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2016年8月 7日 (日)

ダダ100周年 ギャラリー・ヴォルテール~スペクトラム・ダダ・ナイト(スパイラル)

先日、六本木スーパーデラックスの「キャバレー・ヴォルテール」のイベントを一回見て、それはそれでまあ面白かったんだが、これのどこがダダなのかと疑問符がいくつも付いて気分的にはイマイチだった。さて今回は……ぜひ「ダダ100年」をエンジョイさせていただきたい。

スパイラルでやってるダダ企画、「ギャラリー・ヴォルテール」は、詩とパフォーマンスの集団「TOLTA」による展示。ポジティブな文章を書いた箱が山のように積んであって、自由に手に取って組み合わせることができる。これはあとのステージで使った。あとはダダの店みたいなのがあって、ダダに関する書籍とか、面白いのはウルトラ面の怪獣「ダダ」をモチーフにした作品(売り物か)があったりする。たまたま思いついた名前なのか、あるいはある程度「ダダイズム」を意識したのか分からんけど、結構オシャレ作品になっている……というかこれこそ「ダダであってダダでないゆえにダダである」みたいなもんか。

そんで、メインが夜8時過ぎからの「スペクトラム・ダダ・ナイト」。TOLTAによる言葉と音楽のパフォーマンスです。私も言葉のパフォーマンスをすることがあるもので、その方面の知人に出くわしたりした。内容は1部と2部に分かれていて、全部で7つの演目となっていた。で、これらがなかなかいい感じにダダだった。当時のダダのアーティスト紹介と、その手法などに関連するパフォーマンスの指示でそれぞれが始まる。

最初はいかにも普通のダダ(?)らしい、意味のなさそうな言葉の朗読。三人がかり。あと一人ピアノ。

次は三人が自分の詩作品を25枚に分裂して、その場で再構成して朗読……なんだけど、分割再構成のスリルがあるかというと、別に読み手まで入れ替えてるわけでもないし、同じ作者の詩というものは、どの行取っても割と同じなもんで、まあ、そんなにスリリングではない。そうそう、音楽の人も楽譜を分割してやってたね。これはピアノだけでなく、なんかいろいろな楽器を使ってて面白かったな。

反対の形容詞がプロジェクターに表示されるので、それを同時に含むものを言う。例えば「美しい」「醜い」だったら……えーとなんつってたっけな。まあ大喜利みたいな感じで。

4人の雑談で進んでいく。リオオリンピックなどの話をしているが、途中別の人がセリフを書いたメモを渡す。それで、そのセリフは必ず言わなければならないし、また雑談の中に出てきたものとして極力円滑に雑談を進めなければならない。組み入れるためのムリヤリ感がエキサイティング。詩作品ではないが、今回の全演目の中ではこれが一番面白かった。これは私のパフォーマンスにも使えそうだしそのうちやろうそうしよう。

1部の最後は各人30秒だけダダイストになる、というので持参の皿割ったりティッシュを散らかしたり。カニエ・ナハ氏が持参した中原中也賞のブロンズ像に紅茶かけたり、30秒ながらいろいろできるものだな、という感心。ただ、残念ながら散らかしぶっ壊しはオフザケであってダダではないぞ。じゃあ何がと言われても困るが。

休憩を挟んで2部。「ダダでない、ダダでなくない宣言」というもの。展示にもある文章の箱をランダムに手に取りつつ読む読む読む。歩き回るのでなかなかせわしない。内容がポジティブなもんで、何となく普通に聞ける、心地よい文章になっている感じもする。音楽で言えばさ……ほら癒しの音階ってあるじゃん。それだけ使っていればランダムに鳴らしていても、心地よく聞こえるってもの。それに近い印象がある。まああと、ランダムな組み合わせでちょっと面白文になっているところもある。過激な面白さではないが、品良く面白い。ゆえにダダでない、しかしダダでなくもないから宣言通りではある。

最後はダダについての詩の朗読と、ピアノ伴奏。詩は橘上氏で、そういえば先日キャバレー・ヴォルテールでも読んでた人だな。あの時は携帯を見ながらで印象もイマイチだったんだけど、今回の企画では存在感もあって光っている。伴奏者はサティを弾いているが、腕になんか電子マッサージ器みたいなものが付けられ、コントローラーを傍らの人が持っている。どうもそのコントロール次第で演奏に影響が出る……らしいんだけど、見た限りではあまり効果を発揮してないっぽい(というか知らないとそういう曲なのかと思うだけである)。

以上だったが、ん、まあ、いい感じでダダな夜だった。
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1956.html

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