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2012年10月27日 (土)

「日本の70年代 1968-1982」(埼玉県立近代美術館)

美術というより時代の展示となっているので、当時の雰囲気満載。最初に燃えるピアノで山下洋輔が演奏しているなんてのがある。それからおなじみ横尾忠則のポスター……って、ボク、どうもあの色遣いが肌に合わない。横尾だけじゃなくて、粟津潔という人のポスターなどもあったのですが、これ横尾か、というくらい感じが似ている。要するにあの時代の雰囲気なのか。それと「週刊アンポ」なんて雑誌があったのね。安保闘争ですかね、多分今もその方面の雑誌はあると思うけど(新宿の模索舎とかに)、すごく真面目な体裁になっていると思います。でもこの70年代の雑誌は、政治的な闘争が流行かファッションかカルチャーかといったテイストを出しているではないか。文字通りカルチャーショック。

EXPO70の「せんい館」にぶっとぶ。なにこの四谷シモンのルネ・マグリット人形は。これが暗い中ずらっと並んでたんだって。こええ。面白い。いわゆる万博でイメージされるファミリー・万人向けみたいな部分がじぇんじぇん無い。岡本太郎の太陽の塔からしてああなんだからEXPO70って凄かったんだなあ。

アート関係では柏原えつとむという人が結構面白い。あと、関根伸夫の「位相―大地」。巨大な円柱を掘った形をそのまま地上に作るの。これは試験に出るよ。あと自然現象をアート化する野村仁がこの頃から活躍している。
レコードジャケットが並ぶ。CDと違ってサイズが大きいから、ジャケットが一つの「作品」になるのね。ジャケット見て「うおおおお」なんて今は無いよな。ちょっとうらやましい時代。「ぴあ」の登場が紹介され(当時から表紙が及川さんなのね)、「POPEYE」や「Olive」「BRUTUS」創刊。出始めはあのマンガのキャラが表紙だったのね。そういえば最近「POPEYE」が復活した? いや違うか、新装刊されたのね「シティボーイ」なんて単語を前面に出しててビックリしたのさ。既に死語かと思ってたんだが。シティボーイ……ぷぷぷおじさんはなんか時代がかって聞こえちゃうぞ。そんな単語使うの恥ずかしいな。さておき「ART POP」なんて切り口での美術展企画なんか紹介されてたんよ。「80年代風のシティアート!」だって。美術史に残りませんでしたな。あと、70年代の学生の部屋の再現。靴脱いで上がれるし、手に取って見ることもできるよ。「何があって何が無いですか」なんて書いてあったけどね、そうね、そこにあるはずで無いのはエロ本ぐらいかな。それから80年代の「おいしい生活」のポスターとかあって、美術作品とかあっておしまい。最後に埼玉県立近代美術館も70年代黒川紀章の設計よ。

当時の雰囲気にドップリ浸かれる。
http://momas.jp/

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2012年10月25日 (木)

メトロポリタン美術館展(東京都美術館)

こんだけ持ってくればジャップも満足するべってんで、なんかいろいろ持ってきたアメリカンな企画。大地、海、空などの自然がテーマだ。ポスターじゃゴッホの糸杉が目玉だけど果たして……

最初は「理想化された自然」コーナー。もちろんクロード・ロランで開始。おい、コローが無いな。トマス・コールって人の「キャッツキル山地の眺め」がグレートアメリカな感じでいいね。それから自然の擬人化ってことで絵が並ぶがレンブラントの「フローラ」うーん、レンブラントにしちゃイマイチか。顔が普通だし。

次、「自然の中の人々」しかしなぜか「聖アントニウスの誘惑」アヒャヒャ、このテーマで絵がつまらないわけがないんだけど、うーん、口開けた顔みたいなのがあるぞ。よく見てね。次のヤン・ブリューゲル(子)の「冥界のアエネアスとシビュラ」これもなんか異形な雰囲気がいいよん。ドラクロワ「嵐の中で眠るキリスト」。うーん、やっぱドラっちのいい絵はなかなか日本に来ませんなあ。これもイマイチ。それからジャン=フランソワ・ミレー。おおっ、これは再会した傑作だ。ミレーらしからぬマッドでシュールな風景だぞ。巨大積み藁がマグリットのような効果を出しているじゃん。

えー次、「動物たち」コーナー。彫刻とか器とか。ボクわ絵の方が好きなんでここは軽く……エジプトの「カバの頭部」。これタイトルが「バカの頭部」だったら面白いなHAHAHA。イランの銀合金「羊の頭部をかたどった杯」うむむむ、なんかこれヒワイじゃね。

「草花と庭」コーナー。ティファニーの「花形の花器」が品のいいアール・ヌーヴォーでいいじゃん。それから布にプリントのフェリクス・オベール「アイリス」は日本の琳派風。ここでルドンの「中国の花瓶に活けられたブーケ」ほほう、これはグラン・ブーケの元みたいな感じ。

次は「カメラが捉えた自然」。写真は適当に鑑賞。最後、これはあいつだと思ったらやっぱり杉本博司。「ボーデン湖、ウットヴィル」水面だけを写すが水平線を画面中央に持ってくる。写真の本などでは、これをやるなと書いてあるんだけど、あえてやって作品にしちゃうのはさすがアーティスト。

次は「大地と空」コーナー。森へ、ということでゲインズバラの「森の高台の風景」がいい感じ。それからここでゴッホの「糸杉」。おなじみゴッホの厚塗り。うむ、定番な感じだ。何か普通に鑑賞。それからアンリ・ルソー「ビエーヴル川の堤、ビセートル付近」 うむむむこれはスケールが変だぞ。木が妙にデカい(人が小さいのか)。柵が人よりデカいじゃないか。素朴派すぎる。岩と山、ということでクールベ「オルナンの風景」クールベさんにしては普通だ。それから、それからっ、バルテュス「夏」。大作「山」の前に描かれたそうな。一見普通に夏の山でお昼寝……いやしかし、どこか妙な印象を与えるのがバルテュスマジック。下にいる女性は寝ている……んだけど、なんか変だぞ。ステッキ持っている。死んでるんじゃないの。こういう普通に見えて普通でないのを最も得意とする驚異の画家だ。バルテュスはそんなに見る機会がないので、ある意味フェルメールよりありがたいんだよ諸君。あとはアメリカ代表エドワード・ホッパー「トゥーライツの灯台」おなじみ無人風景。哀愁パワーはホッパーにしちゃ中レベルかな。ジョージア・オキーフ「骨盤Ⅱ」いつもの花ではなく、珍しく骨のクローズアップだ。

「水の世界」のコーナー。器とかなんであまり期待してなかったが、ミュケナイの「タコのあぶみ壷」がなかなかいい。タコの抽象的デザインがイカす。タコなのにイカすとはこれイカに。それからベルナール・バリッシーの大皿「水の生物の大皿」うええええええきめええええっ! 海と水流、ということで、ここの名品はやっぱりターナー。いやいや反射による水面の煙った具合がいいな。オレの好きなヴラマンク「水面の陽光」うむうブラマン君にしちゃイマイチだな。神業が感じられない。

物量作戦。何かいいのは見つかるよ。
http://met2012.jp/

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シャルダン展(三菱一号館美術館)

この秋の本命。ロココ時代にロココ三兄弟(ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール)とは距離を置いた通好みの巨匠。これがいいんだこれがー、と言えば君も今日から美術通だぜ。アート通な相手をデートに誘うにゃ最適な企画だじょ。

とはいえ、出だしはシャルダンがこの道を進むと決めたという、日本人には厳しい死んだ哺乳類の絵だー。「死んだ野兎と獲物袋」写実というほどじゃなくても死んだウサギの毛皮のフワフワ感をうまく出している。それから初期の静物がいくつも並ぶ。普通にうまいが肉はイマイチかな。
それから風俗画を描くようになって、一気に人気が出たそうな。代表作「食前の祈り」うむ、見事な構図。人物の演出がうまい。背景が自然ながら暗く落ち着いているので、人がうまく浮き上がる。光の処理といえばフェルメールを思い出すが、フェルメールは明らかに「光線オタク」であって、演出は二の次じゃないかっていうことが、シャルダンを見れば分かると思います。つまり要するにフェルメール好きな君はシャルダンも見なきゃダメダメ。それから「羽を持つ少女」という人物一人の絵があって、シャルダンとパチモン(同時代の複製か)が並んでる。シャルダン作はちゃんと人間だけど、パチモンは人形みたいだな。対になっている作品が多いそうで、「デッサンの勉強」と「良き教育」が対作。後者は窓辺光線ものですよ、ほれほれフェルメールと比較だ比較だ。

それから風俗画をやめちゃって静物に回帰。「カーネーションの花瓶」花が生けてある花瓶一つ。ほほう結構いいな。それからまた死んだウサギとかあるんだけど、フワフワ感よりも全体でいい感じに仕上げるようになった。

それからシャルダンの影響受けた画家達ってことで、ミレーがあり、セザンヌの「静物(りんご)」。うーん、影響受けたといっても、シャルダンのよさと明らかに違う方面であるところのセザンヌがここにあるのはどうもなあ、ちょっと鑑賞が混乱しないか。それからルドンの「グラン・ブーケ」がまたある。持って来ちゃいましたの収蔵品。これだけで客呼んだこともあるくせに(オレも行ったんだよ)。さりげなく展示してる。見てない人は見てってよ。前も描いたけど、これは隣室から遠目で見るべし。全体を見なさい全体を。近くで見てもなんか荒っぽいだけなので。
それから静物。「木いちごの籠」を始め、スタイルができて熟したナイスな静物画。何がいいのかな、背景かな。この背景がうまく静物を引き立てている。何もよけいな物が描いてない。シンプルだが単調ではない背景。全体に暖かみさえ感じさせる見事な静物画だ。

これは「行き」だね
http://mimt.jp/chardin/

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2012年10月20日 (土)

「美術にぶるっ!」(東京国立近代美術館)

開館60周年記念の企画。全館使って所蔵品をドガーンと見せる。私はその、常設展とか何度も行っているもので、ほとんどが再会なもんでサササっと見ただけだったんだけど(まあ再会でもじっくり見る人はいるでしょうなあ)、初めての人にはえらいボリューム。ベスト・オブ・日本近代美術みたいなもので、これだけでおなかいっぱい。

そんなわけで、また出会えて嬉しかった作品を紹介よ。狩野芳崖「仁王捉鬼図」これは初めてかも、武者絵のイラストっぽい感じ。おなじみ横山大観渾身の大作「生々流転」があるぞっ! どうも大観って、「屈原」(だったかな?)以外、大した物に見えないんだけどね。それから土田麦僊の「湯女」ね、おっぱいだよな。青木繁「日本武尊」は日本人っぽくないセンスが冴えている。岸田の麗子もいるよ。村山槐多「バラと少女」代表作ですな。藤田嗣治「五人の裸婦」おなじみ藤田の乳白色。荻原守衛の彫刻「女」これなんかエッチじゃんねえ。佐伯祐三「ガス灯と広告」はい佐伯のパリ。

「前衛の登場」で場はさらに愉快になってくる。萬鉄五郎「もたれて立つ人」赤いぜ。古賀春江の有名な「海」は、なんかつい右の女の人にばっかり目が行っちゃうけど他も面白いんだよね。福沢一郎「牛」すげえ牛がいるぞ。北脇昇「空港」カエデの種子が飛行機のナイスなヤツ。靉光「目のある風景」代表作ですな。それから場は戦争に突入。藤田嗣治「アッツ島玉砕」死屍累々なんだけど戦争画を越えたすげえ作品。これは見たことない人は見ておけ。岡本太郎「夜明け」吠えているぞ。北脇昇「クォ・ヴァディス」男の背中がいい代表作。

写真は適当に見て日本画のコーナーに。速水御舟「丘の並木」細かい木の枝がいい。川端龍子「草炎」。黒地に金の顔料かな、モノトーンのテクニックがいいぞ。高山辰雄「いだく」おお、これは富山で見たのの再会だ。赤ちゃんを包んでいる様子。

やっと現代に近づき、草間彌生「冥界への道標」突起のイボイボの。横尾忠則が並ぶも……どうも肌が合わない。河原温の日付シリーズがあるぞ。本物はマジ描いてあるんでじっくみ見ようね。海外作品でアンリ・ルソーとか、パウル・クレーとか……ここでトイレ(大)をもよおしたため、あまり見てないや。フォンタナのキャンバス切ったのがあるよ。

やれやれ終わったか……と思ったら実は本番はこれからだー。1階フロアで「実験場1950s」として、1950年代を特集。確かに他よりエキサイティングなのね。土門拳の原爆の写真から始まる。被爆者の治療。これ白黒だから見れるようなもんかもしれんあ。鶴岡政男の骨太にシュールな「重い手」。そしてここに、河原温「浴室」シリーズがっ! 殺風景な浴室での人体バラバラな惨劇のあとともつかない、草間的な気持ち悪さもある、不気味な絵の連作。この一作でヴィジュアルをやり尽くしてしまった河原は日付シリーズみたいなコンセプチュアルな方面に走っていく。あとはゴチャゴチャした作品がいろいろ。当時のニュースなんかの映像もあるがほとんど見てない。中村宏「砂川五番」再会。中村宏が愉快な絵を描く前の社会派時代。けっこう骨太。ええと……岡本太郎の縄文写真とか、東山魁夷とかあり、写真いろいろ。おっとまた中村宏。また草間彌生……なんかもう疲れてきたじょ。池田満寿夫。荒川修作など、やっと終わり。

しかし、一番感動したのは展示作品ではなくて、「建物を思う部屋」という一角だったりする。1999年以前のこの建物にはデカい吹き抜けがあったのさ。耐震などの関係で無くしたんだけど、その名残の窓がある。おお、あの頃よ。鏑木清方展に感動した頃、ダドの絵を初めて見た頃。ううむ、あの建物が懐かしいな。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Art_Will_Thrill_You.html

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2012年10月13日 (土)

リヒテンシュタイン(国立新美術館)

ポップアートのリキテンスタインじゃねーぞ。リヒテンシュタイン侯爵家のお宝なんだって。意外と大スケールで迫ってくるナイスな展示だ。ハマる人はハマるぞ。

最初に、フランチェスキーニって人のギリシャ神話の絵いろいろ。大きめでアカデミックな(っていうのか?)キレイキレイなヤツなんで、ここでうおおってなった人は次の間でも大いに楽しめる。次の間がなんと「バロック・サロン」ある意味、この企画の目玉ですな。宮殿の部屋にある絵やら調度品やらタペストリーやら天井画やらを、そのままレイアウト。部屋が結構デカい上に天井も高いもんで、気分は美術鑑賞よりも宮殿の観光モード。個々の作品はそう凄いものではないにせよ、こうしてレイアウトすると壮観だ。作品では、カイロって人の絵があのあのあのほれあのカルパッチョじゃないガスパッチョじゃないカラバッジョ風なのと、パローディって人の「悪徳の寓意」という彫刻作品の苦悶のツラがいい。いずれも「バロック」だな。

ここからリヒテンシュタイン侯爵家の紹介といくつかどうでもいい絵があり、次が「名画ギャラリー」ってことで有名どころらしいのが並ぶ。ラファエロ「男の肖像」。でもこれちょっと若描き。それよりクラナッハ(父)の「聖エウスタキウス」とマセイスの「徴税吏たち」いずれも色鮮やか、なにこれ昨日描いたのか、という感じ。あとアッローリの「ホロフェルネスの首を持つユディト」の美少女とかフォラボスコの「ゴリアテの首を持つダヴィデ」の美少年とかは当時の萌え系なんじゃないすかねえ。マジョットの「バッカスとアリアドネ」は定番風ながら主役の後ろの方にいるデブが気になる。きっと何か意味があるんだな、これ。

次がなんとルーベンスだけの部屋なのだ。にゃんと10点も持ってきた。しかも相当デカいのもある。「キリスト哀悼」おお、これマジキリスト死んでるよ。「果物籠を持つサテュロスと召使いの娘」のサテュロスの顔がイカす。「マルスとレア・シルヴィア」のマルスに迫られるシルヴィアの表情がいいね。「占いの結果を問うデキウス・ムス」は日本に来るのが珍しいほどデカいサイズ。海外の美術館じゃ結構あるのだが。それからルーベンスを模写したのがいくつか。

それから工芸品とかあって、アウェーだなと思ったが、なんとここにあるマティアス・ラウフミラー「豪華なジョッキ」これがいい。凄い! バカだ! まさにバロック。今回の展示物の中で最もバロック魂を感じたのはサロンでもルーベンスでもないコレだっ! 象牙の人体びっしりゴテゴテ彫刻のジョッキだぞ。

また「名画ギャラリー」で、今度はフランドルとか。ヤン・ブリューゲルの「若きトビアスのいる風景」の青っぽい色がいい。あとブリューゲル2世とかがブリューゲルを写したブリューゲルらしいのが3つほど。ヴァン・ダイクの「マリア・デ・タシスの肖像」ポスターとかにもなってるけどいいねこれ。お高くとまってなくて親しみやすさがあるその顔がいいね。あまりうまくないキューピッドがあるなと思ったらレンブラントなの。初期だって。しかしだ、圧巻はヴィジェ・ルブラン「虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン公爵夫人」。肖像が得意なルブラン女史がファンタジックに描く仰天作。宙を舞う公爵夫人だぞ。あとはアメリングの「夢に浸って」の美少女と、「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女 2歳の肖像」のキャワイイ赤ちゃんで締め。

個々の作家の優れ物を見るというより全体でイケる企画。物量スケール演出とも見応え十分だ。
http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/

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2012年10月 9日 (火)

棚田康司「たちのぼる」展(練馬区立美術館)

木彫の人物。舟越桂っぽい(なんて書くと木彫分かっとらんと言われそうだが)。入るとロビーにいきなり作品「たちのぼる―少年の場合」という作品がある。

テーマはほとんど「少年少女」だそうで、展示室1はそのまま少年とか少女の作品なんだけど、そんなに性差があるわけでもない。少女が若干胸出ているという感じか。だいたい下半身がパンツとかズボンで上半身裸。何か色気が無いなあ、とか少年少女の危うさが感じられないなあ、とか思いながら展示室2に行くと結構ぎょっとする作品がある「One of them」上半身だけの十字の磔で、体中が無惨に傷つけられ、手首から先を落とされ、頭に太い針がいくつも刺さっている。凶暴さを感じて痛い作品。「Watching the wheels」も同じテイストだけど、ちょっと抽象的。いずれにしても凶暴性を感じるオレ的にはナイスな作品。

これらは90年代で、少年少女はそのあと00年代やら10年代。凶暴な惨劇の作品群を越えて出てきた少年少女達だと思えば深い。見れば少年少女作品の目のところは濡れて光っている感じになっている。これは涙か。それに誰もが痩せている。しかし少年少女はどこか強い。

通路にも作品がある。「強制のトルソ―ボタンの少女」は可愛らしくも何か息苦しい。展示室3に行き、「内的凶暴性」というそのままのタイトルのがある。「支配と従属」も90年代。このあたりになると、ベクシンスキーの怖さと痛さに通じるものがあるようだ。月幼児のデカい顔も怖い。こういうストレートな作品を囲んで、00年代以降の少年少女が静かに主張する。心に何かが迫る面白いバランスだ。

第4室も90年代作品3つ。「flower」の痛さがイケる。あとスケッチもいくつも並んでいるよ。

展示室の仕切を無くしてガンと1室で使っている。この空間も面白い。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/

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