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2016年1月31日 (日)

「魔除け」(文化学園服飾博物館)

ただの模様じゃなくて魔除けってんだから面白そうじゃん。この場所は初めて行ったが、そこそこ客もいる。

内容は主に東アジアやアフリカで、まずは日本……といっても服飾博物館なわけですから、並んでいるのは服と装身具ばっかしだす。最初に日本の守袋があって、江戸の浮世絵に描かれていたりするんだけど、持ち歩くヤツね。中に何が入っているのかな。守巾着なんてのもあったね。えーそれから着物だな。主に子供を魔物から守るような、あるいは健やかに育つための柄とかだけど、最初にあったのは長寿の人の服の端切れとか接いでな、子供の着物にするんよ。そんであやかろうと。あとは麻の葉模様。大麻は成長が早いって。大麻でラリってないのか。それから、強い虎と竜の柄とか。女の子なら鈴と宝船とか。赤白ストライプで視覚的な刺激で魔除けじゃとか。大人なら矢羽根模様とか、カゴメとか。特にカゴメってさ、カゴメカゴメの歌って結構魔的な意味なかったっけ? それから背守りというのがあって、子供なんか特に背中が無防備で、そこから魔物が入ってくるってんで、背中に糸くくりつけたりしてたんだって。五色の糸で五行だとかいう意味のヤツとか。あとアイヌの着物があり、カパラミプ……ええええとアイヌの刺繍ですって、でも模様が魔除けっぽくてよい。アイウシ、シク、モレウ文とかメモってあるが、模様の名前かな。なんか聞き慣れない用語が多くて困っちゃう。

次は中国に行って赤い婚礼服……やっぱし赤は魔除け効果がありそうですな。あと子供が避けたい「五毒」というのがあり、サソリ、ムカデ、クモ、ヒキガエル、ヘビだって。それを模様にして、毒をもって毒を制すんだって。ええとそれから、白い羽根とかメモってあるな。これも魔除け。台湾に行って、ここは百歩蛇とかいう蛇が守り神で、その模様とかあるんだって。あとはトルコ石のなんかあってそのう……身にまとう重そうなヤツ。タイに行って、ここも赤が魔除け。あと総じて菱形が多いね。うん、菱形って、何となく「魔除け」っぽいよな。インドネシアは「パトラ文様」(メモってあるがなんのこっちゃ)。首飾りは牙がずらってのが多い。ええと……なんたって解説が多いもんで、だんだん鑑賞が投げやりになってくるぞ(おいおい)。パキスタンは生命の樹の文様だ。インドは鏡片付けてキラキラさせる。いや、目に付いたのだけメモってんで、他にもあれこれ出ているのよ。えーとインドの子供のハナクソ……いやいやいや違う違う、そうそう鼻飾りがあってだね、これ何、輪をくっつけてるけど、子供の頃から鼻ピアスなのか? 痛そう。ウズベキスタンはザクロ。これも種いっぱいで子孫繁栄ね。アフガニスタンのサソリ、アルジェリアの金糸。それからなんか目の周りを黒く塗るアンチモンの化粧が怖い。まあ、こうやって目を魔物から守るんだよね。

最近人工生命の本とか読んでて、その関係なんだけど複雑系における一次元セルオートマトンという、まあ模様みたいなもんがあるんだな。これは自然界でも貝殻についていたりするカオス模様なんだ。あれに魔力を感じた人はいなかったんだろうか。秩序があるようなないような大小の三角が入り乱れるナイスな柄だが。あの模様をコピーした服が「魔除け」デザインとされてもよさそうなもんだけどなあ。
http://museum.bunka.ac.jp/exhibition/

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2016年1月25日 (月)

ボッティチェリ展(東京都美術館)

あんまし期待していなかった。えええどーせ点数少ないんでしょ。でも昨年Bunkamuraに結構来てたしなあ。

冒頭にいきなり「ラーマ家の東方三博士の礼拝」という大きめテンペラ。ふふん、悪くないね。それからしばらくメディチ家のなんとかかんとかで大したものがない。あー聖杯があったな。あと、油彩でアントニオ・デル・ボッライオーロって人の「竜と戦う大天使ミカエル」……なんかハキのない顔だなあ。ミカエルらしくないぞ。仏像の憤怒相でも見習ってほしいな。絵画に比べると彫刻はまだ進んでいて、同じ作者の「ヘラクレスとアンタイオス」がなかなか力強くて良い。

ボッティチェリの師である、パラッパ・ラッパじゃなかったフィリッポ・リッピのコーナー。「聖母子」とか、おなじみキリスト教テーマ。「ピエタ」とか見ると、なんかプリミティブですな。なんちゅーか、素朴派みたいな、そう緻密でもない感じ。もう一つ「聖母子」があって、こっちのは赤ちゃんの胴体を布でグルグル巻きにしてある。これは虐待じゃなくて、赤ちゃんがおとなしくしているんで、ヨーロッパの方じゃこうしているらしい。えーそれから、ボッティチェリが一つあったな「バラ園の聖母」ほう、顔が母親してますね。やっぱリッピよりうまいよな。またリッピに戻って「玉座の聖母子と二天使、聖ユリアヌス、聖フランチェスコ」うーん、なんかさあ……サエない顔だなあ。こういうツラが流行だったのか?

上の階にあがって、ここがいよいよボッティチェリ城本丸。「書斎の聖アウグティヌス」これがね、なかなかよいね。顔がたくましい、ボッティチェリの特徴は線がはっきりしていて輪郭がシャープなところだね。シャキッとした緊張感がありますな。あと工房作がいくつか。「聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエル、大天使ガブリエル」これは、前も見たな……工房作ながらなかなかいい感じ。対して「パリスの審判」これはいかにもヌルい工房作。それにこの画題は神話の美女選定の場面なので、普通、裸なんだよね(裸を描きたいヤツ集合)。でもこの工房作、妙に着込んでいる。いかにもボッティチェリ衣装なんだけど、こうも着込んでいると何だかなあ。つまんねえなあ。それから目玉の「聖母子(書物の聖母)」。そんなに大きな絵ではない。でもなかなかの上物。顔が癒し系でよい。こりゃウケる(笑えるという意味ではない)。そうかボッティチェリって、ルネサンスの技法云々より、まず顔がイイのね。顔が命だ。他にも「胸に手を当てた若い男の肖像」なんてのも、あまり目立たないながら、表情がなかなかよい。肖像といえば「美しきシモネッタの肖像」。うーん、美しいかっていうとちょっとキツいかな。隣にも「女性(美しきシモネッタ)」というのがあるが、だいぶ感じが違うぞ。同じモデルなんだよな。それから「磔刑のキリスト」っていう、絵を切り抜いたケッタイなものがある。絵は普通にうまいが。それから「アベレスの誹謗」は人いっぱい、動き生き生き。工房作の大きめのがさらに二つあり、ボリューム的にもなかなか満足できる。

さらに上の階、ボッティチェリの弟子にしてライバルになったパラッパーノ・ラッパじゃなかったフィリッピーノ・リッピ。フィリッポ・リッピの息子だって。ボッティチェリが男性的表現だったのに対し、甘美だったとかなんとかの評判だったそうで、最初の「聖母子、洗礼者とヨハネ達」なんか見ると、シャープな輪郭じゃないんだけど、ま、これはこれでありかなと。悪くないね。「幼児キリストを礼拝する聖母」これはこれでイイかなと。でもボッティチェリに比べると、ちょと印象薄いかなっと。それにしてもなんか同じようなキリスト教的画題ばかりなんで飽きてきたぞ。

先日行ったダ・ヴィンチ展と比べると、やっぱこっちの方がイイものが多いな。混まないうちに行くべきだ。
http://botticelli.jp/

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2016年1月21日 (木)

レオナルド・ダ・ヴィンチ ―天才の挑戦(江戸東京博物館)

昨日行ってた。会社での私の島には3人いて、あと2人が月一で病院行っているのです。なもんで、たまにお前も休めというのです。願ったり叶ったりというか、休んで行った先は土日に一番混みそうなダ・ヴィンチ展じゃ。しかしシルバーデイに行き当たってしまい、お年寄り多数。周囲の声を聞いていると「あたしイタリア行ったわよ」とか何とかで、こんな裕福なお年寄りを優遇して、ビンボーリーマンは定価入場かよ。

それはさておき、ダ・ヴィンチ展で満足したことってほとんどないんですけど。ダ・ヴィンチ展なんて概ね本人作が油彩1点、素描数点で構成されてて、あとは関係者や同時代の人それもどーでもいーようなヤツで水水水水増し展示。そんなんでも来場者に来て良かったと思われたいもんで、ありがたがらせるためのパネルや解説がやったら多い。んで、それをバカ正直に読んでいるヤツラのおかげで混んでるのにてんで進まネエ。目玉の一点は見るまで長蛇の列で、立ち止まれないから鑑賞時間数秒。こうなると内覧会でウマウマ鑑賞し、「必見ですよ~」などと煽っているヤツラを一人残らずブチ殺したくなり、心も荒んでくるよなあっ。

はい、で今回。最初はダ・ヴィンチがどう描かれたか、です。描いたんじゃなくて描かれたかですからね。ダ・ヴィンチの肖像とか、伝説を元にした絵とか、まあ当時から神様みたいな人だったわけよ。それから草花の研究とかで、「ダ・ヴィンチの作品によるなになに」、という要するに模写がもしゃもしゃとあり、本物は「花の研究」とかいう小さい素描。しかしなんか、展示してる額と、フロアの間に段差があって、ある距離以上近づけないようになっているじゃん。オレみたいな近眼にゃ厳しい。単眼鏡ある人は準備するとよい。あとは「子供の研究」という素描があり、「嘲笑される詩人」というこれは模写なんだけど、マンガ風なのあり。

一つめの目玉「鳥の飛翔に関する手稿」なんだけど、本物は冊子で厚い透明ケースに入ってえ1ページだけ見れる。全部のページ展示は「ファクシミリ版」というコピー……なんだけど、見てるとなかなか本物っぽいので、結構見入ってしまう。うむ、普通に面白いな。読めないけど簡単な解説があってありがてえ。ダ・ヴィンチは、飛行機を作りたくて、実際に飛んでいる鳥を観察して、それをもとに自分で飛行機を設計していく。最終的な飛行機の設計図は無いんだけど、そのプロセスはなかなか見ものだ。「腱の付いた飛行機の翼」など、翼のメカニックな表現が結構いい。設計者ダ・ヴィンチの手稿ってやつは実に魅力的ですな。この手稿は結構有名なのか、模写している人もいて、それなども展示されている。

ここから展示はもう一つの目玉、油彩の「糸巻きの聖母」に向かっていく。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の版画があるが、そのダ・ヴィンチの素描「ユダの手の研究」。おお、「最後の晩餐」の肝となるユダの手の研究素描じゃないか。いかに裏切り者の手をそのように表現するか。うん、ありがてえ作品だ。それから「洗礼者聖ヨハネ」のレオナルド派の油彩画とか。そんでいよいよ、「糸巻きの聖母」本物。ここは特設コーナーで、列を整理するロープが張られている。それを通って並んでから鑑賞。うーん……スフマート、だよな。もわっとしてるけん。3回ぐらい並んでは見て、うむ、手の存在感ありあり。ユダの手を研究していたのもあるし、「受胎告知」でも手がポイント。さすがダ・ヴィンチ。手の表現が巧みだ。それにしても他に出ている油彩を見るに、同時代と比較してダントツにうまいよなあ。と、これは先入観なしで、誰でもそう感じるんではなかろうか……まあ、あるいは、他のが大したことないのしか来ておらんかったのか。

こうして他の絵画はどうでもいいようなそうでないようなのが並んで終わり……じゃなくて、別室に資料展として橋の模型とか、組立プレハブパネルの模型とかある。このパネルなんて今でも使えそうで、印象が近代的なんで驚く。「飛行球体」なんて妙なものもあるぞ。

とはいえ、やっぱし2点豪華みたいな……
http://www.davinci2016.jp/

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2016年1月17日 (日)

えびすリアリズム(パルコミュージアム)

金曜夜に行ってた。
蛭子能収といえば、テレビではおなじみみたいなんだけど、私はテレビをあんまり見ていない。ついでに競艇の世界でもギャンブラーとしておなじみようだけど、競艇もしてません。温厚ないじられキャラでありながら、本業(?)の漫画ではサブカル全開のヘタウマ不条理世界とのことで、ちゃんと見たことのなかった私は足を運んだ次第である。

思うにアーティスト気質ってのは2種類あって、一つは私生活も欲望のおもむくそのままにやってしまうタイプ。これなんぞ今をときめく(?)、ゲス極の川谷氏なんかそうでしょうかね。後先考えず結婚して、それでも誰彼かまわず女に手を出しちゃう。アーティストじゃそう珍しくないタイプと思うが、いやしかし相手が悪かったよなあ。ノースキャンダルが売りの売れっ子のベッキーだもんなあ。ヤクザの親分の一人娘をキズモノにしたぐらいのヤバさがあるよなあ。ま、それはそれとして、もう一つは、普通に生活を送って人付き合いもしているが、内面にドス黒いヤツをため込んでいるタイプ。蛭子さんもそうで……まあ普通に生活を送っているかってえと微妙なところもあるんだけど、でも少なくともダークサイドを表にぶちまけてる人じゃないですね。これ、普段病院の皿洗いをしてて他人とは天気のことしか話さなかった、かのヘンリー・ダーガーもきっとこのタイプ。でも蛭子さんは多分ダークサイドを抱えているって自覚はあって、うまいこと飼い慣らしている感じ。ダーガーは多分自覚無いよね。我がキリスト教を脅かす悪魔だと思ってたから。あとオレもこっちのタイプ(アーティストではないが一応)。人柄と書いていることが全く結びつかないと言われたもんです。

それはそれとして、私としては大いなる期待をもって行ったが、結果的にはうーん、まずまずな作品が多い。一枚絵ももっと凶暴なのが炸裂するかと思ったが、まあ一応シュールでヘタウマの「いい感じ」が並んではいるけれど、でもちょっとかゆいところに手が届いてない感じがある。多分蛭子さんは描けないわけではないのだ。テレビでしか知らん人たちが来ても卒倒しないように、企画者共々「そこそこ」でまとめ上げたに違いない。とはいえそこは蛭子ワールド。一枚絵よりマンガの展示(パネルもある)がやっぱり面白い。誰かが書いてたが主人公は常に緊張していて汗をタラタラかいている。異様な世界に放り込まれ、その場を取り繕うとして、あるいは何とかやり過ごそうとして、冷や汗をかきつつ進むともっとドツボが待っている……そうそう、唯一描いた子供向け漫画ってのもあったが、それも結構怖い。で、さらに面白いのが、やっぱり置いてあって自由に読める漫画本なんだけど、2、3作読んだら気持ち悪くなってしまった。別に気持ちの悪い絵が描いてあるわけじゃない。世界観が異様で日常的感覚を無理矢理ねじ曲げられてる感じ? でも嫌いじゃないんだぞ。

18禁のコーナーもあるが、ここも「そこそこ」な感じのセレクト。いや、悪くないんだけどね。それからコリントゲーム式の占いがあって、やってみたら中吉だった。蛭子さんパネルと写真撮れるコーナーなど。あー、それから入る時名言おみくじをもらってて、曰く「空気を読んでそんなにいいことあります?」。なるほど、折しも展示内に、イヤイヤ金を貸した相手に、その金でおごられる、というマンガがあった。金を貸したくないが貸し、その金でおごられるなんて屈辱的でぶっ殺してやりたいのに、それを受け、あげくに「私は友達をなくしたことがない」と言ってるのだが、背景の落書きが血と暴力を暗示する。いじられキャラとしてヘラヘラしているが、実はその間にダークサイドの感情をタップリ溜め込んでいて、それを放出するナイスな作品。テレビで蛭子さんは空気を読んでいないと思っている人がいるけど、多分テレビ的においしいキャラはどんなもんかって空気をそれとなく読んでいる。あとダークエネルギーの蓄積も密かに行っているはずだ。

パルコじゃなくて中野ブロードウェイとかでやったら、また違ってたかな?
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=862

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2016年1月10日 (日)

DOMANI-明日展(国立新美術館)

文化庁芸術家在外研修の結果……というもんなんだけど、まあ今時の人達を見れるもんで、去年も来ましたねえ。また来たよ。そういや去年は金券屋で100円ゲットしたような気がするけど今回定価で入っちまったい。寄付だ寄付。少々混んでた……なんでかってぇえとギャラリートークやってて、作者が三人ばかり来てた。それぞれ自分の部屋の中でトークするんだけど。オレはほとんど聞いてなかった。

富岡直子 水面やオーロラのイメージの絵画。うん、普通にキレイだ。
木島孝文 デカいの一つ。質感がよいです。あとその下絵。
線幸子 綿で表現した作品。繊細で有機的な無数の線ができあがるのだ。おお、こういう手があったかと驚く。
ALIMO 映像作品。白い紙のヤツは音がないとキツいな。ヘッドホンで聴くのだが。
西ノ宮佳代 立体モザイク。猫がいいね。天然石を使っているので、なんか有機的な感じがするのが面白い。
野田睦美 染織造形。うーん、なんか布ものは苦手というか何見てもピンとこないのはなぜなんだ?

松岡圭介 彫刻。広告にもなっている。なかなかいい。「Tree Man」とか「Brain Man」とかちょっとキモチワルイところがいい。樹になっている人間のような、人間みたいな樹のような。とりあえずおしりがバッチリというのが嬉し恥ずかし。
佐伯洋江 シャーペンと色鉛筆とアクリルの作品。シャーペンの線は繊細でクッキリしてて、シロウトが描いたって絶対こうはならないバカテク。結構好きだなあこういうテキニックを見せつけられるの。
古川あいか ううむ、絵画なんだけど、布もので、いやなんか布っぽい。
田村友一郎 アン・ルイスの名曲「六本木心中」がテーマ。樹が6本立ってて、手にとっても着てもいいスカジャンが下がっている。スカジャンって刺繍の入ったジャンパーなんだけど。これいわゆるバサラの世界だよなあ。しかし作者の年齢からして六本木心中がリアルな世代じゃないと思うが。この歌のころはもちろん六本木ヒルズなんて無かったんだぞ(だからオレはよく知らないんだが)。
栗林隆 原発事故がテーマのインスタレーション。良くも悪くもリアル。現地の人の肉声と関連写真と床に並べたドラム缶。でも、もうちょっと表現にひねりが欲しい(……んだけど何か見落としたか?)。声をそのまま流しているんだもんなあ。こう見ると、この手のテーマでChim↑Pomはうまいことやっている。
風間サチコ 巨大仰天木版画。軍艦とかロボとかもあって楽しい……んだけど本人はこの先この国が暗い方に向かっていると見る。でも「不吉な興奮」なんて書いてあるもんで、先行き暗いことに妙なワクワク感を覚えている模様。それにしても「ぼんやり階級ハンコ」ほしいですねえ。ショップで売ってなかったよ。

なんとなくサクッと見てきました、という感じで。
http://domani-ten.com/

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2016年1月 3日 (日)

水 - 神秘のかたち(サントリー美術館)

あけましておめでとうございます。本年も……テキトウに書きます。
タイトルからして私は、水の表現がいろいろ、北斎の波とか、琳派のあの装飾的なのとか、そういう多様なヴィジュアルが並んでいるかと思ったら……なんちゅーか水の神様とか水関係の場所とかにまつわる美術作品を集めていた。
貴重な平安時代やら鎌倉時代やらの重要文化財とかもあって、ありがたーいものがいっぱいだ~……でも色が劣化していたりして、視覚的にエキサイティングできないものも結構あるんだなあ。

水の力、というコーナー。最初が「流水文様銅鐸」で弥生時代のなんだけど、表面の水の模様は幾何学的で見事です。これでこの先期待しちゃう。それから、「日月山水図屏風」は典型的な大和絵であって、えーと、あのう……水がうねうねとか、山がこんもりとか。水墨の山水と違って、まあなんちゅーかコクがあるけどキレがない、みたいな。だから両方のいいとこどりをした狩野派ってのは、やはりウケる理由があるわけよ。あとは、十一面観音が図も像も出ていて、そもそもはどこそこで……あー長谷寺か、海から流れてきた霊木いや神木かな、そんなんで彫ったのがご本尊で、その縮小コピーなんかが出ている。

水の神仏、というコーナー。ここで弁才天と宇賀神像というのが出てくる。宇賀神像ってのがね、顔は人間、胴体は蛇、というナイスな外見で、1月7日から本山寺の秘蔵のお宝が出るらしい……んだけど今日は見れなかった。この宇賀神は、弁才天の上にちょこんと乗っていることもある。うーん、あとなんかいろいろあったが覚えていないぞ。

水に祈りて、というコーナー。「石山寺縁起絵巻」というのが色鮮やかとメモってあるということは色鮮やかなんだなあ(覚えてないのかよ)。そうそう水といえばね、龍神ですよよね。その関係で龍ものが出ていますよ。国宝の、国宝の! 「善女龍王像」平安時代! …………よく見えねえ。これ見て「キャーしゅごーい!」って人いるんだろうか。まあ貴重さというものをリアルに心で感じられる人ってのもいるんだろうなあ……えーそれから「水神像」というね、厨子の中に龍神の像があるのが妖しくていいですな。ちょと小さいけど。「龍頭」という、龍の頭のところの像がありましてな。向かい合わせで2つ。この造形が……あーそうそう先日ちょうど「パシフィック・リム」って映画をレンタルして見てて、巨大ロボットもののアメリカン映画なんだけど、相手が「カイジュウ」て名の怪獣なんだな。大暴れしててな、あれ思い出すな。というかその源流である日本のゴジラがそもそも龍神の影響を受けてるよね。あれ海からやって来てるし。それにしても「パシフィック・リム」を見る限り、今、確かまた日本でゴジラをリメイクしてるんでしょ。大丈夫かね。アメリカンのあのクオリティは並じゃないぞ。金もかかっているし。日本製のが安っぽくならなきゃいいが。監督がエヴァンゲリオンの人だったはずだが、そうそう「パシフィック・リム」も影響受けてるっぽいよなあ。シンクロして力が発揮できるとか。あと、主人公の一人である娘が何か綾波レイみたいな感じでしょ。あの……まあいいや展覧会の話に戻ろう……ったってそんなにもう書くことが無くって。先も描いたけど古くて色褪せてるのが多いのね。なんかヴィジュアルがズガッと入ってこないので、正月のボケーとした頭で鑑賞するのはなかなか難しい。

水の理想郷ってコーナー。最初の仏説法図がガンダーラ製でいかにもガンダーラ(いかにも、がどういうことなのかは自分で調べてくれぃ。すぐ分かる)。竜宮のモデルになったのが中国の蓬莱山だとかなんとかで、その関係のモンが出ている。「彦火々出見尊絵巻」の一部が出ていて、これは海中の竜王に会いに行くとか何とかで。あーなんかもう終盤ですな。結局水の美術的表現って感じじゃないんだな。着物の「滝梅楓模様小袖」が江戸時代のものなんだけど、モダンな印象がよい。うーん、こういうのをたくさん見たかったんだがなあ。
最後は水の聖地、のコーナーで、屏風が2つ。

水にまつわる美術作品を集め、日本人にとって水とはなんぞや、ということを鑑賞しつつ勉強できるぞ。勉強してないけど。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_6/?fromid=topmv

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