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2015年7月21日 (火)

蔡國強展(横浜美術館)

世界的に有名な火薬アーティストの個展。自慢じゃねえが、いや完全に自慢なんだが、オレはこの人がそんなに活躍をしてない頃から知ってるのじゃ。それは1991年。そおっ、あのっ、四谷三丁目のP3で「原初火球」という蔡國強の企画展示があったのです。P3はバックミンスター・フラーを知った場所でもあり、何かと通っていたんだけど、思えばすごい先見性あった場所なのね。まだ活動しているみたいだけど。

さて建物にはいると、いきなり大作「夜桜」がどかーんとある。もちろん火薬での絵画作品。撮影可能。遠目で見るとちゃんと「絵」になっている感じがする。

エスカレーターを上がって、最初の部屋。中学生以下は保護者、引率者の同伴が必要です。だって、ぬぁに? 蔡國強がその手のものを作ったのか、と思いきや確かにその手のもの。「人生四季:春~冬)。月岡雪鼎の肉筆春画(!)をモチーフに、色付きの火薬でやらかした作品。男女の絡みっていうか、男だか女だかどっちもみたいな感じの人物なんだけど、肝心の結合部分(春画ではよくバッチリ描いてあるの)は、火薬爆発で判然としないようになっている。まあ、この辺が十八禁でない理由ですかね。十八禁にすると、それ以下の者どもを排除するうまいステムを考えないと企画する方も手間かかるしね。この部屋(部屋ったって展示室めいっぱいだからデカい)を出て、次の部屋に行くと、今度は白磁の花のパネルをこれまた爆薬を破裂させて、陰影をいい感じで入れちゃった作品。制作過程のビデオがあるか……なんか爆発現場の方が楽しそうなんだな。部屋を出て、ビデオが二つ。今回の企画の制作過程と、過去の作品を紹介しつつ時間を遡るもの。今回のは横浜美術館のあの空間が「現場」だったわけね。過去作品では、やっぱり花火や火薬を使ったパフォーマンスが魅せる。面白い。美しい。花火も夜のはもちろん、昼のもあるんだな。黒煙で虹の形状を作る、赤と緑で花畑みたいにしちゃうのとか……先日ワタリウムで見たヤツもあったな。ううむ、なんかー、やっぱりー爆発現場が一番楽しそうだよなあ。展示されているものは確かに「作品」なんだけど、こういうダイナミックなビデオを見ていると、なんとなく展示してあるものが残骸でしかない感じもしないでもないの。

最後の部屋に、今度は火薬を使っていないけど、すげえ作品がある。「壁撞き」これが壮観で、狼の剥製九十九体……いや剥製じゃなくて羊毛を使った精巧なフィギュアらしいが、それが遠くからジャンプしてきてベルリンの壁をなぞらえたガラス壁に激突して撤退するまでをコマ送りみたいにずらーっと並べている。展示室をめいっぱい使うスケールの大きさ、一体ずつのしぐさまで十分魅せる。火薬じゃなくても「イケる」。

ううむスゴいアーティストじゃ。でも、それだけに、爆発現場に立ち会いたい(オレ突然のデカい音ってのが苦手だけど)。そんな悶々とした気分を味わいつつ撤収。
http://yokohama.art.museum/special/2015/caiguoqiang/

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