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2015年4月30日 (木)

橘小夢展(弥生美術館)

今こそ再評価が求められる、妖美の画家。弥生美術館でやるってことは美術系の画家というより、挿し絵画家系統なんだけどね。「幻の画家」なんて言われているようなんで行ってきた。出品リストを手にしてないんでメモ程度で。

最初に女の影が狐になっている、なんて絵がいくつかあって、これのテーマは「玉藻前」。これ、何かの話だったよな。解説も読んだはずだが覚えておらぬ。ともあれ、狐面持ってるのが一番よかった。あとは「唐人お吉」とか「お蝶夫人」(普通「蝶々夫人」って言うよな。「お蝶夫人」だとエースをねらえだもんなあ)とか、挿し絵系のものはビアズリーっぽい雰囲気。小夢は日本じゃなくて海外のもので画風を学んでいったそうだ。

日本画の展示があり、「火桶」うーん、顔が濃い。祇園井特みたいな京都系かと思ったら、この人、秋田出身だって。「花魁」を見ると、うん、なんか明らかに江戸末期に流行った「国貞美人」っぽいね。でも衣装が美しく見事である。あと「水妖」とか「水魔」とか水もの、「水魔」は女がカッパに沈められちゃうヤツ。死を恐れつつ死に惹かれてしまうデカダンなテーマ。それから挿し絵画家から出発した時の絵があって、それはもうストレートに夢二風。そうか、夢二スタイルって、こうも流行ったんだ。

2階に上がって「牡丹灯籠」の挿し絵。十等身国貞みたいな感じ。「江戸から東京へ」の絵とか、あと泉狂歌や江戸川乱歩の挿し絵。こいつぁお似合いだねえ。谷崎の「刺青」の挿し絵もあって、刺青の蜘蛛が何とも妖しい。あと衣装のデザイン。それからまた日本画。最後の方の「地獄太夫」これが非常によいですな。地獄絵の描かれた着物をまとう美人。その顔を見てふと思ったが、おお、なんかロセッティっぽいな。美女なんだけど、なんとなく、あれ、これって男の顔じゃないか。そんな両性具有な感じで。「地獄太夫」といやぁ暁斎だが(今芸大美術館に出てたかな?)、暁斎のと並べても引けはとらない魅力があるぞ。

3階はいつもの華宵。隣の建物はいつもの夢二だ。
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

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