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2015年11月 4日 (水)

アルフレッド・シスレー展(練馬区立美術館)

印象派はなんかもー飽きてしまった。なもんで、都美のモネ展は行ってないし、多分行かないと思うし。がしかし、このシスレーは行った。家から割と近いから。あと、練馬がこういう正統的な(?)企画をするのは珍しいんで、何をしてくれるかな? で、行ったら点数は国内各地の所蔵品から選りすぐった20点! 展示スペースに余裕があるので、1点1点じっくり対峙できるぜっ! が、しかし……

シスレーは相当前に、確か伊勢丹美術館だったかなぁ、企画展を見て、そこでなんか見尽くした感じになっていた。水辺の絵が多くてそれが本領って印象。ま、印象派展でもチラホラ見かけるね。で、最初にあるのが「マントからジョワジー=ル=ロワへの道」水辺じゃないけど道に落ちる木の陰が味~(?)。「ルーヴシエンヌの風景」ちょっと空が暗い感じだが。なかなかいい。シスレーは極めて典型的な印象派で、離れて見てよし、近づいて筆跡に感心してよし、部屋に飾ってよし。屋外がほとんどなんで「印象派の画家達は屋外に出て外光の一瞬をとらえたのさ」と一席ぶってもよい。印象派ってのは全体的に「ぶわっとしている」感じが多いんだけど、「ヒースの原」なんぞ背後の河のエッジとか割とシャープに描いているところがあり、それでも自然に見える。「サン=マメスの平原、2月」の枯れ木、枯れ草、山のエッジなど、全体に自然なので何気なく見ちゃうんだけど、実のところ絶妙な描画のバランスで描いてるんだな。「サン、マメス」は映り込みのない水面。「麦畑からみるモレ」は樹が3本プラスアルファですっと立ってていい眺めだにゃ。「葦の川辺ー夕日」は夕日というか青空。「ロワン河畔、朝」これは水辺、映り込み、全体の明るさ、筆跡上等で見事にキマっている。対して、同じ部屋にある「レディース・コーヴ、ラングランド湾、ウェールズ」は珍しく海辺……なんだけど、やっぱ慣れてないのか岩の描写がちょと苦しい。砂浜もなんとなーく、これでいいのか感がある。海辺はちょっと不得手なんじゃないかね。絵本の挿し絵みたいな「鵞鳥のいる河畔」……ん、もう油彩は終わりか。展示会場はまだまだ途中なのだが……

全館使ってこの展示量ではヤヴァいと思ったのか、ここでなんと、佐川美加による、シスレーも描いたセーヌ川の解説。「河川工学的アプローチ」だそうで、曰く「セーヌ川を知っていますか?」 船の運航についてとか、解説が詳し~い。超詳しい……って、オレ別にセーヌ川の勉強しに来たわけじゃなくてシスレーを見に来たんだけどな。良心的なお客と勉強好きとチョウチンモチはこういう奇策も大いに評価するだろうけど、オレ的にはなんか「コレジャネーヨ」感が強い。が、ここで銅版画が出てくる。シャープなエッジで正確に描かれている。へー、こういう描き方もできるんだシスレー、と感心していたら、なにシャルル・メリヨンだって? シスレーじゃねえじゃん。

下の階に行ってあるのは、シスレーの地を訪ねた日本人画家。他の美術館から借りてきた連中はまずまず……なんだけど、結果的にシスレーの凄さを実感させる感じなんだな。正宗得三郎「モレーの冬」の木の枝なんか見ていると、あーなんか枝がバリバリだよな。やっぱシスレーってうめえわーとか思ったりするんよ。うん、なんかどれも風景があんまり自然じゃない。作ったというか、変なアートっぽい演出をかけてる感じでよ。それから参考出品として練馬区美術館所蔵のものは、ううむ、さらに格が落ちてるような……キビちい。

セーヌ川の河川工学にも興味がある人にはオススメ。シスレーだけって人には、ちょっと物足りないかな。でも、いい絵が結構並んでいるんだが…… http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_museum.cgi?id=10066

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