« DOMANI・明日展(国立新美術館) | トップページ | ホイッスラー展(横浜美術館) »

2014年12月20日 (土)

内藤礼 信の感情(東京都庭園美術館)

長らくリニューアル工事をしていたが、ついに先月、完成に至り、お披露目の最初の企画。今までの本館だけでなく、新館ってのができたの。いや前からあったよな。でも新しくなってんだぞ。で、内藤礼の作品は、本館においては建物が主役ってんで、そのリニューアルお披露目のじゃまをしないように、こっそりひっそり置いてある。

まー、庭園美術館は今まで幾度と無く行っているし、建物だけの時も行ったことがあるもんで、今更この建物がどうということはないだろうなあ、と思っていたが、やはり展示物が無いと、内装のアールデコ調の、あれやこれやがよく分かる。あと、家具もいくつか置いてある。それから、部屋が2つほど、新たに入れるようになっていた。内藤礼作品は、主に鏡の前にちょこんと立ってる小さい木の人形だ。

建物に関する解説がいろいろあって、ビデオもあって、いちいち読んでないし見てもいないんだけど、ま、今回、当時の工法を忠実に職人が再現したというところでしょう。部屋の見どころを書いた資料もくれるよん。あと、企画展の時はカーテンで覆ってあって、そこに作品が置いてある窓なんぞも今回は開放中だ。おお、この窓からはあっちが見えるのか、という新鮮な気分だぜっ。でも3階は今回は行けないのら。

新館へ移動。ここにギャラリーがある。で、内藤礼の企画をババーンとやっているわけだ。なんだ、これなら確かに本館にちょこっとしか無くてもオッケーだな。で、中に入った…………ううっ、こ、これはっ……ただならぬ試され方をされる。何があったか? 書いちゃおうかな。書かない方が面白いかな。書いちゃうけど読みたくない人はここでやめて、今すぐ庭園美術館にGOだ。あーそうそう、ここで本館内のどこに人形が置いてあるかの地図もらえるよ。見落としてたら探してみよう。子供連れて探し物で遊んでもよい。あと、子供連れには今回、ウェルカムルームってのができてて、遊べるもんが置いてあったじょ。

さてさて、ギャラリーにあったの内藤礼作品は、なんとキャンバスを真っ白く塗っただけの作品群だっ。あと鏡を見ているちっこい木の人形一つ。それだけ。木の椅子があって適当に動かして座って見れる。ううむ、しかしこれはどうしたものか? 正攻法で行くなら、内藤礼の作品を年代順に学習し、恐らく基礎的な何かから始まるであろうから、いかにここに到達するか、いかなる制作意図を込めているかをしっかり学んで理解することである。モンドリアンはこれで行け方式な。でも今、君の手元に資料もなければネットもない(スマフォがあるかもしれないが)。第一メンドクセー。そんな優等生みたいな鑑賞してられるかっ。従って君は(というかオレは)勝手な消化方法を始める。前も書いたが、実はこれこそが美術鑑賞の醍醐味なのだよ。人の解説より、作品と対峙した時の内なる声を聞きなさい。えー聞きなさいったってよー こう、真っ白じゃなんも出ないっすよー 河原温の日付絵画よりムゴいじゃんかよー ええいこの愚か者がぁっ! もう一度ギャラリー入口から入り直せ。入って部屋を一望し、髪をかきあげて呟け「インターナショナルナイトーホワイト」。ナニかきあげる髪が既にホワイトだと? そんなことはどうでもいいのじゃ。あるいは、据わった目をして歩き回り、床の内藤礼人形を蹴倒して通報され、ダブルピースで「しぇしぇしぇのしぇー!」と叫びながら連行されるのも一興だ(一興じゃねーよ)。または同行者に、「これはバカには見えない絵なんだぜ」と真顔で言ってもよい。あるいは内藤礼人形が鏡と対峙してることに注目して、この白い作品は、君の心の鏡と見立て、様々に想像してみよ、というメッセージを受け取ってもいい。あるいは、ジョン・ケージの「4分33秒」のごとく、これは鑑賞者の行き来が作品の一部であることを強調したものである、ととらえてももよかろう。あるいはもう一つの正攻法として、「何も描いてないじゃんか、金かえせっ!」と学芸員に詰め寄ってもよい(よくねーよ)。いずれにしても、ため息混じりに「現代アートは分からない」と言って引き下がるのはやめろ。それでは負けだ。君はまだ負けるような人間ではない。

新館にショップとキャフェがあるよ。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/

|

« DOMANI・明日展(国立新美術館) | トップページ | ホイッスラー展(横浜美術館) »