« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2014年7月26日 (土)

「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー)

えらい暑いけん、サンダルで行った。そのサンダルというのが、こじゃれたリゾートサンダルじゃなくて「備長炭」とか書いてあるツッカケのビニール製のアート女子が鼻で笑うようなダサダサなヤツなんだけどさ。でも裸足で履きたいもんでね。こじゃれたサンダルだとなんか足置くところが皮っぽい起毛な感じ(?)じゃないですか。あれヤなんだよね。足の垢というか脂というか、きちゃないどす黒いヤツがべったりのねっちょりの付きやがって、そこからまたバイキン細菌微生物モロモロがうじゃうじゃ湧き出す感じじゃない? だからビニールがいいんだけど、それでこじゃれたサンダルって売ってないの。

まあいいや。前置きが長いのは……この企画、どういう基準で集めたか分からないんだけど、若手の絵画いろいろね。オレ工芸とかダメ系だって先週の指輪で分かったからやっぱ2次元だわ……ってんで行ってみたけど、うん、なんか芸大の卒業制作展みたいだった。ま、好みの問題もあるけどさ、中の上ぐらいが最高レベルな感じだ。じゃ、お前描いてみろってのナシね。鑑賞者は鑑賞に徹するゆえに鑑賞者なのよ。ポエムならいくらでも書いてやる。

目に付いたもんだけ書こう。最初の鹿野震一郎。トロンブルイユ(だまし絵)みたいなのが、トロンブルイユとしてはすさまじく中途半端で、じゃあそれはトロンブルイユが目的じゃないんよ。そういう表現なんよ……そうか。竹崎和征。ドローイングを細かく切って再構成。一見すげえ。細かく切って再構成したっぽいのを手で描いたんならもっとすげえが。いやボクこういう力作業もの嫌いじゃないよ。小西紀行、スタイルを一つ発見してそれだけで押しまくる感じ。これまだ洗練できる感じがするな。風能奈々、今回一番よかったのがこの人。彫金みたいな感じ(?)がいいというか風格というか品があるというか色がうるさくないというかサイズもデカくていいというか、小さい絵がいくつも結集しているんだがそれぞれもまあ面白いというか、まあそんなところで、見れる。高橋大輔……絵の具べっちょりで楽しそうだな。あとはー……大野智史の大きい方の作品。チラシに使われてるヤツ。三角メッシュが素直に面白い。蛍光カラーは使わん方がいいよ……ってのは他の画家にも言えるんだけどさ。なんか蛍光色を使うととたんに絵が安っぽくなりまずぜ。いいのか。そうか。はい最後、榎本耕一。アングラ風(でもないか)ごちゃごちゃ描き。うむ、なんちゅーか面白い……絵が面白いというより、絵が置かれている場所が彷彿とされて面白い。怪しい音楽などをやる地下ライブハウスの壁にドカーンと貼ってあって、マスターが画家と知り合いで「ほらあの絵すっげーだろ。あいつは天才画家なんだぜ」とか言ってるのよ。そんな店が全国数百ヶ所。そうそう、一昨年のね、神田TATに暗く怪しいフロアがあって、ダークな音楽がガンガンかかってて、そこに置いてあるような感じ。でもまあその手合い(競争率はそれなりに高いと思う)の中では結構イケる方ではないか。もっと雑な、見るに耐えないヤツはうじゃうじゃいるから。

若者を応援しに行こうぜ。
https://www.operacity.jp/ag/exh166/

|

2014年7月16日 (水)

オルセー美術館展(国立新美術館)

人間ドックが終わってからヤバいおなかで出撃……って確か2、3年前に同じシチュエーションだったよな。それにしてもド平日のくせに混んでやがる。まったくジャップは印象派好きだな。今回の中心はマネなんだよね。出だしと終わりをマネコーナーにしている「どうだいセンスいいだろう」的な構成。

最初の「マネ、新しい絵画」コーナー。ここに例の目玉の「笛を吹く少年」がおる。これ何度も見てるような気がするんだが気のせいか。他はなんだ、マネの静物とか。

次に「レアリズムの諸相」コーナー。現実を描くってことで、バルビゾンの農村ものもある。おなじみクールベさんもいて「市から帰るフラジェの農民たち」うむ、リアルだが……まあ普通だな。むしろその前のラファエリの「ジャン=ルー=ポワトゥーの家族、ブルガヌーの農民たち」の方が疲れた人にリアルを感じちゃう。まあでも、ここの目玉はやっぱミレーの「晩鐘」だよな。傑作中の傑作だな。これがいいと思わなかったらそれはあなたミレーの鑑賞には向いてないんだ。あのほら遠くに教会の尖塔が見えるであろう、オレはあれのモデルとなった教会を見たことあるんだぜっ……まあツアーバスの中からだけどさ。

次は「歴史画」のコーナー。アンリ・ポール・モット「ベリュスの婚約者」うむ、暗い中白く浮かび上がる生け贄の裸女だ。しかしエリー・ドローネの「ローマのペスト」がイイな、悪魔に指示する天使がカッコいい。

それから「裸体」コーナー。最初にギュスターヴ・モロー「イアソン」うむ大作だ。悪くない……が、ボクはモローなら水彩の方が好みだ。それからアカデミックVSレアリズムみたいな感じになっている。アカデミック側、ブグロー「ダンテとウェルギリウス」ダヴィッドかと思った。しかしすげえ肉体の激突だな。男の筋肉美ですな。これなら腐女子の大喜びさ。ルフェーヴル「真理」。理想美の裸女イコール女神イコール「真理」でオッケーじゃんという直球ストレートなアカデミック絵画。そしてアレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」ぬぁに! これを持ってきちゃったんだ。オルセーの観光ガイドにも載ってんのに。よく持ってこれたな。ともあれ、世界で最も有名な女性ヌード画の一つだぞ。こっちは官能美といってもいい……要はエロいってことか? いやそれだけじゃなくて、そういう要素もあるけど非常にキレイだろって話。いやーおフランスのヌードは美しいざんす……と、これを鼻で嘲笑うのは我がクールベさんだ。「たかが裸体に理想なんか背負わせんじゃねーよバーカ。おまえらにはこれで十分」と「裸婦と犬」を展示。そこらのねーちゃんのヌード。尻はデカいし足の裏も汚れてるぜ。別の企画で見た理想風景とクールベさん風景画の対峙も面白かったな。対峙するとどんな小品でも引き立つ、この「一歩も引かない感」がクールベさんの魅力だな。

次「印象派の風景」のコーナー。おなじみのメンツ+セザンヌってところか。オレはもう印象派は飽きた。あーもう飽きた飽きた(と言いつつ印象派展には行ってるが)。しかしルノワールの風景画「イギリス種のナシの木」だけはよかったな。

「静物」のコーナー。セザンヌ! うーん、他にもっといいヤツ知ってるぜ。それよりファンタン・ラトゥール「花瓶のキク」おおっ! これは今回一番スゴい。迫る。精緻な花の描写に驚け。

「肖像」コーナー。うーん、デカいけど、どうでもいいのしかないな。いや、ホイッスラーの「灰色の黒のアレンジメント第1番」これ婆さんの横向き肖像で、そおっ、あのっ、映画版「Mr.ビーン」で出てきたヤツじゃないか。こんな大きかったのか。映画じゃもっと小さかったような。あとはモネ「死の床のカミーユ」妻が亡くなる寸前を描画。鬼気迫るモネの描線。セザンヌの「バラ色の背景の自画像」もちょっといい感じだ。見落とすなよ。

「近代生活」コーナー。ここはドガの「バレエの舞台稽古」おおっ! ドガにしては見事だ(というかオレ好みだな)。写実に近い方が好きなんだが、ドガってよく雑な絵がある(ような気がする)んよ。しかしこの絵は色調もセピア風にキマっているし。素晴らしい。あとはモネの「草上の昼食」マネのあれを意識して描いたらしい。大作でありながら……うーんあんまりよくないな。

最後「円熟期のマネ」で終わり。うん、ボク、マネってあんまし好みじゃないんだ。
まあよく持ってきたな。でも持ってくれば金になるしな。今度はコルモンの「カイン」を持ってきてくれ。あれまた見たいんだ。あとアングルの「泉」な。 http://orsay2014.jp/

|

2014年7月12日 (土)

キネティック・アート展(損保ジャパン)

動くとか動きのあるアート作品。結構身近にあって、東京は大崎駅の通路のところとか、それこそ損保ジャパンの近くにもあったはずだし、最近じゃ観光地で歴史に興味のないガキ共ととりあえず盛り上がれるから入っちゃう「トリックアートミュージアム」にある定番、左右に動くに連れ建物の間の水路も左右に動くヤツ。元絵が何かあったはずだが、もちろん観光地のはパチモンで。でも初めて見ると仰天する。あれも言うなればキネティックアートだ。

今回に展示されているのは、イタリアのがほとんどで(全部か?)、あまり派手じゃない。最初は絵画的表現のコーナーで、縞模様が動いて(なんとなくキラキラして)見える感じのもの。ジョエル・スタインの「青と赤の大きな円筒」なんかいい感じだ。それにしても思うに、目玉が左右に付いているものだから、縦縞だと立体視がどこをとらえていいか混乱し、距離感が混乱してキラキラするものだと思うんだが。つまり横縞じゃ意味がないということよ。あと、動くはずのものも展示してあって、マリーナ・アポッローニオの「円形の動力学6K」が面白いんだがなあ、円の一部が溶けながら回っているみたいで。でも本物は回ってなくて、回っているビデオが出てた。

次は干渉とかモアレとかのコーナー。自分が動くと作品の模様も動く。いろいろあるがまあどれも似た感じで、エンニオ・キッジョの「線の干渉 14.6/A」が四角いのがキラキラしている。

次、不思議な光と動き。この辺からいろいろモータで動くとかになってくる。でもローテクなんで、複雑な動きはなく、単にモータで回っているだけ。でもそれだけで勝負するのがまたいいよな。ジョヴァンニ・アンチェスキの「円筒の仮想構造」が砂鉄の砂場の下で磁石をゆっくりぐるぐるやってるもの、磁石にくっつくようなそうでないような砂鉄がモコモコして動くぞ。同じ人の「水平流体の走行」がいいね。箱にたくさんの透明チューブが横に張っていて、その中を気泡が行き来する。気泡ちゃんがカワイイ。しかし一番驚くのが、以外とシンプルな作品でグルッポMIDの「円形マトリクスの発生装置2」同心円周に沿って黒丸を等間隔で並べる。それを蛍光灯で照らして回す。アラ不思議。ある円周上では円が止まり、ある円周上では円がゆっくり動き、ある円周上では早くて見えない。蛍光灯が高速点滅を繰り返しているから起こる現象さ……あれ、材質がLED光になっているな。まあ同じように高速点滅させてるんよ。

あとはまあモーター仕掛けじゃない似たようなもん。ルートヴィッヒ・ヴィルディングのモアレ作品が面白かったぐらいか。ブルーノ・ムナーリのビデオもあるぞ(ちゃんと見てないが)。
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index_kinetic.html

|

« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »