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2013年7月13日 (土)

谷文晁(サントリー美術館)

ノーマークだったが、なんか評判がいいので行ってみた。うん、知ってますよ谷文晁。江戸絵画の美術展などやりゃあ名前はよく目にします。どういう絵描きかって……あれ? そう、これがなんと山水から洋風表現まで、様々な技法を身につけた巨人だったので、かえって特徴が分からなくなっているというのです。おお、行けばその全貌に仰天ダー……という期待を込めていたんだが、行ってみて……うーん、確かに技量はある。相当ある、凄い……んだけどこのイマイチ感は何だ? 多分若冲みたいにブレイクはしないんじゃないかな。

順を追って、最初に並んでいる中で目に付くのは「ファン・ロイエン筆花鳥図模写」洋画の模写の模写なんだけど、これがうめえ。リアルな形状やら陰影表現からこりゃもう日本ものじゃねえだ。あと仏画は得意だったようで、「仏涅槃図」なんかいいぞ。

画業のはじまりというコーナーで、「水墨山水図」というのがあって、13歳で描いたんですってよ。「夏谿新晴図」というのは遠近感がいいですね。「四季山水図」も素晴らしく…………ああダメだ。ボク山水はアウェーだから分からないや。あと山水ではない鶴と日の出のおきまり絵みたいなのが「海鶴幡桃図」ちょっと面白い。

旅と写生のコーナー。この中では「公余深勝図巻」という旅先スケッチがいい。スケッチったって、色もついているし、バカウマ。近代絵画みたいな雰囲気で正確に描いている。

階段を下りて「石山寺縁起絵巻」の再生作業。ああ、なんか縁起絵巻って、試験問題に出てきた気がするだ。えらい古い絵巻を、文晁が再生して完成させたとかで……いや待て追加したのかな、なんかよく読んでないや。すまねえ。絵はさ、大和絵の巻物だから、そんなエキサイトするもんじゃないよ。ありがたがって見なさい。

文晁をめぐるネットワークつまり人脈コーナー。広い人脈。あの酒井抱一とも交友があったんですってよ。いろいろ出てるが。「木村蒹葭堂像」の似顔がいい味だ。重要文化財。あと若冲が一枚どこかにあったな。「八仙人図」ほほう、こういう蘇我簫白みたいな「顔」も描けるのか。大型の「水墨山水図屏風」のモコモコな山も面白い。このモコモコ山は上の階にもあって、「鍾馗山水図」もこのモコモコ。解説を読むと……なに北宋風だと? うーん、試験に出たような気がするけど分かりませんっ。そうでないガリガリの山があって、これが何風なのか確認しようとしたが、分からん。何とか風の山水という表現があって。文晁はそれを駆使できたってわけだ。あとは、文晁中心に十人が結集し、こうしとその弟子になぞらえて描いた「文晁一門十哲図」絵がどうよりも、このチームでのやる気満々な感じが特徴。渡辺崋山29歳も描かれている。「十大弟子図」も出ていた絵は二人分だったが顔がいい。最後はモノクロに引き締まった富士山の絵でキメだっ!

うーん……なんで若冲ほど面白くないんだ。うまい、すごい、しかし……まあ多分好みの問題で、ボクは「何でこういうことするんだっ」みたいな絵を描くヤツの方が好きなんだよね。若冲や北斎はそういうのがある。司馬江漢もそうだ。抱一よりはたまにヘンな絵を描く其一がいい。
あと山水をほとんで見てないもんで……見てればきっともっと楽しめるぞ。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_3/index.html

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