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2015年3月14日 (土)

ルーヴル美術館展(国立新美術館)

風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄、とのこと。混むんだろうから会社をサボって……いやいやちゃんと有休を取って行ってきたのさ。しかし午後とはいえド平日なのに結構混んでること。土日は大変なことになりそうじゃ。

最初は風俗画の起源ということで、古代の何とかからの石に描いたヤツとか器とかで、まあこれはオレにはどうでもいいや。でも最後にジョセフ=マリー・ヴィアンってロココ画家の「アモルを売る女」が面白い。古代風の衣装やら建物内が注目なのだが、文字通りアモルを売ってる。アモルとはキューピッドのことじゃ。天使じゃねえぞ。

それから絵画のジャンルというコーナーで、シャルル・ル・ブラン。ほほー、ル・ブランといやあヴィジェ・ル・ブランだが、シャルルってのもいるのね。あとは理想風景の名手、クロード・ロラン「夕暮れの風景」うーん、なんか小さめだな。もっとデカいいい絵あるのにな。

労働と日々、商人、働く人々、農民なんてコーナー。うむ、まさに風俗画……それにしても普段美術館なんぞに来ないような連中がルーヴルだのフェルメールだのって名前だけでうじゃうじゃ来やがって、イヤホンガイドがバカスカ捌けて、そこらじゅうで切り忘れの携帯が鳴るわ、スマフォいじくってるわ、監視の人用のいすに座っちゃうわ……いや待てよ、こういう時、風俗画ってのはいい選択だよな。歴史画や宗教画じゃマジわけわかんねーし。風俗画なら古い異国の生活情報であふれているもんだから、絵の説明だけで結構な情報量になるし、知るも楽しみなりだよ。要するに絵そのものがヘタッピーだろうが、鑑賞者が芸術的要素を感じ取れなかろうが、ノープロブレムじゃ。当時の誰それのなになにが描いてある絵だって情報を得るだけで充実した時間が過ごせるってもんだい……ええええいだからオレは絵の読み解きだの解釈だのってのは嫌いなんだっ。まあ全くやらないではないが、そんなの本当は重要じゃねーっ、なのに、そこらじゅうでそういうことやらなきゃいけないような雰囲気作りやがって。いや、まあ、そういう人は風俗画展になんぞ来ない方がいいのかもしれんが。まあいいや。えー、さて、それらの風俗画の解説はそこそこに流し、ほれほれドラクロワがあるど……ううむ、あるってだけだなあ(日本じゃドラクロワの名品ってのはめったに見られないんじゃないか)。ミレーもあるぞ、これも一応あるってだけだ(ミレーの名品はしばしば見れるな)。シャルダン「買い物帰りの召使い」おお、ロココ時代にロココじゃなかった孤高のシャルダンじゃん。静物が得意だから、この絵でも、下の瓶とか注目。ヘリット・ファン・ホントホルスト「抜歯屋」文字通り歯を抜く商売の人が歯を抜かんとしているところ。実に楽しそうな顔だな。実は絵にスリだのドロボーだのも描いてあって、抜歯屋はその仲間だとかそうでないとかって話(こういうのは面白いな)。ブリューゲル1世「物乞いたち」小さい絵だが魅せる。手足の失われた者達のなんとなく、そういう魅力。ムリーリョ「物乞いの少年(蚤をとる少年)」は、さすが超マリア様無原罪の神宿りの作者。何となく柔らかな感じが魅力ね。

日常生活の寓意とかいうコーナーになり、レンブラント「聖家族または指物師の家族」小さめの絵だが光の演出はさすが。これは結構人だかりがしてましたな。グルーズ「割れた水瓶」一見割れた水瓶持ってる女の子の絵なんだけど、それも結構キレイどころなんだけど、衣服が乱れていて、本当に割られてしまったのは何なのか察してくれって絵。ヤバい想像してゾクゾクするのは当時も同じだったんじゃねーかい。そして目玉のフェルメール「天文学者」! ……オレ、多分現地ルーヴルで見てる……が、こうライトアップはされてなくて、なんか「あったかな」ってぐらいの記憶しかないんだが。で、今回の展示は……うーん、何かイマイチだな。なぜだ? ライトが強すぎるのかそういう絵なのか、全体にコントラストが弱くて白っぽいのね。表面のガラス(?)のせいかな。光の印象としてはレンブラントのほうがいいな。

雅なる情景、というコーナー。そう、ロココの雅宴画、屋外で、当時流行の男女がキャッキャウフフしてるようなトレンディ絵画。あまり見る機会が無いから見たいんだよねえ。もうおフランスのロココのチャラチャラヘニャヘヤデレデレのどうしようもないヤツが見たいねえ。今回、ロココ三兄弟(ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール)全員出ているが、結果からすると、あまりどうしようもないのは無かった。ヴァトー「二人の従姉妹」は品がいい。パテルって人の「庭園に集うイタリア喜劇の役者たち」はまあまあ。ボワイーて人の「籠の鳥または恋人たちと飛び立つ小鳥」ってのが、一番ロココテイストな感じを出してるな。

次は日常生活における自然ってなコーナー。要は風景なんだけど、いきなりルーベンスがある。そんな大きな絵ではないが、いや、これは、すげえよな。何か格が違う。恐らくよほど目がフシアナでも、こいつが他と違うってのは分かるんじゃないだろうか。シャルル・バロセル「象狩り」象コワイ。フラゴナール「嵐またはぬかるみにはまった荷車」なんだロココじゃねーよ。でもロココテクを生かしてるらしいぞ。

室内の女性、のコーナー。コロー「身づくろいをする若い娘」風景画でならしたコローの人物画が珍しいと思ったが、最近チラホラ見るなあ。ティツィアーノ「鏡の前の女」。ここでいきなりヴェネツィア派ですかい。でも目玉の一つであり、その期待に十分応える、堂々たる美女画じゃい。シャセリオー「風呂からあがるムーア人の女性またはハーレムの室内」 どうでもいいけど、この時代のタイトル付けの「または」ってのやめてくんないかなめんどくさい。確か当時の童話のタイトルなんぞも「何とかまたは何とか」だったよなあ。ロココのブーシェ「オダリスク」こ、これは……これ、あかんやつや。いや、あかんやつじゃないんだけど、マルダシのおしりがムッチリでエロい(「官能的」という便利で品のいい言葉があるけどな)。しかし「オダリスク」ってタイトルはなあ、どうしてもアングルの「グランド・オダリスク」を意識しちゃうよなあ。あっちの方が有無を言わさない完成度があるけどな。コーナー最後にコロー「コローのアトリエ」。あれ、これはついこないだ三菱一号館で見たよなあ、同じようなヤツを何枚も描いてるのか。

最後のアトリエの芸術家のコーナーでははシャルダン「猿の画家」これがなかなかいい。下に置いてある壷とかにもキレがある。隣も猿の画家だけど比べるとイマイチだな。

全部がすごいかというとそうでもないんだが、そこはさすがルーブル。見ごたえありますな。でもこれ混むよなあ。
http://www.ntv.co.jp/louvre2015/

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