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2014年10月12日 (日)

ウフィツィ美術館展(東京都美術館)

ボッティチェリがポスターなんだから、まあだいたいどんなもんか予想つくと思うがおおむね予想通りなのだ。そんな期待してなかったが、なかなか面白いものもある。

出だしから結構地味なもんで大丈夫かなと思ったが、ドメニコ・ギルランダイオの「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」がなかなかの風格、威厳、赤とか黄色の衣装で派手さもグッドだす……そうだよオレは全然教養や知力なんかで観てねーんだよ。各人がどんな人かは知らん。とにかくまあ、1492年、ルネサンスの前にこのクオリティ。しかし、まあさすがイタ公、無名画家でも結構うまい。バルトロメオ・ディ・ジョバンニ「砂漠で回春するエロニスル」じゃなかった「砂漠で改悛する聖ヒエロニムス」ね、これもうまいね。ドクロがあるからヴァニタスみたいなもんか。それからフィリッポ・リッピとかフィリッピーノ・リッピとかピッピピッピしたやつが並ぶがよくあるキリスト教画。まあきれいだけどね。しかしここで、ベルジーノと工房「悲しみの聖母」。これがなんか普通のリアルな感じの美女肖像画なんでちょっと驚く。ほう、こんな感じのも描かれていたのか。あと、これだけケースに入っているのね。ビァージョ・ダントニオ・トウッチ「正義の寓意」。おお、剣と天秤って、これってタロットカードの「正義」と同じ図像なんだ(ついさっきまで「図象」で「ずしょう」と読むと思ってた)。やっぱし定番だったのか。で、この辺からボッティチェリがチラホラ始まる。やっぱ巨匠じゃんみたいな印象。「聖母子と天使」の幼児キリストを支える天使がキャワイイ。これは美少女というより美少年系じゃないかウキキ。解説によると、これは捨て子養育院が所蔵する絵だそうで、言うなれば子供達を励ます実用品ではないか。こういう実用品を美術品としてこんな場所で鑑賞していていいのかにゃと思ったりしないでもない。ボッティチェリ「聖母子、洗礼者ヨハネ、大天使ミカエルとガブリエル」いかにも、まさに、みたいなボッティチェリテイスト。

上の階にエスカレーターで。まだボッティ。工房作「鞭打ち」「十字架の進行」うーん、なんか痛そうじゃないな。それが不満だ。それから目玉の「パラスとケンタウロス」おお、そういえばこれはキリスト教画じゃないよな。ローマ神話ものだもんな。下半身が馬のケンタウロスの髪をつかんで勝ち誇るパラス。解説によると「肉欲(獣性)を貞潔が勝利したという意味かも」だそうだが、どうもこのケンタウロス君の情けない表情が目に付く。「あんたそんな下半身であたしを抱こうって言うの?」「すんまへん、わい、こんなんですわ」なんていう「画像でボケて」がちらつくことこの上ない。あー、あとボッティのプリマベラなんかもそうだけど、薄衣の下にあれ肌が透けているのかね? だったらあのう、胸の乳首とかもそれなりにちゃんと描いてほしいのだが。この絵は、そこが花模様とかになっていて、要は肌が透けた色かそうでないかイマイチ明瞭でない……これは、アレだ、女子フィギュアスケートのコスチュームがだね、肌色の素材を使っていて、そこが露出しているのかそうでないのかはっきりしろよ、というもどかしさに似ている(似ているのかよ)。なにお前はそんな鑑賞しとるのかって? いや男子たるもの絶対そういう目で見てる。絶対だ。

えーそれからまたキリスト教画いろいろ。なんかこう、飽きてきたよなあ……と思っていたらここで、ポントルモの原画に基づく「聖母子」どえええっ! なんじゃこりゃあ! こ、これ、アカンやつや。いやぁこれはヤバい。このマリア様の顔が、いや顔はともかく、この幼児キリスト様のボディはアカンやろ。なんかヘンだと思わなかったのか? いやしかし、これが模写ってことは失敗作とは見なされなかったということだな。これはこれで普通に見れたのか? あるいは萌えないがゆえに注目された萌えキャラみたいなものか。それから、あとはまた聖母子像がゴッソリ。なんでこう聖母子ばっかりあるのかね。そんなに描かれていたのかとも思うが、思うにキリスト教国じゃないんで、ジャップが共感できそうなのが母子像ぐらいじゃねーかってんで、そればっかり持ってきたんじゃないの? だって歌麿だって母子像描いてるしな。ジャップにウケがよさそうだ。

さらに上の階へ行って、メディチ家に関する展示とか。ここにはタピスリーなんかもあるぞ。あと映像があって(行きたくなると困るので見なかった)、売店があっておしまい。

なんか、いい感じで充実感があるわな。イタリア気分になれるぞ。
http://www.uffizi2014.com/

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