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2016年11月 6日 (日)

ピエール・アレシンスキー展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

ベルギーで現役のアーティストだお。ほとんど抽象というか、アート魂で描いてる。いやー先日の禅展でイロイロ頭抱えちゃったんで、頭使わないもんがいいかなと。

若い頃は前衛芸術グループの「コブラ」(コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字だって)に所属。人物を象徴的というか抽象マンガというか、そんな感じで描いた「職業」シリーズを作ったりしたそうで、それが出てます。この職業はこんな感じ、というのを、あれだよほら、アルチンボルドみたいにやってる。面白い。それからリトグラフいろいろ。「太陽」なんてミロ風だよな。でもミロとも違うんだな。あと「夜」という作品。暗い中に浮かび上がるは無数の……漢字? 漢字だよなこれ。はい、アレシンスキー、日本の前衛書道に興味持ったりする。「墨美」って雑誌があったんだって。それで来日までして墨美の人と交流持ったりしちゃう。そんで墨を使った作品多数。書に影響されてだな、床に紙を敷いて体全体で描くんだお。「誕生する緑」とか、うねる、流れる、こりゃ流体だっ……そんなの。あとオレンジの皮になぜかこだわり。確かにむいた皮はシュールレアリスティックだお。そういえば、ミロも書に興味持ってなかったっけか。なにげに前衛書道の世界ってスゴいのか?

早く乾いて塗り重ねもできるアクリル絵の具を使うようになった。より衝動そのままに描きたいんだって。とはいえ抽象でも「覆い尽くす動き」というのが、きれいにパースがかかっているので、メッタメタ描きばかりやってるわけぢゃないんだな。それから今度はマンガ風にコマ割りをしたものが出てくる。中央の大きな絵に対し、下にコマを並べて、説明的というか説明になっていないんだけど、そういう雰囲気を出して意味ありげにしてる感じ? 「広げた新聞」なんてのは遠目でなんか新聞のマンガページっぽいけど、近くで見ると何とも抽象だったりする。「無制限の責任」は碧い空間がなかなかだ。「至る所から」は今回のポスターにもなっている。中央に意味ありげな絵、周囲コマ割り。あと、この部屋にアレシンスキー作の書の紹介ビデオがあるお。「魔法にかけられた火山」は遠目でよし、寄ってなるほど。木に見えるが火山かこれ。秩序対無秩序のエッジを行く。

「ヴォワラン印刷機」シリーズはなんかスッキリしているね。大作「ボキャブラリーⅠ-Ⅷ」はウルトラマリンブルーのタイル風。陶器の模様みたいですな。抽象というわけではなく、ちょっとした絵の集積。「イースト川」とかになると、円形のモチーフが出てくる。なんかこれが面白い。不定形の抽象の中にある円は目立つ。象徴的。そういえばさ、岡本太郎もなぜか抽象イメージの中に唐突に「目」を描いたりしたわけですよ。あれと似てんじゃね? 円のモチーフを入れるのでは「のぞき穴」というシリーズも面白い。Ⅱ、Ⅲ、Ⅳでそれぞれ青赤緑のイメージになっている。円を入れるだけじゃなく、キャンバスそのものを円形にしたものある。

予想通りというか期待通りというか、考えるな、感じるんだという世界が炸裂してるぞ。無心に行け。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_alechinsky/

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