現主義的というか抽象というか、「何だかよく分からないけど美しい」という部分。無駄な解説があり「しっとりした水の精髄」だと。何寝言書いてやがるバカタレが。「何が描いてあるか分からないから解説」ではない「何が描いてあるか分からないからこそ解説がいらない」のだ。分かってねーなー(オレがそんな分かっているかというと微妙だが。美術鑑賞はオレサマが基本なのだ。美術検定が終わったんでよけいそういう状態だぞ)

次のジョン・レスリー・ブレックという人がモネのマネして積みわら連作。でも先の傑作「日没」を見た後だと、その明確な量感がなんじゃこりゃ的な印象で、色といい形状といい幼児番組「いないいないばあっ!」の♪おにぎ~りにぎにぎを歌わざるを得ない(ショーユ味な)。「朝霧と日の光」(これも積みわらよ)でだいぶマシになるが、それでもiphone4とIS03ぐらい違う。

あとはまたアメリカンで、セオドア・アール・バトラーって人の「トランプをする人々」がフォーヴ風で面白いという程度かなあ。あと「装飾的印象主義」というのが起こったというコーナーがあるが、解説を読んでもよく分からない。「明るい色彩と量感を表現する技法」のどこが「装飾的」なのか。訳を間違えたのか? 英語では「Decorative Impressionism」になっているようだが。あるいは女性が描いてあったりするから「美人画」か? 当たらずとも遠からずで、調べたらちょっとジャポニズム風味が入っているようだ(じゃあ「明るい色彩云々」はなんなんだ?)。

最後にモネの睡蓮連作。時代ごとに変遷が分かり、最後の「睡蓮、柳の反影」はまさに抽象画だ。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_10_monet.html

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2010年12月 6日 (月)

すまほ

ケータイを今をときめくスマートフォンにしたいなあ、とかねてから思っているのだが、私のは一番遅れているAUなのです。先日とうとうIS03が出たので飛びついた……と言いたいところだけど、飛びついてません。なんかAndroidのバージョンがもう少し新しい方がいいとかいう話も聞くし、電池が一日もたねえとかいう話も聞く。しかしなにより……こないだ店頭でIS03を触ってきて、ついでにiPhoneも触ってきたが、なんかIS03動きがぎこちなかったの。3台ぐらいあって3台とも。対するiPhoneは、不自然無くなめらかで、いやもう、なんか歴史というか格が違う感じなんだなあ。しかしAUじゃiPhone使えないし、そのためにソフトバンクに変えるのも面倒だし、何よりオレはあの「Apple信者」というヤツがイヤなのだ。時に鼻息荒く、時に目をキラキラさせて「ジョブスさま~」とか言っているヤツラを見ると(←見たんかい)、このバカタレがとか思ったりするが……でも他より先行ってるのは確かなんだよね。がんばってくれ国産メーカー。「ガラパゴス(独自の進化)」なんて言われてるが、なんかもう世界から取り残されちまった感じだよ。

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2010年12月 5日 (日)

アンドリュー・ワイエス展(埼玉県立近代美術館)

以前Bunkamuraでかなり通向けでオレ向けでないのを見たので、企画があればもっとイイのを見たいと思っていた次第です。

ワイエスは近所にあったオルソン家の家まわりを30年ぐらい描いてて、有名な「クリスティーナの世界」もその一つなんだって。

冒頭の22歳で初めて描いた「オルソンの家」で驚愕。おいおい若いのにもう完成されてるじゃないか。ちなみに水彩。優れた水彩は油彩にも勝る……と思っているのです。モローとかさ。それから優れた水彩がずらずら。今回、家が主役だから「小舟にペンキを塗るアルヴァロ」なんてのもアルヴァロ氏よりもやっぱり家の印象が残る。畑を荒らすカモメを追い払うために死んだカモメをつるしておくそうで、その絵「棒に吊されたカモメ」なんて絵もおもしろい。鳥のような旗のような様子が美的で絵的なテーマになるのをワイエスも見て取ったようですね。「オルソン家の納屋の馬具」は一見何の絵か分からないが、これ、抽象画としても十分イケる色と描線を持っているぞ。隣の「馬の尻」もそうだね。オルソンの家の模型あり。「オルソン家の納屋のツバメ」も屋根裏への着眼がおもしろい。「霧の中のオルソン家」もひと味違う明るさがいいぞ。一軒の家から様々に絵のモチーフを見いだすワイエスってすげえなと感心しきり。

ところが後半になると、またまた「習作」の山でありゃりゃとなる。「海からの風」も「クリスティーナの世界」も本物を見たことないっちゅーの! しかし今回初めて知ったが、クリスティーナって、ワイエスより20歳以上年上なんだね。「クリスティーナの世界」では後ろを向いているので若い娘かと思ってしまうが、絵が描かれた時は既にオバチャンなんだ。会場出たところに油彩画のポスターがあるんだけど、それを見ると確かに白髪まじりだったりする。うむむ。

そんなわけで前半の水彩画がおすすめよ。ワイエス通は後半も見てね。私は何も覚えていないので。あと、100円プラスで常設が見れるけど、なかなかいいぞ。キスリングやフジタ、モネ、シャガール、デルヴォーの傑作がお出迎え。厳選って感じで。
http://www.momas.jp/3.htm

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