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2013年8月16日 (金)

アメリカン・ポップ・アート展(国立新美術館)

実はあまり期待してなくて、というのも、ポップアートなんてだいぶ見ちゃったなあと思っていたんだな。ところが行ってみると、これが結構知っているようで知らなかった、というのが分かる。有名どころのウォーホルとリキテンスタインだけではない。むしろラウシェンバーグとジャスパー・ジョーンズで半分近くを占めている、というのがポイントだ。見応え上等。ジョン&キミコ・パワーズコレクションだ。

冒頭にパワーズ夫妻のウォーホル作品がある。続いてまずロバート・ラウシェンバーグコーナー。筆による抽象描線に日用品の写真を織り込んだような作品群。あと立体大作「リボルバー」が面白かったね。絵が描かれた大きなアクリル円盤5枚が縦に並んで、動くはずが……動かしてないのは残念だ。動かしてくれよ。あと「カードバード」という段ボールで作ったオブジェを金属で再現したもの、それをさらに厚紙に印刷して同じように作る「カードバードⅡ」。なんでこんなことやるの? というヘンテコ感が面白いぞ。

次はジャスパー・ジョーンズのコーナー。有名な「標的」やアメリカ国旗の「旗」もあるが、ここは抽象と日常で使う数字や文字を混在させたような溶け合わせたような作品が面白い。「灰色のアルファベット」や「彩色された文字」だな。こういう溶け合って何かモニョモニョした印象というのは、いわゆるおなじみの「ポップアート」のクッキリ感とはちょっと違うんだな。ジョーンズは後半、「ハッチング」という斜線模様の作品が増えてくる。
次はジム・ダイン……うーん、知らんな。デカい色見本の作品が目を惹く。次はクレス・オルテンバーグ。「ソフト・スカルプチャ」という柔らか立体ものが得意のようで、その大作「ジャイアント・ソフト・ドラム・セット」が展示されている。うーん……ユルい感じ? 他にも日用品の変容みたいな作品があるが、ここでふと、あのダリの溶けた時計と似てるようでずいぶん違うな、と思ったりする。ダリのあの時計は何か象徴的で日用品じゃないもんなぁ。それから「友人としてのアーティスト」ということで、個人的に送られたような作品が並ぶ。

そしていよいよ巨匠アンディ・ウォーホル。さすがの洗練というのか、日用品と抽象の混在とかではなく、日用品をそのまま並べて、それが個性になっているのだ。しかし目玉は最初に物(キャンベルスープ)を並べて作品にしたという「200個のキャンベル・スープ館」これは普通のウォーホル作品(手描きデザイナー時代を含む)に馴染んでいればいるほど衝撃的だ。手描きのデザイン作品と、おなじみポップ作品の中間に位置する。つまり、キャンベル缶を並べて描いてはいるんだけど、その描線、特に「SOUP」の字が手描きウォーホルなのだ。そう、まだ個性的描線を捨ててないのね。ウォーホルはこれを作り、描線に個性はいらん、いやむしろ無い方がいいと思ったのでしょう、その後描くキャンベルスープは個性を消した堅い描線が使われる。それでも色彩やレイアウト、ちょっとした加筆でウォーホル作品として成立するのだ。この直感力というか洗練させる力は凄い。おなじみ毛沢東とか花とかマリリンとかもせうよ。あとキミコ・パワーズがいっぱいあるぞ。

それからもう一人の巨匠、ロイ・リキテンスタイン。おなじみマンガの一部作品もあるのだが、実はそれよりも、ドットや色分けや直線を使ったやや抽象の作品がいい。「エキスポ67のための習作」「静物」「化学による平和」など。いやぁ、これ心底うまいですな。すばらしいコンポジションですな。

あとはメル・ラモス、トム・ウェッセルマン、ジェイムズ・ローゼンクイスト。ラモスの「ミス・コーンフレーク」ではナイスなアメリカンピンナップガール風ヌードが拝めるど。ウェッセルマンもヌードが多い。なんちゅーか、乳輪、が妙に目立つヤツ。ウェッセルマンといやあバスルームだっけ、立体ものと組んだヤツが有名だよね。

客層も若いのが多いようだ。
http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/

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