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2016年3月13日 (日)

勝川春章と肉筆美人画(出光美術館)

しかし今や勝川春章で客を呼べる時代になったもんです。遙か以前MOA美術館展を見た時に、春章の美人画の高いクオリティに驚き、恐らく同じような印象を他の企画でも受けた人が多いのかもしれないが、結構客が入っている。
それにしても場内が暗い上にガラス面から展示品まで1メートル近くあり、視力がそれなりに無いと細かいところが見えない(と書いている以上私は見えません)。なもんで、単眼鏡は必須(とはいうものの、単眼鏡は部分的に見えるだけなんで、全体の印象にはちと苦しいんだが)。

さて、最初にいきなり完成形の「美人鑑賞図」。これ美人群像図なんだけど、元絵が栄之であることがこのたび分かったそうです。あと、春章が肉筆美人画をやり始めたのは、晩年になる頃らしい(それまでは役者絵とか錦絵で有名だったの)。この企画は春章ばっかりかと思ったらそうでもなく、春章に至るところと、同時代の絵師などで構成。

で、最初のコーナーで春章以前の美人画など。全体的にスタンダードで師宣とかあるが、やっぱし宮川長春だな。「読書美人図」の寝ている姿とかはなかなか。あと作者は分からないが、「邸内遊楽図屏風」というデカいのがある。

次はいよいよ春章につながる美人画。最初にあるのが西川祐信かなと思ったら西川祐信だった。上方の影響も受けてたみたい。あと、月岡雪鼎など。で、いよいよ春章登場。最初に描いたらしい美人画「遊女と禿図」は磯田湖龍斎風だそうで、うん、確かに要するに鈴木春信っぽいあの感じ。で、「立姿美人図」これが初期なんだけど、思いっきり「コレジャナイ」感満載のデブ、いやふくよかな感じの美人画。そうか最初のうちは春章もこんなの描いてたのか。でも次からはたちまち調子づいて、うーん、でも顔がまだちょっとなってない感じで。春章の、あの、なんとなく甘めの美人顔がやっぱりイイからね。あの印象は鏑木清方に受け継がれていく感じがするんだなあ。流派は違うみたいなんだけどね。あと「桜下美人図」では後ろ姿などもあり。

それから同時代もので。湖龍斎と春章が同じ「石橋図」で並んでる。湖龍斎は少し前の時代なんだが同じテーマってことで、どっちもそれぞれの美人の特長が出ています。あと窪俊満とか出ている。「芸妓と嫖客図」男女のいい感じでイイネさすが春章と思ったらこれ豊春ですか。はあはあ。酒井抱一もいる。春章は「遊女と達磨図」美人とむさ苦しい男(!)を一体化させコントラストの強い傑作じゃん。

で、円熟期。ここはさすがに春章がずらっ。象に乗っている「見立江口の君図」が面白い。「婦人風俗十二か月 正月」の立ち美人は完璧だ。すらっと美しいぞ。いや、こういうのが見たかったんだな。「婦人風俗十二か月 端午」の鐘キ図も面白いね。「雪月花図」は舞台が平安なんだが、どうも春章美人は平安にはあんまし合わないような。

最後はその後、栄之が3つほど。春章がやりたかったみやびな美人画、みたいに紹介されているが、しかし栄之の美人ってなーんか長身すぎるんだなあ。やっぱり春章の方が私は好きなんだが。あと歌麿とか、北斎の美人画もあります。

悪くはないが、もちっとガラス面に近い展示をしてほしいものだなあ……
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

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