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2013年2月15日 (金)

奇跡のクラークコレクション(三菱一号館美術館)

クラーク美術館というのがアメリカにあり、そこのコレクション展。何が奇跡かというと、ここが建て直し中なもんで、普段来ないものが来る。「ルノワールとフランス絵画の傑作」という印象派中心で日本人好みの直球ジャンル勝負。今まで山ほど開催されてるからよっぽどのもんじゃないと驚かないけんね。それより三菱一号館の床がカーペット敷きになったぞ~ 評判の悪かったあの足音カタコトが無くなったぞ。それにしても開催早々の平日十時でそこそこ混んでいる。

最初はコローが並ぶが、この程度じゃ驚かん。ミレーも一応ある。テオドール・ルソーの「ランド地方の農園」仕事きっちりみたいな感じはいいな。ウジェーヌ・ブーダンの海上の波の感じはちょっと新鮮だ。なんだ今回はちょっとマイナー系がいいのかなと思いつつ、広い部屋に入るとモネとルノワールが並んでいる。ルノワールの「シャトゥーの橋」おお、珍しく風景画ですな。この色はいいですな。ルノワールの美女が風景になったみたいですな。モネもいくつかあるが「エトルタの断崖」がいいね。いかにもモネ、よりも、いかにもになりかかっているモネ、あたりが面白い。「カオスの縁」みたいなもんで(関係無いか)。シスレーの「籠のリンゴとブドウ」は珍しく静物。ここでルノワールの人物がずらっと並ぶ。特に美女四人「若い娘の肖像(無邪気な少女)」「うちわを持つ少女」「かぎ針編みをする少女」「劇場の桟敷席(音楽会にて)」これらはどの一枚でも目玉になっておかしくない高レベル。うむむむ、や、やるじゃないかクラーク。ルノワールの絶頂期を好んだコレクターだって。好みは「かぎ針編み」かな。滲む光と明暗のコントラストがいいよな。次の「テレーズ・ベラール」も肖像だけど、これは「オレだって深い内面描けるんだぜ」という感じの傑作だ。

このルノワールで盛り上がりすぎたのか、しばらくクールダウンでよく知らん人の絵が並ぶ。ファンタン・ラトゥールの花は定番だが。ジャン=レオン・ジェロームって知らんかった。アラブの風俗画みたいなのを描く人。「奴隷市場」え? いいのかこんなん展示して。女奴隷を裸に剥いて値踏みしてるところじゃないか。あと「蛇使い」は一見アラブの雰囲気タップリなんだけど、小道具や衣装とか画家が適当に組み合わせて描いたんだって。つまり富士山のふもとに浅草寺があって芸者と侍が歩いているみたいなもんか。

下の階へ。シスレーとかピサロ。悪くはないが驚かんレベル。ピサロの「エラニー・サン・シャルル」の点描がキマっていますな。ドガは踊り子ものがあるがまあ普通。ロートレックの油彩「待つ」が背中で語る感じでいいぞ。ルノワール「シャクヤク」うむ静物もいけるんだな。さて、そろそろ終わりかの、と思ったら最後にまだルノワールがある。「金髪の浴女」キタ――――――――(゚▽゚)――――――――――っ! ルノワール好みの腰肉タップリのぽっちゃり裸婦。胸もデカい。顔もきっちり美女。こ、これは上物だぜ。「鳥と少女」もいい感じだね。最後まで十分魅せる。

ほとんど「ルノワールとその周辺」みたいにルノワールに気合い入った内容。ルノワール好きなら即行き。そうでなくても早く行かないと混むぞ。
http://mimt.jp/clark/top.html

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