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2016年1月25日 (月)

ボッティチェリ展(東京都美術館)

あんまし期待していなかった。えええどーせ点数少ないんでしょ。でも昨年Bunkamuraに結構来てたしなあ。

冒頭にいきなり「ラーマ家の東方三博士の礼拝」という大きめテンペラ。ふふん、悪くないね。それからしばらくメディチ家のなんとかかんとかで大したものがない。あー聖杯があったな。あと、油彩でアントニオ・デル・ボッライオーロって人の「竜と戦う大天使ミカエル」……なんかハキのない顔だなあ。ミカエルらしくないぞ。仏像の憤怒相でも見習ってほしいな。絵画に比べると彫刻はまだ進んでいて、同じ作者の「ヘラクレスとアンタイオス」がなかなか力強くて良い。

ボッティチェリの師である、パラッパ・ラッパじゃなかったフィリッポ・リッピのコーナー。「聖母子」とか、おなじみキリスト教テーマ。「ピエタ」とか見ると、なんかプリミティブですな。なんちゅーか、素朴派みたいな、そう緻密でもない感じ。もう一つ「聖母子」があって、こっちのは赤ちゃんの胴体を布でグルグル巻きにしてある。これは虐待じゃなくて、赤ちゃんがおとなしくしているんで、ヨーロッパの方じゃこうしているらしい。えーそれから、ボッティチェリが一つあったな「バラ園の聖母」ほう、顔が母親してますね。やっぱリッピよりうまいよな。またリッピに戻って「玉座の聖母子と二天使、聖ユリアヌス、聖フランチェスコ」うーん、なんかさあ……サエない顔だなあ。こういうツラが流行だったのか?

上の階にあがって、ここがいよいよボッティチェリ城本丸。「書斎の聖アウグティヌス」これがね、なかなかよいね。顔がたくましい、ボッティチェリの特徴は線がはっきりしていて輪郭がシャープなところだね。シャキッとした緊張感がありますな。あと工房作がいくつか。「聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエル、大天使ガブリエル」これは、前も見たな……工房作ながらなかなかいい感じ。対して「パリスの審判」これはいかにもヌルい工房作。それにこの画題は神話の美女選定の場面なので、普通、裸なんだよね(裸を描きたいヤツ集合)。でもこの工房作、妙に着込んでいる。いかにもボッティチェリ衣装なんだけど、こうも着込んでいると何だかなあ。つまんねえなあ。それから目玉の「聖母子(書物の聖母)」。そんなに大きな絵ではない。でもなかなかの上物。顔が癒し系でよい。こりゃウケる(笑えるという意味ではない)。そうかボッティチェリって、ルネサンスの技法云々より、まず顔がイイのね。顔が命だ。他にも「胸に手を当てた若い男の肖像」なんてのも、あまり目立たないながら、表情がなかなかよい。肖像といえば「美しきシモネッタの肖像」。うーん、美しいかっていうとちょっとキツいかな。隣にも「女性(美しきシモネッタ)」というのがあるが、だいぶ感じが違うぞ。同じモデルなんだよな。それから「磔刑のキリスト」っていう、絵を切り抜いたケッタイなものがある。絵は普通にうまいが。それから「アベレスの誹謗」は人いっぱい、動き生き生き。工房作の大きめのがさらに二つあり、ボリューム的にもなかなか満足できる。

さらに上の階、ボッティチェリの弟子にしてライバルになったパラッパーノ・ラッパじゃなかったフィリッピーノ・リッピ。フィリッポ・リッピの息子だって。ボッティチェリが男性的表現だったのに対し、甘美だったとかなんとかの評判だったそうで、最初の「聖母子、洗礼者とヨハネ達」なんか見ると、シャープな輪郭じゃないんだけど、ま、これはこれでありかなと。悪くないね。「幼児キリストを礼拝する聖母」これはこれでイイかなと。でもボッティチェリに比べると、ちょと印象薄いかなっと。それにしてもなんか同じようなキリスト教的画題ばかりなんで飽きてきたぞ。

先日行ったダ・ヴィンチ展と比べると、やっぱこっちの方がイイものが多いな。混まないうちに行くべきだ。
http://botticelli.jp/

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