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2015年7月12日 (日)

ボルドー展(国立西洋美術館)

ボルドーといやぁワインだけど、それより今回の話題としてはドラクロワの大作が出るんだってよ。ドラクロワって意外と日本で拝む機会無いんだよね。いや、ショボいのはちょこちょこ見るっちゃあ見るが、大作は滅多に来ないのじゃ。だから行った。

行って分かった。ボルドーってフランスの南西部ですって。展示はボルドー25000年の歴史を俯瞰するっ……ってことで、最初いきなり下の階に行って、その部屋には……石を削ったプリミディブな像とか石器とか、要するにオレにとっちゃあゴミガラクタ石コロに過ぎんもんが並ぶ。いや、オレはその場で感じられるものっきゃ興味ないのよ。まあ一応だんだん文明的になっていって、早くも「ワイン用のアンフォラ」とかいう容器いや壺いや瓶が登場したり、ちなみに出品リストを見ると、ワイン関係ものにブドウとグラスのマークが付いているんだぜ。ボルドー展なんだからワインのこと忘れてくれるなってか。ついでに会場出たらショップでワイン買ってくれ。えーと古代から中世に進み、柱頭や紋章なんて見てると、うむ、だいぶ細工が凝ってきますな。でもフムフムそうかってレベル。ここで上の階に上がって、「18世紀、月の都ボルドー」ってコーナー。あるのは肖像とか地図とか街並みとかで、おいつまんねーよ。フリゲート艦の模型があってそれはそれでまあいいけど……なんかこう、芸術的にズガッとくるものはないんかい。テール・ド・ボルドー磁器製作所ってところの皿とかティーポットとかあって、これはなかなかきれいではある。あとはやっぱしワインクーラーとか。

やっとこのあたりから絵画が本格化。ありますよ見逃すなよシャルダン「肉片のある静物」チャラいロココ時代にあって渋い静物を描いた通好みの画家だゾ。次、ナトワール「化粧するヴィーナス」絵は普通だが、この人、かのロココのブーシェのライバルだったんだって。ほほーロココってヴァトー、ブーシェ、フラゴナールって三人以外大したのがおらんのかと思っていたが、一応いたのかライバル。ベンジャミン・ウェストの2品が象徴派っぽくてイイ。分類は新古典らしいが。他にも新古典の作品がチラホラ。新古典主義ってのは、ロココの軽薄さにブチ切れたダヴィッドみたいな画家が、強くたくましくシャープに描いたものなんだ。ルネサンスよりもパワフルだし具象で描写もうまいし、なんかええもん見た気になるから、企画側とすりゃあこの辺見せてりゃ無名のヤツでもオッケーだぜ。その後もっとドラマチックにロマン派に突入。ここでゴヤが登場。このスペイン人は晩年ボルドーにいたんだと。版画の「闘牛」がなんかスゲエ。モノクロだけど、なんか血みどろ感がハンパネエぞ。スペイン人が大好きなエンタメの闘牛が、これじゃ陰惨な血の見せ物ではないか。続けてルーベンス「聖ユストゥスの奇跡」。オホホホホホこれもマジヤベエわ。ボルドー展だってんでワイングラス片手にオシャレかつお上品にキメようとしたジャップを血もしたたる肉食のフランス人がぶん殴る感じ。これどんな絵か黙っていよう。現場で見ろ。面白いぞ。もちろん解説にゃこれがどうしてこういう絵なのか書いてあるが。そんなの関係ねえっ! これはこういう情景にウェッとなるためのもんだい。ええと次は、いよいよ目玉のドラクロワ大作「ライオン狩り」。おおっ……なるほど、人ライオン馬が入り乱れた確かに力作だ。迫力もある。一応万人そう思うであろう。が、しかしこいつは火事で上の部分が消失しているのだ。そして、隣にボルドー生まれのルドンが完全版をラフに模写したものがあって、それを見ると……あ、完全版ってもっとスゲエいいんだ。構図もまとまってるし、上が無いってことは結構致命的じゃねーかよ! なに? そんなに変わらない? おめーの目はフシアナかい。そんなわけで何とも言えない気分でドラクロワの鑑賞を終える。

ボルドーの肖像ってことで、ここで結構ワインものの展示が増える。終盤でショップも近いしな。ルドンの黒がいくつか。あと有名どころじゃロートレックもいる。アンリ・マルタンの点描もある。ワインのエチケットがある……ってこれラベルのことか? モネの落書き風のもある。アンドレ・ロートって人のキュビズム風ボルドー風景あい。

最後はボルドー風景ってことで、ジョルジュ・ルースって人が、どこぞの倉庫の落書きを撮った写真作品。落書きが労働者の嘆きっぽい社会派の雰囲気。この人、東日本大震災も撮ってんだって。

点数が多いんで見応えあるよ。鑑賞後はもちろん肉とボルドーの赤ワインで。おフランス的お上品にじゃなくてガツガツガブガブとやりゃあ、君もボルドーの仲間だ。
http://www.tbs.co.jp/bordeaux2015/

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