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2012年7月16日 (月)

奈良美智:君や僕にちょっと似ている(横浜美術館)

横浜では二度目の奈良美智展。前回はイマイチな感じがしたけど、今回は結構いい。
最初の展示室は暗くて、そこに浮き上がる大型のブロンズが並ぶ。おお、やっと大きさに見合うものを作り始めたか、と思った次第。つまりこの大きさでなきゃ出せない表現。拡大コピーじゃダメよってことね。「ノッポのお姉さん」の不気味可愛いぶりがフルボリュームで迫ってくる。「真夜中の巡礼者」の半幽霊みたいな感じもいい。

次の展示室は前回もあった「室内そのまま」といった感じのもの。ロック(だよね)のBGMが流れ、絵だのメモだの面白立体だのが並べられ、あるいは壁に貼り付けられているわけ。これは奈良の強みを最も出し得る展示方法かと思います。原美術館の常設にもこんなのがあるしね。それで、この中の「NO NUKES」と描かれたプレート(?)を持った少女の、やや大型の絵に惹きつけられた。そう今時の「反原発」。この少女の微妙な、ちょっと悲しげな表情がいい。この表情をストレートに「これは原発をまだ稼働していることへの悲哀を表しているのだ」と見てもいいとは思うが、それはちょっと単純過ぎると思うんだよね。結局、原発稼働も大人の理論なら、反原発だって実際のところ大人の理論でしかないのだ。この子供はとりあえず周囲の愛する大人達から反原発を教えられて、プレートを持ってはいるが、実際子供なもんで何が悪いのかよく分かっていなくて戸惑っていると見えるし、奈良もそれをとらえて表現しているのだと思う。まあ本人は素直に反原発的立場の発言をしているかもしれないけどね。作品の子は違うと思うんよ。このストレートでない印象により、やっぱり奈良はアーティストだなと好感を持つ次第である。この表情に、ちょっとレンブラントっぽさを見た。いや全然違う感じだけどね。単純でないところがね。ちなみに以前ネットプリントで出せたのは(私は出してないが)別の、普通に怒っているバージョンだね。

それから展示はアクリルの大きいのがあったりして、「体重計少女」の「60」ってなんだ? 60キロか? それから段ボールに描いた絵とか、板を組み合わせたところに描いた絵とかあり、これがいずれもいい。子供が飛び出てきたような画風に似合う。「Hey! Ho LET's Go!」いいよね。大きいけどガキだけどカッコいいね。この絵はがき欲しかったけど、ステッカーしか無かった。だらっと寝てる「One Foot in the Groove」や、かったるそうな顔の「Under the Hazy Sky」は、うちの小1の娘を見ているとまさにあんな感じ。子供は常にハキハキ生き生きしているわけじゃないんだぞっと。

常設展にも奈良作品がいくつもあるので注目。
http://www.nara2012-13.org/

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ドビュッシー 音楽と美術(ブリヂストン美術館)

前回の企画ではブロガー向け内覧会に参加できたのだが、今回は普通に行ってきた。自腹だ自腹だ。ドビュッシーは多少知ってるけん。別に電グルや筋少ばかり聞いてるわけでもないけん。それに印象派象徴派方面みたいだから、こりゃ「行き」だと思った次第です。初日のせいかえれえ混んでいるのね。どうもこれ土曜講座とかあるのね。みんな勉強好きで困っちゃう。

しかし会場に入ってみてこりゃドビュッシーをそれなりに知ってないといかんなと思ったりして。絵画作品に関連するドビュッシーの作品が説明されているが、それがどんな感じのものか、会場内にBGMが流れているわけでもないので、これは困った。しかも絵は概ねどこかで前に見たようなのが多い。そこで極めて異例のことに、いや初めてかもしれんがイヤホンガイドを借りた。
イヤホンガイドにはドビュッシーの曲で、当時の貴重音源を使った演奏が入っているのさ。ラフマニノフがピアノ弾いてたり、ドビュッシー本人の演奏だってあるんだじぇ。オペラ「ペレアスとメリザンド」の解説のところなんか、やっぱ音楽聞きながらはいいですな。北斎の大波の絵の前で、それ楽譜を表紙に使った「海」を聞くのもオツでげすな。しかし全部が絵画と関連していることもなく、ただのBGMの場合もある。いずれにしてももう少し曲多く使ってほしかったな。使った曲は6つしかないの。
ガイドの語りは安井邦彦という人がドビュッシーに扮していて、中には「私の死後何年に云々」というメタフィクション的解説もあって面白いのだが、総じて内容はどうでもよかった。いやむしろ「この絵はこれこれの感じで」みたいな絵の印象を語るなバカたれが。個々に違う印象を公に誘導してどうする。誰だ原稿書いた奴は。絵の背景とか技法とか影響とかだけにしておきなさい(てめーはブログで印象を思いっきり語ってるじゃねーかと思うかもしれないが、私的かつシロートだからいいのじゃ)。あと、やっぱりイヤホンガイドはオレには合わんと思ったのは、カンディンスキーの絵ね、カン君にしちゃ大した絵じゃないんだけど、解説聞きながらだとフムフムなるほどこりゃ音楽の影響かなどと納得して満足しちゃったりするのね。なんかヤダよなあ。楽しい時間を過ごすべきだから、これでいいんだって人も少なからずいるだろうけどさあ。オレとしてはこれは、アレだ。たとえは悪いが「肥えた豚より飢えたソクラテスたれ」ってヤツだと思うんよ。

まあいいや。個々の作品について、三菱一号館でもやっているバーン・ジョーンズ「王女サブラ」。ドニの何度も見た傑作「ミューズたち」。そうそうオランジュリーやオルセーの協力も得ているので、作品のスジはいいぜ。あとドニでは「木の葉に埋もれたはしご」が大作でいいですな。ガレがありますな、ロダンもクローデルもありますな。ムッシュ北斎の大波「神奈川沖浪裏」もありますな。ゴーギャンの「馬の頭部のある静物」はいわゆるゴーギャンっぽくないので面白い……とここまで書いて、なんかバカバカしくなってきちゃった。なぜにゃら、この展覧会は、やっぱりドビュッシーの音楽を中心としてそれを取り巻くアートを一体として楽しむべきものだと思うんよ(展覧会にかくのように鑑賞せよという指示は不要と思うにしても)。だから個々の作品云々を言ってもですな……うーん例えばカレーを評する時に、このニンジンはうまいですな、この肉はイマイチですな、と言っているようなもので、じゃ肝心のカレーとの相性は? うん、分かりません。じゃあ話にならんでしょ。よって個々の作品については終わり。ああでもオレの好きなカリエールが1枚あってよかった。
点数は結構ある。まずはドビュッシーを聴いてから行ってね。
http://debussy.exhn.jp/

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2012年7月11日 (水)

マウリッツハイス美術館展(東京都美術館)

今や「モナ・リザ」ぐらいの知名度のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」(青いターバンじゃなかったっけ)。今から12年前、大阪に来ていて行こうかどうしようか迷って結局行かずに後悔したものだな。ついに来たぞ東京に。人間ドックのバリウム排泄下剤クラッシュに怯えながら都美へ。午後2時半、入るための待ち時間約20分。その間に、普通は中にある出品リストをゲットできる。これ小冊子になっているのだ。

入るとまず美術館の歴史の紹介で、マウリッツ氏の像とかある。あとは関係者の肖像とかで、んーまあ大して面白くない。こういうの普通最後にあるんだけどね、今回激混み必至だから、多分最初にこういうのを持ってきて、出だしで溜まらないようにするためでしょうなあ。次は風景画。これもライスダールとかの有名どころはいるけど、まあ普通。ヤン・ボトって人の「イタリア風の風景」の夕暮れ時がいい感じではある。

次の歴史画(物語画)からエンジンがかかってきて、まずヤン・ブリューゲル(ピーテルの息子だって)とヘンドリック・ファン・バーレンの「四季の精から贈り物受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪」文字通りのものなんだけど、非常に飾りごたえがあります。おなじみルーベンスの「聖母被昇天(下絵)」下絵ながら色が付いてていい。レンブラントの「スザンナ」は例のテーマ(水浴のスザンナ)で、おまえもやっとったんかい。でもスザンナのプロポーションがイマイチだ。時代のせいか。同じくレンブラント「シメオンの賛歌」はじっくり見たい傑作。光と陰の演出と細かい描写、ドラマティックで見事ですな。隣にヘルデルって人の同じテーマ「シメオンの賛歌」があるが、やっぱレンブラントに比べると見劣りがしまんな。あとフェルメールのもう1枚「ディアナとニンフたち」は再会ですな。これは特に、普通の絵な感じだが。

肖像画とトローニー(胸から上の像)のコーナー。いよいよ本命。エスカレーターを上るとフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の部屋に出る。ここはもう人がうじゃうじゃ。最前列で見るには30分ぐらい並ばなくてはならない。しかも最前列は移動しながらが決まりです。それで、ロープを挟んで第2列よりうしろはそういう制限を付けていない。私は並ぶのが面倒なのでずっと第2列以降で見ていた。いや、これで十分だと思いますがね。最前列だからって至近距離というわけではないしね。移動しながらだとせいぜい十秒程度だし。
ポスターなどでさんざん見慣れたかと思ったが、これやはり本物は違うんだな。この絵の第一印象は「血色」というものであった(ポスターや画像でこういう印象は持たない)。同じフロアに並んでいる他の画家の肖像などを見ると、明らかに赤いのを塗っている感じがあるのだが、これには無い。しかしちょっと赤みが、絶妙に加えてあって「生きている」感があるんだよ。この頬の自然な感じはどうやって描いたのか。うむ、これは驚異だ。やっぱこの絵はすげえ。本物は「目力」があると書いた人がいたが、確かにあるようだ。目の光や唇の光も確認。黒バックのためかフェルメールにしては輪郭がきっちりしている感じ。単眼鏡を持ってきたので、細部を確認しようと思ったが、驚いたことに単眼鏡で見るとなぜか血色が失われる。なぜだ? レンズを通したからか? いやでも私はコンタクトレンズをしているぞ。んー多分これ、部分ではなく全体を見るべきものだからだろうかね。あるいは両眼で見た時の質感が関係しているとか。
それからも肖像いろいろ。フランス・ハルスの「笑う少年」で和んで、レンブラントの肖像画が5つも並んでいる。「笑う男」なんかストレートにいいがやはり晩年の「自画像」や「老人の肖像」といった人生の年輪を重ねて出せる、複雑で深い表情とその巧みな描写に驚くぞ。

またエスカレータを上がって「静物画」これはまあ、クラースゾーンって人の「ヴァニタスの静物」ぐらいが面白いかな。髑髏が乗ってるやつ。よくあるテーマあけどね。それから風俗画は、ヤン・ステーンのオランダ庶民生活も魅力だが、ここではホントホルストの「ヴァイオリン弾き」の女性像がよろしいな。貫禄あり。最後を飾るのはヤン・ステーンの大作「親に倣って子も歌う」で賑やかに終了。

それから売店。もちろん「真珠の耳飾り」グッズが山ほどあるが、中には画像がめちゃめちゃ粗いのや、モノクロなのや、Tシャツもひどいんだよなあ……あんな絵が小さいんだもん。ケチらずにドカンとあの娘をデカくプリントしてくれよ。そしたら買ったのに。何でもかんでも「真珠の耳飾り」ならいいってもんじゃないぞっと。とりあえずA5クリアファイル買ったよ。

いつ行っても混んでるでしょうなあ。朝一で行って、入っておもむろに進んでエスカレータを上がって、まず「真珠の耳飾り」を最前列で鑑賞。それからエレベータで下に戻って見始めるってのがいいかな。
http://www.tobikan.jp/museum/2012/mauritshuis2012.html

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2012年7月 6日 (金)

「具体」(国立新美術館)

吉原治良という人を中心にした前衛美術グループがあったそうです。1954年に結成、1972年解散。その軌跡を追う展示。曰く「これまでになかったものを作れ」など、バリバリハイテンションなヤツラの熱い作品群に驚け! ……と言いたいが、既にその後の時代の作品にも接しているので、今でも新鮮な印象を持つ作品というのは少ない。要するに今では普通に見ている印象派だって、当時はその時代のアカデミックに対抗する前衛美術だったんだよね。

入り口に紙を貼ったのをぶち破った作品で入場。「具体」は最初展覧会じゃなくて、英語も入れた冊子だったという話で、その冊子があり。イベントとして野外でのモダンアート活動の紹介と作品……なんだけど、ここが美術作品の悲しさよ、例えば白髪一雄の「赤い丸太」なんてのは、小ぎれいな美術館の床には似合わないし、保存のためとはいえ「触ってはいけません」というのでは、なんていうか「屋外」っぽくないの。ここで知人にして詩人のヤリタミサコさんと出くわしたりして、そういえばフルクサスのイベントに参加した時も出くわしたりしましたな。それより、壁と床の間にベルが点々と並んでいるがなんだこりゃ? まさかいきなり鳴るんじゃあるまいな。オレはいきなりでかい音を立てるものが死ぬほど嫌いなんだぞ。

展示は続き、ほほーなんかいろんな絵が普通に並んでおり「ジリリリリ!」「うぎゃーっ!」バカヤロウテメェ心臓止まっちまうじゃねーか! いきなりベルが大音量で鳴りやがった。見ると、ベルは並んでいるのが順番に鳴っていくので、おもしろいっちゃおもしろいんだが。思わず飛び退いちゃったよ。あっちの壁にボタンがあって、それを押すと順に鳴ってく。この作品は田中敦子「ベル」ダメだダメだこんな人を驚かすものは。それから舞台にも進出ということで映像もあったがよく分からん。隣に衣装「超現代三番叟」がある。赤一色で高い鼻。なんか岡本太郎の「太陽の塔」みたいだけど、あれより遙か前なのね。それからベルでヒンシュクの田中敦子の電飾作品と配電図みたいな作品は普通に面白い。それからしばらくいろいろあり(あまり印象に残っておらん)、リーダー吉原治良の作品いろいろ。結構器用にいろいろ表現している。「硝子瓶の静物」はエッセンス含めセザンヌだし、隣の「手とカード」はちょっとマグリットっぽい。「図説」はカンディンスキーっぽい。

活動が世界に知れ渡り、脂が乗ってくると面白くなってくる。「グタイピナコテカ」という施設を作ったんだって。アンフォルメルのタピエが命名したとか何とか。その名を付けたゲートがあってだな、中はまた展示が続くんだけど、熱い、熱いぜ具体。いわゆる「熱い抽象」つまり「うおおおおおおっ!」って感じで描いたヤツが並ぶ。オレはどん引き……じゃないんだけど、ちょっとこの手合いは古い印象があるね。しかし、元永定正の1962年の「作品」はすげーよかった。抽象なんだけど、岡本太郎風というか原色が冴えている。宇宙な感じもする。我が尊敬するザオ・ウーキーっぽい要素もある。他のヤツは結構色が汚い。多分アツくなっていろんな色でコネコネしていくうちに混ざって灰色に近づいてっちゃうんだろうなあ。吉田稔郎「SPRAY」なんてのは黒字に白いイメージでよかったな。それからもう少し経つと、いいかげん「熱い抽象」も新鮮味が無くなってきて、ああいうのはもうやめる、という方針が出る。それからの作品もなかなかがんばっていて松谷武判の「繁殖65-24」の有機的切れ目が気持ち悪くてよい。名坂有子の「作品」は一見同心円模様のバリエーションがたくさん並んでいるだけなんだけど、よく見ると実に不思議な絵で、同心円に凹凸と細かい陰影が描かれているようで最初全部写真なのかと思ったぐらいである。顔を思い切り寄せて見ていたら監視の人がこっちに来かけた。いや、何もしないってば。小野田実の作品がいくつかあるが、草間彌生のごとく水玉ブツブツしかも凹凸がある。でも気持ち悪くないのが不思議だ。色使いのせいかな。

それから大きな部屋に出て、クッションが並んでいる作品とか、立体とか映像とか、絵画では菅野聖子の力技が結構好きだ。立体ものはヨシダミノルの機械仕掛けの作品が目立つ。でもこれも結構デカい音立てるのね。映像は大阪万博での「具体美術まつり」の様子。おお、面白そうだ。ヤヨイちゃんが売りだった六本木アートナイトより面白いんじゃないか。行ったことないけど。この万博を持って概ね「具体」は終わり、その後をやろうとしたが吉原が突然亡くなったんだそうです。

熱いヤツラが好きで、突然のベルの音にも耐えられるならGOだ。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2012/gutai/index.html

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2012年7月 1日 (日)

琳派・若冲と雅の世界(そごう美術館)

京都の細見美術館のコレクション。あそこは有名でわざわざ行ってもいいぐらいのところである。琳派と若冲で横浜ならがんばって行きます。

最初は宗教画とか。興味はイマイチながら、「十一面観音」と「如意輪観音」は色が鮮やかでいい。保存のためか照明当ててないけど。次は王朝ものとか。ここでは「きりぎりす絵巻」が面白い。普通の平安王朝絵巻物みたいなんだけど、昆虫の擬人化なのだ。こないだのクライドルフみたいですな。こちらは馬の代わりにカエルに乗っている。作られたのは江戸前期だって。

次いよいよ琳派コーナー。光悦と宗達のコラボがあったりするが、宗達なら「双犬図」がいい。白犬と黒犬。光琳は団扇図一点だったがイマイチ。それより渡辺始興の「簾に秋月図」がいいですな。簾で半分隠された月が粋ですな。中村芳中の「朝顔図」もちょい装飾的でいいですな。スケッチなのか装飾なのかのギリギリの線が琳派の楽しみどころではないでしょうか。してみると、少し先にあった作者不詳の「四季草花草虫図屏風」が今回一番琳派っぽかった……というか、作者不詳でも琳派っぽいから琳派の展示コーナーにあるんだよね。さて、江戸琳派の抱一は、まず「青面金剛像」。お、これはなかなか。光琳の劣化コピーだった「風神雷神図」のマンガ面に比べるとシャキッとしとる。あとは「扇面貼交屏風」これはまあ手堅い。それから抱一の後継鈴木其一、いくつか出てるが「水辺家鴨図屏風」がいいですな。其一は少々ヘンな色や形のものの方が新鮮味がある。これは遠目で目立つ水辺の形がポイント。

いよいよ若冲。しかしつくづく、若冲って何でも斬新で面白いな。最初の「風竹図」のかすれ表現は風なのか? 「子犬に箒図」の箒の太すぎる墨線がイケる。「瓢箪・牡丹図」ではこれも牡丹の葉の異様に太い墨線。瓢箪はまるでこれ餅のようにプニプニではないか。「雪中雄鶏図」の色鮮やかな写実にも驚くが、圧巻は「鶏図押絵貼屏風」墨だけで雄鶏を一面一羽ぐらいで描くのだが、すげえ墨テク、いや生命力躍動感ありありで、やっぱすげえや若冲。それからその弟子だかなんだかの若演という人の「遊鶏図押絵貼屏風」というのがあった。これが若冲と同じように鶏の墨画なんだけど、うーん、イマイチというか、見た人はだいたい分かるようだけど「何かちょっと落ちる」。墨テクは若冲相当あるようで、「筋目線」という墨の濃淡を線状にして鶏の羽とか表現していたりするんだけど、どうもなんか全体的に「がんばって若冲っぽくしてみました」みたいで、鶏の顔も何か違う。何が足りないか? やっぱ「愛」だよ「愛」。鶏に対する「愛」が足りない。

それから工芸品とかで、わしゃあもういいや。

モノクロの若冲もまたよし。それにしても美術館隣のカフェがガラガラだった。大丈夫か?
https://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/12/0526_hosomipart2/index.html

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