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2016年2月22日 (月)

ピカソ展(日本橋高島屋)

デパート開催、短期間、金券屋で爆安と三拍子そろっているのであまり期待してなかったが、まあまあよかった。

絵画は最初の方と最後、中間に陶器とピカソの写真、ってな構成。概ね年代順で、最初の方にある絵画「グラスとカップ」というのは手堅いキュビズム。「手を組んだアルルカン」が線描が冴えている感じ。「毛皮の襟のオルガの肖像(原版)」というのがあり、これ版画の原版だね。なぜか今回こうした原版がチラホラ。版画がないと金属に線が入っているだけで全体が黒いもんで、結構見にくい。それにしてもピカソは結婚して子供ができても即愛人作って結婚相手と別れたりして、それも人生において一回二回じゃないもんで、ゲス極川谷もビックリの私生活。芸術家として実力がありゃあ、ゲス人生でもみんな喜んで作品鑑賞しに来るでげす。版画原版「闘牛」これは例の荒々しい感じで版画作品もあり。戦争中だかに描いた「ノートル=ダムの眺望 - シテ島」はほとんどベルナール・ビュッフェが描いたかのような線と色合い……うむ、ビュッフェほど線に緊張感はないかな。それからブロンズの「花の咲くジョウロ」これはなかなか怪物みたいでいいね。

ヴァロリスってところに行って、1960年代までに陶器を4000点ほど作りまくったそうです。そのいくつかが出ている。まあ絵の具でチャチャッと描いて焼くだけみたいな、お手軽作品に見えるんだが、そこはピカソだから、いい感じに鑑賞物になっている。「座る女の楕円皿」や「女の肖像の楕円皿」なんてのは品もいいし、売り物にしてもいいんじゃん。「闘牛の情景の楕円皿」は色合いが冴えた作品。

ここで写真コーナーの部屋がある。「被写体ピカソ」として、マン・レイとかがピカソを撮った写真が並んでいるが、どれもなかなかナイスガイですな。

またピカソの焼き物に戻って、「鶴」なんぞはちょっとロボみたい。「頬杖をついている女の水差し」はピカソ絵画をそのまま立体にしたような、いいセンスがある。それからまた皿が並んで、人生の後半の絵画へ。最後の方「銃士とアモール」や「接吻」など大きいサイズの絵でありながらこれ描いたの88歳とかスゲエ。絵の中の銃士が自分であって、モデルの女に熱烈接吻。老いてなお衰えず燃えているのは我が国の北斎と似ている。しかもピカソはリビドー満載。「帽子をかぶった男の胸像」は自画像じゃないんだけどやっぱり自画像の一種だろうなあ。なんとなくレンブラントの自画像を彷彿とさせる微妙な内面表現が目を引きます。これでなんと89歳。こうして見ると、ピカソも晩年、自分探しみたいなことをしてたんじゃないかなと思えてくる。

しかしデパート企画の宿命で、招待券をバラ撒いたのか(要はとりあえず客集めてあとはついでに買い物してくれという意図)、期間が短いからか結構混んでいる。
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/picasso/

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