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2014年10月20日 (月)

「フォルディナント・ホドラー」展(国立西洋美術館)

さあ歌おう。♪おおブレネリあなたのおうちはどこ? ♪わたしのおうちはスイッツランドよ~ ♪きれいな湖水のほとりなのよ~ ♪や~っほ~、ホードラララ……くだらんな……というわけでスイスのホドラーです。こないだチューリッヒ展で見てなかなかよかったから期待したけど、点数少なすぎってウワサもありありのところ行ってきたのさ。

年代順みたいで最初はバルビゾン画家みたいな風景画。ヘタじゃないがそう見るものはない。次の象徴派になってからがまあ本領。「怒れる人(自画像)」。これ「狂人」ってタイトルでもあったらしく、確かに狂った感じで怒っている。「ベルン州での祈り」中央の娘がなかなかいい感じなので、なんかこれ萌えて描いたんだよなケッケッケ。やっぱ「萌え」だよな。「萌え」が分からん奴に絵画を見てほしくねえよな、とか思ったのだが、あとでどうやら間違いだと気づく。ちなみにホドラーもクールベさんの容赦ないリアル路線を尊敬していたようで、そういえばこの絵もクールベさんっぽい。

それから「リズム」にこだわり始める。「オイリュトミー」というタイトルの爺さんが並んでる絵。ふむ、「オイリュトミー」なんて久しぶりに聞いた言葉だ。確かシュタイナー教育で使っている反復行為による……なんだっけ。まあ解説もあったよ。ポスターになっている「感情Ⅲ」も女性が並んだリズムの作品……だけどまあ、ツラも衣装も普通だしなあ。むしろ本領は次の「恍惚とした女」「遠方からの歌Ⅲ」「悦ばしき女」これが三幅対みたいで面白い。ほらあの、黒田君の「智・感・情」みたいな。ダンスのしぐさがなんとも音楽的な何かを感じさせるよな。まあでもこれは3作品で奇しくもそうなっているのかもしれないのだが。「昼Ⅲ」となると1枚に3人女性が描いてある…………ここで優等生の君が絶対書かないことを書くと、女性が裸体なんだけどさ、インモーも無ければナニも無いし、ついでに胸もあんましない。なんだかなあ……なんだよこりゃあ……デルヴォーでも見習えよとか思ったりしたが、待てよこれ、要するにそういう目で見るんじゃねえって意味じゃないか。なにリズムとかダンスとか言ってもおみゃえ裸の女なぞ描きゃあがってつまり要するに水浴のスザンヌみたいにヌードの口実なんだろアヒャヒャヒャとか言うオレみたいな奴をぶちのめすためにわざとこんなセクシャリティを感じさせない描き方してやがるのだ。次の「感嘆」もそうなんだ。ノーセックスだ。理想化が嫌でブチキレてたクールベさんのごとく、何でもエロ化にブチキレたホドラーの容赦ない、クールベさん的潔さ。そうなると、先の三幅対の女のツラが女らしくないのもしっくりくる。それじゃダメなんだ。あくまで仕草だ、ダンスだ、リズムだ。で、そうなると最初の怒りの自画像が何とも言えず迫って来るではないか。なかなかやるじゃんホドラー。

地下に行くと、アルプスの風景画がずらっ。これもリズムとか意識したもんで、ただの風景じゃない。リズミックな雲があったり、上下対称がちょい面白かったり、あとは……うーん、晩年のモネみたいに風景であって抽象ってほどではないが、まあゲシュタルトを崩壊させて見るのがよき見方ではなかろうか。

さて後半は何かな……と思ったがなんとほとんど習作。しかもラフスケッチ程度のどうでもいいヤツばかり。リズムを感じさせる「《全員一致》のための習作」ぐらいはまあ悪くはないが。明らかに前半で出し尽くしている。
終盤、チューリッヒ美術館にある女性像リズム大作の「無限へのまなざし」の紹介と習作。習作はまあ、こんなもんか、という程度だが、問題は実物大パネルがあってなんとモノクロ! おいおいそりゃあまりにケチだろう。印刷代がもったいないのかよ。1600円も取っておいてそりゃないぜ。それとも、色はパネルじゃダメだ現地で見て感じてくれって意味かい? 
あとは晩年のパワーダウンしたヤツら。

ううむ、この企画は習作をたんまり見せてから完成品を見せるというゴッホ展方式を見習った方がいいよな。点数の少なさよりも、竜頭蛇尾っぷりがなんか目立ってしまっているぞ。
http://hodler.jp/

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