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2015年2月22日 (日)

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展(三菱一号館美術館)

小ぶりな作品が多いという噂を聞き、行ってみたら確かに小ぶりが多いんだけど、これは恐らくケチってるんじゃなくて、館長自ら「小さく親密な空間で……」ってなことを言ってるもんで、確かに小部屋が多いからデカいのはちょっと見にくいかもしれん。しかし印象派メインだよなあ。もう何度も何度も何度も何度も見てきた印象派なんで飽きてんだけど、でも行っちゃうんだよなあ。何か見落とすともったいないもんでねえ。

テーマ順って感じで、最初は「戸外での制作」ストレート直球の印象派。モネとかピサロとかシスレーとか手堅く進んでいきます。シスレー「ポール=マルリーの洪水」ほほー、水面の表現がうまいものですな……って、これ洪水の絵じゃないか。こんな和やかでいいんかい。それからブーダンがいくつもあるな……はてブーダンって誰だったかな、と思ったらモネを見いだした人らしい。それからドガの馬とかあって、ルノワールの風景があって……うーん緑アオアオでさ、なんか「日本人ってこういうのが好きなんだよなHAHAHA」って見透かされてる感じがしないでもない。しかし次のセザンヌ「愛の争い」これもさりげなく置いてあるんだが、これ愛憎バトルなんだな。あとゴッホがあるぞ「オランダの花壇」いや、これは、普通の印象派風だ。色が穏やかであまり(オレの好きな)ゴッホらしくないわい。それからルドンが意外といい。黒じゃなくカラーだけど、エドワード・ホッパー風の寂しい風景。これ習作だってさ。それからスーラがあるが、これは新印象派でずいぶん見たな。

次は「友人とモデル」ってコーナー。人物画どもだ。最初はルノワールの女性像がいくつか。うーん、なんか見慣れた感じ。「アンリオ夫人」なんて前にどこかで見たよなあ。それから廊下を長々移動して、ベルト・モリゾ「窓辺にいる画家の姉」。なんかモリゾっていうとNHK「森へ行こうよ」の森はワクワクのモリゾーを思い出し「あーキッコロや、これがわしの姉じゃぞ」いや、まあどうでもいいんだ。モリゾは女性画家ですがな。それからマネの犬の絵。犬かよ。まあうまいけど。次にコローの「芸術家のアトリエ」ふーん、前にコローの人物を見たが、これもなかなか。後ろ向きだけどいい感じじゃないか。ジャン=ルイ・フォランって人の「舞台の裏」おお、ちょっと珍しい感じだ。ドガ「舞台裏の踊り子」ちと小さいな。

次は「芸術家の肖像」ほう自画像か。自分を描くというより、自分の内面を見つめる感じの絵なんだな。ファンタン・ラトゥールのがいいですな。芸術家っぽいツラでな。ゴーギャンの「カリエールに捧げる自画像」ってのもある。へえ、自画像を人に捧げちまうんだ。それより同時代ならオレの好きなカリエールの絵も置いてくれよ。

階段を下りて、収蔵品。ルノワールの何とかの娘の絵があって、ここ自慢のルドンの「グラン・ブーケ」が今回もしっかりある。

それから「静物画」コーナー。アントワーヌ・ヴォロンって人の「バターの塊」。これ、文字通りなんで面白いぞ。しかしやっぱりセザンヌ「牛乳入れと果物のある静物」いや~いかにも、「なんじゃこりゃ」&「これがすげえんだよ」が同居するおなじみセザンヌの静物。いや、オレは好きだよ。個々の物に対しそれぞれ「こういう向きで描きたい」が、それらを複合すると明らかにおかしい、しかし「無理矢理くっつけちゃう」のだ。静物のくせに妙な緊張感をはらむそいつはピカソのキュビズムを生んだんだぞ。この絵も皿が実にヤバい。これを見ちゃうと次のルノワールの「皿の上の桃」なんざあ普通すぎて物足りない。

最後は「ボナールとヴュイヤール」コーナー。ここは最後の方のボナールの「庭のテーブルセット」と「画家の庭の階段」がイイかな。半分抽象。これは目の前にある風景の絵を描いてるんじゃないんだ。目の前の風景からこういう色彩を感じたいという心を描いているのさ。

ダントツもハズレもなく手堅く鑑賞。ついでに終わったらそこらでちょっといいものでも食べるといいんじゃない。
http://mimt.jp/

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