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2014年6月 1日 (日)

ジャン・フォートリエ展(東京ステーションギャラリー)

二十世紀美術の美術の動向である「アンフォルメル(非定型)」の一人のようだ。うむ、名前は聞いたことがあるし、試験にも出たかな。広告を見て抽象画ばかりかと思ったら、初期は写実しかも裸婦なんか美化されないリアルななんちゅーか肉タプタプみたいな感じで描いてあるので、それがなかなか好感度が高い。まあ、あとでビデオがあって写実はみんな失敗作みたいなこと言ってはいるのだが。他にも裸婦が多くてボワッとした感じのヤツとか。

それから少し行くと「プリミティズム」の説明があって、なんかアフリカ美術の影響が云々とか書いてあるのね。うん、でもそればあくまで「プリミティズム」であって「プリミティブ」とは違うと思うんよ。前から時々書いてるけど、私が考える「プリミティブ」ってのは、あくまで原初的な創作衝動に忠実な作品で。だから力強い。例えば、「本物そっくりに描きたい」という衝動で描いた写実画なんてプリミティブに属するのだ。作品の力強さがそうした衝動に現れるわけだ。力強さがなければプリミティブではない。一方アフリカ美術のモチーフをいくら取り込んだって、それが知的な取り込みに過ぎないならそれは「プリミティブ」ではないんだ。ピカソのアフリカ美術を取り入れた作品も、巧みではあっても力強いとはちょっと違う感じだ。
まあいいや。ウサギの皮が吊り下げられている作品とか、羊の頭の作品とかあるが、生々しくはないな。ちなみに出品リストがないもんで、作品名は書けんのじゃ。

下の階に行っていわゆるアンフォルメルであるところの絵の具厚塗りの抽象が増える。最初は「人質」シリーズで、これが戦争の犠牲者というか拷問とかで痛い目にあった人物の顔とかを描いたものらしいが、ほとんど抽象なんで、なんか痛々しくないというか、むしろそういう情報なんぞない方がいいかもしれん。厚塗りだから当然マチエールが写真では出せないものなんだが……うん、バルテュスほどのインパクトがないのはなんでかな? フォートリエは製作にほとんど時間をかけないそうで(ビデオでそう言ってた)、マチエールも即時的な感じがする。バルテュスの長期間を感じさせるのとは対照的なんだな。

ビデオってのが本人が出てくるもんで、アンフォルメルとはなんぞやみたいなことを語る。結構カッコいいことを言うのね。「アンフォルメルは現実をとらえる罠である」とか。そんなスゲエもんだったのかと思う次第である。

知名度からすると入場料千百円とはまあ妥当だとは思うが、でも入るとカウンターに二人、券売機に一人、エレベータ前に一人って、ちょっと多くね? そこ三人でいいから千円にしてくれよ。お金持ちの道楽じゃない。汗水流して働いて得た金なんだぜ(まあケチなだけだが)。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201405_JEAN_FAUTRIER.html

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