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2014年1月13日 (月)

「都市ソラリス展(ICC)

建築という「芸術」には普通の美術にはない何か、うーん、利用空間との接点というかせめぎ合いというか、そういうものがあって、展示など面白くすればすごく面白くなると思うのだ。しかし実際の、美術館での建築関係の展示ときたら、解説がやたら多くかつ難解で、全部読んで理解するのに何時間かかるんだ、というものが少なくない。

あと多くの企画で、単なる建築物や都市計画の紹介だけでなく、アート的な要素への憧れというのも、ひしひし感じる次第である。決してうまくいってるものは多くない。やはり利用されることが目的で作られたものを、いかに「美術館で鑑賞されるもの」に変換して提示するか。うまくいかなきゃ「やっぱり建築って芸術じゃないじゃん」なんて言われると思っているのか、アートっぽい要素を入れて展示するぞ、という意気込みを感じるものが多いのだ。そしてまた、この意気込みがどれくらい生きてるかが建築系の美術展の面白いところでもある。まあつまらんことも多いが。専門家や建築に詳しい客向けには従来のパネル紹介などで十分かもしれんが、ほとんどの企画者がそれで満足してるとは思えんの。

さて今回のこの企画も、意気込みは感じるものの、やっぱり情報量が多すぎるのね。空間が広くないので、情報総量というより密度が濃いに過ぎない、といってもまあいいんだけど。それにつけても難解だ。だいたい……僕「惑星ソラリス」結構好きなんだが(映画だが)、それとの関連は序文で示されるのみで、もうちょっとこの作品に対するこだわりというか関連というか、あれだけの情報量の中にゃあってもいいんじゃないか? こういう名前を挙げた既存コンテンツに対する中途半端な態度ってのも、「ここでソラリスを持ってきちゃうオレ」のドヤ顔だけで終わってる感じがするんよ。いや、関連を諸君が読みとれというのかもしれないが、やっぱ分かりやすくしようというサービス精神が足りない感じだよなあ。

途中の「海市」のところにある世界地図は「ダイマクションマップ」です。「世界には一つの海と一つの大陸しかない」というコンセプトで地球を展開し平面化させたもので、バックミンスター・フラーって人が作りました。ちなみに「宇宙船地球号」って言葉を作った人でもあるな(これも序文で言葉出してた)。こういうのは建築家諸氏には常識かもしれないが、親切に書いてくれりゃあもっと分かりやすく面白くなるんだサービスサービス! その「海市」のところに「中心を無化し、網目で埋める」と書いてあったが、それはまさにフラーの「ジオデシックドーム」なんだ。これを都市に利用しようという話……だと思う。私が読みとれたのはこの程度で、あとは分からん。サービスプリーズ! 

あと合板とフェルトの破片を組み合わせて構造物を自由に作り、それをセンサーが読みとってどうたら、というインスタレーションがあった。まあ、この作る部分は子供なんかが楽しめそうだ。

それより常設展(オープンスペース2013)のティル・ノヴァクって人の「遠心力体験装置」という作品がすげえ。CGと実写を合わせた架空の遊園地映像だが、かなりぶっ飛んでいる。見てるとクラクラしてくるぞ。

http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2013/ISOZAKI_Arata_SOLARIS/index_j.html

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