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2016年6月12日 (日)

もっと知ろうよ! 儒教(東洋文庫ミュージアム)

「儒教」ってよく聞くけど、どんなもんなんだ? あのう、なんか男尊女卑っぽいの? というような疑問にお答えする企画……と思っていると、意外とこの手の企画はそうでもない。そう、去年だったか同じ東洋文庫ミュージアムのイスラム教にのに行って、どう誕生して派閥がどうでどう広まっていったか、という情報とか、実際の文献(一応貴重なもん)は拝めるんだけど、じゃあイスラム教ってどんな内容なの? っていう情報はそんなに多くなかった。今回の儒教はそれ以上で、孔子の言葉がいくつかあって、あと儀礼を重んじるよとか、天が大事だとか、仏教とはこう違うんで批判してたよ、ってな情報はあるが、あとはその歴史的な発展やら世界への広まりやら、その情報と文献が並んでいるというわけ。私の期待していたのは儒教というものの内容そのものだったが、それはほとんどといっていいほどない。「素朴な疑問に答える」ってなっているけどさあ、最も素朴な疑問は内容がよく分からないことなんだけどなあ。

この「期待外れ」はどうして起きるのだろうか? それはですね、そもそもミュージアムってのがそういうもんだからなんだな、と気づくべきであった。諸君、以前科博で「チョコレート展」やってたけど、そこでチョコレートを試食できるわけではなかったではないか。生産過程とか、歴史とか、どこの国でどうたらとか、そんなもんだったではないか。いや、でもさ、「チョコレート展」でチョコが食えないってのは、まあ分からんでもないと思わんか? 普通に食っているし。でも儒教って身近じゃないじゃん(何点か身近なものがあるという説明はあった。葬式で遺影に焼香するとか)。「儒教展」で儒教の内容が分からないという点に不満なのは、チョコレートと違って、その内容そのものというものがパネル展示や絵やらで説明もできそうな「情報」だからではないか。そして、展示はそうあってもいいと思うではないか。でもまあミュージアムとしては多分、内容なんぞ孔子の本でも読めばいいでしょう。それより貴重な文献を知ったり知られざる背景を勉強しましょう、というのが立ち位置なんだよ。内容の本は一応売ってるし。

そんなわけで、そうね、興味を持った事項は先に書いた「天」の話。天からの使命を授かる「天命」、そして天命により人々を統率する「天子」、人々の行いは天に影響され、また行いが天にも影響する「天人相関」。人々の考えが場に影響を与える「シェルドレイクの仮設」に似ているような似ていないようなまあ多分だいぶ違うような。あと、八卦ってあるけど、あの陽爻(-)と陰爻(--)ってのがあれ2進数000~111なんだな。

ところで、ポスターやパネルになぜかガチャピンとムックがいる。フジテレビKIDSが支援しているのね。フジテレビといやぁ、だいぶ前に(今もか?)韓流押しで叩かれていたが、こういうのを見ると、やっぱし儒教の本場と浅からぬ関係にあるのかな、と思ったりするわけです。
ところで私は正月に湯島聖堂に行った折、孔子の鉛筆買ってるのさ。「温故新知」と書いてあって、美術館でのメモに活躍しているんだじぇ。
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/exhibition.php

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