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2014年6月13日 (金)

デュフィ展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

デュフィは好きな画家ですよ、はい。カレンダー買ったこともあるしな。今回は初期から晩年まで網羅するだけでなく、テキスタイルなどの意外な一面も紹介してるぞ。

初期は印象派やフォーヴのような風景画が並ぶ。「サン=タドレスの桟橋」や「マルティーク」における水面とかは、ヴラマンクのように遠目でリアルに表現。フォーヴほどハデハデでなく、落ち着いた感じだ。それからセザンヌに影響を受け、「ヴァンスの風景」や「レスタックの日々」はセザンヌ風。キュビズムに影響を受けて「浴女」はキュビズム風。え? なになに風と言われてもどんなんだか分からんとな? まあいいんだこの辺は練習みたいなもんだから。

次に「木版画とテキスタイル」のコーナー。意外なんだよ木版画なんて。テキスタイルもやってて布が展示されとる。今まで紹介されてこなかったしな。パッと見、隠れた名作というより、あんまし面白くないから紹介されなかっただけじゃねーか、とか思ったんだが、これがまあなかなかどうして「動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち」という版画連作など見ると、テキスタイルばりのきっちりしたイメージをモノクロで表現できる手腕に唸る。「毛虫」や「ハエ」「クラゲ」なんて見事にデザイン化した画面だ。ううむ、こういうしっかりした下地があるから、後に自由奔放な描線を使っても絵が崩れないのだな、と思った次第である。

次のコーナーからいよいよおなじみのデュフィらしくなってくるだ。でもあれだな、最初の方はまだ地味なのね。「サン=タドレスの大きな浴女」は中央に水着来た浴女はドーン……って、結構デブだな。なんとデュフィは結構デブ専なのね。うーん、色彩の音楽ともいうべき絵画ではスタイリッシュな美女のほうが似合うと思うんだが。まあいいや。「ル・アーヴルの水上の祭り」はだいぶおなじみな感じだが、まだ色が暗いぞ。競馬場ものが並び「エプソム、ダービーの更新」で明るい色彩が登場。「クロード・ロランに捧ぐ」という絵で、一応説明もあったのだが……どこがロランなのかな? 名作「パリ」。適当にザザっと描いてるように見えて実になんかパリの鳥瞰を感じさせる。そしてパリ万博電気館用に作成した超大作の縮小版「電気の精」。これ電気にまつわる偉人は取材してきっちり描き(このキッチリ感が好感度高いな)、それ以外は自由に描線を踊らせる。そこに色が加わる。

今回感じたのだが、デュフィの魅力は色彩と描線の調和(ハーモニー)である、というのはまあそうだなと思う人も少なくないと思うんよ。しかしそれゆえ、意外と遠目で見るとキタナイ絵が多いのね。「電気の精」も遠目で色だけ見てるとなんじゃこりゃって感じがするし、如実なのは「ラングルの風景」の一つ。遠目でうえええい。でも寄って見ると描線と実に調和して、ありゃ、いい感じじゃんというわけだ。そうだよ遠目じゃダメなんだよデュフィの絵は。線もちゃんと見えなきゃ。

えーそれから「レセプション」なんていい感じの絵があり、裸婦がいくつかあるがみんなデブで、花瓶とかの陶芸と椅子がある。

最後のコーナー。最晩年の黒い貨物船シリーズは2点あったがもっと見たいな。私はこれ「死の予感」についての絵だと思っていたのだが。なんか黒を使うことで逆に光が云々とかよく分からん解説があった。「マキシム」おお痩せ美女がいっぱいだ。「交響楽団」など数点黒一色で勝負……これはしかし、努力は分かるが、色付きを見ちゃうとなあ……イマイチだなあ。音楽家に捧げるシリーズ。お、これは遠目でもイケるかな。バッハのがいいね。ヴァイオリンに目が行っちゃうけど、その周囲を飾る葉の描線とそれを包む色彩が見事だ。そして最後の方、水彩の花の絵いくつか。おお、これ初めて見たよ。いいねいいね。ポスターでもあったら買いたかったが複製画しかないや。高くて買えねえ。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_dufy.html

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