« 「日本の70年代 1968-1982」(埼玉県立近代美術館) | トップページ | 会田誠展「天才でごめんなさい」(森美術館) »

2012年11月 9日 (金)

巨匠たちの英国水彩画展(Bunkamura)

水彩画は時に油彩を凌ぐ、というか、水彩の方が魅力ある画家というのがいますわな。まずは、いわさきちひろ。あれは油彩じゃ描けんでしょう。あとギュスターヴ・モロー。実は水彩の方が透明度があってより神秘的なんだじぇ。そんなわけで、甘く見ちゃいかんよ水彩を。今回もターナーとかラファエル前派とか、きれいどころがあるみたいだから期待しちゃうぜっ。

最初に「ピクチャレスクな英国」ってことで、英国式理想風景みたいなの。ターナーの「コンウェイ城」とか、マイケル・ルーカーの「ビルドウォズ修道院」の修道院の廃墟とか、そうだね、英国式庭園ってわざと廃墟とか置いて喜んだりするのね。あんな感じ。次の「旅行」コーナーで引き続き風景画が並ぶ。いや、いいんだよ風景も。でもだんだん飽きてくるんだな。ナポリ湾のいい眺め~とか、面白い建物~とか、スペインの人がおるおるとか、なんかみんな普通の絵だなあ。なんかガツンとクるやうはないのかな。ウィリアム・ホルマン・ハントという人の水彩画が他の違う雰囲気で不思議だ。濃いパステル画みたいだな。
ここで巨匠ターナー特集。もちろん風景。最初は普通だったが「ウォリック城」あたりからエンジンがかかってきて、「アップナー城」でターナー節炸裂。魅力は水面の反射を利用した浮遊感漂う超現実風景。月や光の映り込み。あと、抽象画的な天候や気象の描写など。いろいろ堪能できる。
超現実続きなのか、次が私も好きなウィリアム・ブレイク。「日の老いたる者」この絵はカッコいい。描いてあるのはユリゼンって悪いヤツらしいが。手に持っているのはコンパスだな。世界を理性だけで把握しようとする悪人ニュートンもコンパスを持っていたのだ。あと、ヒュースリって人がブレイクのパチモンみたいな絵を描いている。ジョン・マーティンの「マンフレッドとアルプスの魔女」は水彩の魅力十分な傑作。この亡霊の姿は水彩でないと描けんだろう、
それからラファエル前派。期待したけど、イマイチか。もちろんロセッティがある。バーン・ジョーンズとかミレイもいるよ。
「ヴィクトリア朝時代の水彩画」というところでは、風景画がいろいろ。写真のようにいい眺めが多い。コープの「黒板を持つ少女」は傑作らしいが、あまり少女に見えんなあ……
最後に「自然」コーナーなんだけど。またも普通の風景とか。でもアンドリュー・ニコルの花中心の絵はなかなか新鮮でいい。ヘンリー・ブライトの「迫り来る嵐」では暗い雲が迫る。好きだなこういうの。でも惜しいのはガラス面の反射で、後ろが映り込んでいる。最後はまたターナーの超現実2点で締め。

「いい眺め」を見に行くにはよし。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/

|

« 「日本の70年代 1968-1982」(埼玉県立近代美術館) | トップページ | 会田誠展「天才でごめんなさい」(森美術館) »