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2016年9月11日 (日)

クエイ兄弟 - ファントム・ミュージアム -(神奈川県立近代美術館 葉山)

初めて行く場所だお。だって遠いんだもん。でも、あのブラザーズ・クエイの個展とあっちゃあ行かないわけにもいかんでしょう。衝撃のアニメーション作品「ストリート・オブ・クロコダイル」は見た人なら忘れない。電車で逗子まで行って、そこからバスなんだけど、混んでるねえ。まあ美術館じゃなくて、葉山マリーナで降りるヨット持ちのナイスミドルが多いようだが。それにしても渋滞パネエよ。約18分のところ、行きは30分近く、帰りは30分以上かかったぞ。

展示は最初の部屋から映像作品のダイジェストが大スクリーンで見れる嬉しい内容。1ヶ所4作品ぐらいのが4ヶ所はある。液晶でももう2ヶ所ありますな。初期のアニメーションはある程度見てはいたが、長編(アニメーションじゃないが)「ベンヤメンタ学院」よりあと、最近のは見ておらんかったもんで、ふーんこんなの作ってたんだー、と思う次第である。遠近法の解説(例の人形どもを使っている)やら、なんとか興の医学コレクション紹介(古い出産用の機器らしいが映像の雰囲気からして拷問道具みたいに見えるよな。だいたい妊婦の人体模型みたいの使っていてハナハダキモい)なんていう変わり種(あんま変わってねえが)もある。アニメではアリスもの(短い)や、カフカの「変身」も作ってたんだな。また、バレエダンサーを使った実写の作品もある。それから意外なところでCM映像もやってる。あの不気味怪奇趣味のクエイでCMかよ。と思ったら「バドワ」という炭酸飲料(?)のヤツで、明るい画面で動物とか出てくるんだぜ。へー。でも、そこはクエイだから、なんとなーく不気味さがにじみ出てるような気が。

映像だけじゃないお。というか、目玉はどっちかというと、「デコール」と呼ばれる。アニメーションの舞台となった立体造形。そおっ、あのっ、「ストリート・オブ・クロコダイル」の店の中とか。撮影で使ったものらしくマジそのままで感涙ものだぜっ。古さと風格を感じさせるように適度に汚して作られている。ううむ、このこだわりは有名な「コーネルの箱」レベルと言っていいのではなかろうか。このデコールはいくつもあるんで、どれも見て楽しめるお。あと人形であるところの「パペット ウサギ」と「アニマトロニクス・パペット 女の子」というのが出ていて、女の子は首がないよキモいよ……っていうか本来は動く人形か? アリスもんのアニメーションに出てきたヤツかな。

あと自分で描いたスケッチやドローイング作品。特に1970年代の鉛筆で描いたヤツがキレキレにキてて嬉しい・だいたいタイトルが「喜びの電気拷問」とかだもんなあ。「裕福な愛人たち」はベクシンスキーレベルの不気味さ。「死体の学校」はベーコンレベル……いや、これに関しては背景の凝りっぷりでベーコンを越えてね? 「無題(ベンチの上の分割された肉体)」は普通にキモい。チラシにあった「ラボネキュイエール城」は……これ、なぜか印刷のほうがコントラストがあっていいな。ライティングの問題か?

ミュージックビデオ、CM、舞台美術も手がけているが、その紹介はたくさんの写真パネルが並んでいるだけで、一応情報としての展示価値はあるし、写真から雰囲気もまあ分かるんだけど……やっぱしもちっと「デコール」っぽい手造り作品展示がほしかったなぁ。

しかし行く価値はある。日によっては映画やってるみたいだお。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2016/quaybrothers/index.html

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