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2016年5月31日 (火)

樹をめぐる物語(損保ジャパン日本興亜美術館)

「同じ○○を描いても、いろんな表現があるものだなあ」系の企画……あの、ほら水とか船とか馬とかね、やってるよね。でも今回のこれバルビゾンから二十世紀始めぐらいのフランスなもんで、多彩かというとあんましそうでもなくて、まあ、あの辺の時代の絵から樹を選んでみました、って感じよ。

最初はバルビゾン派系で、コローの煙るようなぼかしが、あたかも無数の枝みたいだよ、がなんとなくよくて、ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャって人の「フォンテーヌブローの樫の木」がクールベさんの絵みたいに暗い森で、バルビゾンおやじのテオドール・ルソーがいて……さすがに同じような絵でしかも知らん人のが延々と続いてるんで飽きてきて……おっとギュスターヴ・ドレじゃないか。「嵐の後、スコットランドの急流」ほう、油彩じゃないか。デカいじゃないか。雄大な渓谷でいいじゃないか、ってのが収穫か。

次は印象派系。モネがある。大きめなんでまあまあ。カミーユ・ピサロがあって、ピサロの長男のリュシアン・ピサロってヤツの絵があって、それは点描法で、まあまあで。三男のフェリックス・ピサロの絵があるが、この三男は絵は描いてたけど早死にしたそうです。でもなんか、あんまりうまくない。あと新印象主義の点描法の絵がいくつも。レオ・ゴーゾンとかシャルル=アンリ・ベルソンとかマクシミリアン・リュースとか、何かしらん人がみんな点々で描いておる。シャルル・アングランなんて人は大点々です。逆にシニャックがテンペラのおとなし目の絵を描いておる。シャルル・フレションの「森の秋、ケヴルヴィル=ラ=ミロン」ってのか赤っぽい色合いでなかなかよい。

ポスト印象主義と、二十世紀芸術だって。この辺から見ていて面白くなってくるね。絵が絵として絵ならではの主張をし始めるのだね。カリエールの「樹木の習作」は小さいながらなかなか面白い。おっ、というような樹の形だ。エミリオ・ボッジオって人の「開花」は花なんだけど、なんか汚い雪崩みたいで面白いぞ。ジャン=フランソワ・オービュルタン「海辺の松、ポルクロール」はナビ派風なんだけど日本美術の影響だそうで。でもナビ派ってのも日本好きだからなあ。フェリックス・ヴァロットン「オンフルールの眺め、朝」は樹が迫ってくる。というか木の幹にへばりつく緑(蔦か?)が妙な主張をしていて、印象に残りますな。なんつーかな、長いモミアゲのオッサンみたいに(?)。モーリス・ドニ……小さいな。ポール・セリュジエ「急流の側の幻影、または妖精たちのランデヴー」もナビ派っぽい……って、この人ナビ派作った人やーん。巨匠マティス「オリーヴの並木路」うん……やりたいことは分かる。クリスチャン・ロールフス「春の樹」はフォーヴ風だ。

あとは例のゴッホのひまわりか、グランマ・モーゼスとか。
http://www.sjnk-museum.org/program/current/3729.html

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