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2014年4月12日 (土)

のぞいてびっくり江戸絵画(サントリー美術館)

今更国芳の戯画見たってなあ……と、期待もボチボチだったが結構よかった。ちなみに展示替えがかなりあるので、この内容はほとんど4/21までじゃ。

なんたって最初のところに秋田蘭画(秋田の洋風画)の傑作、小田野直武「不忍池図」があるではないか! おお、これを秋田まで行かずに見れるとは。うむ、空気遠近法が結構生きているのね。その隣が司馬江漢、今回は結構江漢のが出ている。二次元が当たり前の当時にあって、三次元を表現したヤツ。我が前世(のつもり)で筆名「紀ノ川」は江漢が自分の出身地の紀ノ川を揚子江にたとえたことにより、「つかさ」は司馬の「司」なんだぜ。まあどうでもいい。最初は透視画法であるところの浮絵のコーナー。おなじみ西村重長の「おまえそれ描く時なんかおかしいと思わなかったんか線遠近法」で描かれた版画。豊春がヨーロッパの銅板画を模して描いたヤツ(タイトル長いんで入力が面倒じゃ)。そうか豊春はこうやって学んだから正確なんだな。それでも若干変な部分はある。江漢もいくつか並んでいるが、ここは「漁夫図」がいい。近代水彩スケッチみたいだ。あと江漢以上に通好みの洋風画家、亜欧堂田善もいくつか出ている。「江戸城辺風景図」の濃ゆい色使いが、洋画に慣れた目にも新鮮であろう。広重が線遠近でうまいこと描いた名所江戸百景などが並ぶが、まあこれはおなじみさん。ここでケッタイなヤツに遭遇。春木南溟「虫合戦図」ぬぁんじゃこりゃあ? 庭を舞台にした虫の合戦。いや虫の擬人化は別にいいんだ。なかなか正確にスケッチしているようだが、それより陣地を示す(?)CGワイヤーフレームみたいな立体の数々は何だ? これのせいで絵が奇妙に現代風になっている。今回はこれがベストだ。
次は眼鏡絵じゃき。当時の見せ物でもあった。凸レンズを通して見ると、風景が際だつんじゃ。解説は「遠近が強調され」と書いてあったが、うーん、違うんじゃね? 俺が思うに、単に「片目で見るから」だと思うんよ。遠近は両目使って初めて把握できるが、片目だと無理なの。それが絵だと、絵か立体か分からんのよ。そんな、眼鏡絵が装置付きで3つほど。円山応挙のとか。

鳥瞰のコーナー。北斎の立体地図みたいなのはお約束。広重のもおなじみ。ここでも江漢が出ている。「異国風景図」は山の高さがいい感じで出ている。「地球全図」というスケールのデカいのもあるぞ。あと「天球全図」の太陽の絵も出ていた。赤い火の玉。考えてみると、当時としてこの理解はすごい。あの火の玉が空から落ちて来るのでは? なんて考えてないしな。江漢は自分で観測して実際にこの絵の通りだったとか言ってたらしいが、オボたんのSTAP細胞200個デキてましたと似てる感じもするな。

階段下りたところに、立体風の絵やら鏡やら鞘絵やらのコーナーがある。パネルとかなんで、子供でも楽しめそうだ。
次は顕微鏡の世界。マイクロ羽子板であるところの「羽子板型日本図」も驚くが、山田訥斎の「蚤図」に仰天。デカい。蚤がデカい! それから博物学のコーナーで当時は鎧を着ていると思われていたサイの絵とか。栗本瑞見の「魚蟲譜」は金魚が金粉だー。あとは広重の魚とか。光と影のコーナーではおなじみ壮絶な影絵。広重の「即興かげぼしづくし」。ここの解説はお上品だから、いかに無理なのかをツッコムこともない。それより伝春信の「縁先美人図」この縦横線で3次元を強調する処理は春信よりも春重(こと江漢)に近い。うむ、だからかな、「春信作」としっかり書いてあっても、「伝春信」なんだな。でも、美人の顔は春重よりも春信に近いものがある。国芳の、人が集まって人になる戯画はお約束。知らん人は見てみるべし。

なかなか楽しいんだが、後期もあるんだよね。リピーター半額とかないんかね(100円割引はあるようだが)。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2014_2/index.html

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