« オルセーのナビ派展(三菱一号館美術館) | トップページ | 画と機(オペラシティアートギャラリー) »

2017年2月 9日 (木)

ティツィアーノとヴェネツィア派展(東京都美術館)

えーいわゆるルネッサンスが、素描を基調として形態をガッツリ描いたのに対し、ヴェネツィア派はいきなりステーキじゃなかったいきなり色彩を用いて描写したんだお。その巨匠がティツィアーノだ。

会場に入るとまずヴェネツィアの鳥瞰の版画。ま、これはイントロで、次がなんとかの肖像で、それからルネサンス時代のヴェネツィアの聖母子像がダダダダダダダダダっと続く。時代的にまだ技法もそこそこなんで、肌が死んでる、表情が硬い、赤ちゃんの体格(および顔)がヘン、と三拍子そろっているヤツが多い。ティツィアーノの師匠であるベッリーニにしても子供の体格がアウトだったりする。そんなこんなで、このコーナーはキバって凝視するほどのもんじゃないよなあ(研究者じゃなければ)。この階の終わりの方にティツィアーノの1枚目が出てくる。「復活のキリスト」うーんさすが、肌が生きてるし、表情もまろやか~(?)……ってことはみんな分かるであろう。

上の階に行くとティツィアーノの時代ということで、ポスターにもなってて目玉である「フローラ」がある。ポスターなんぞで見た限りでは、なんかこう、もっと甘ったるい印象かと思っていたが、結構これが「仕事きっちり」みたいな感じだったね。美人画だからもてはやされている感じで、描き方も手堅いと思います。しかしですな、ワタシとしては、その手前にあるパルマ・イル・ヴェッキオのデブ萌え美人「ユディト」をプッシュした~い! 「フローラ」が手堅く万人受け美人なら、「ユディト」はマニア受けで、より画家のコダワリを感じられる美人だお。死んだ首持ってるのもいい演出ぢゃないか。まー時代的にはフローラから10年経ってるんで、その間にこういうのも描いていいんだぜ、みたいになったのかもしれん。それからいわゆるヴェネツィア派の絵がいろいろだが、ティツィアーノを基準にすると、まーどれもホドホドという感じですかな。肖像画コーナーもあって、最初のセバスティアーノ・デル・ビオンボの「男の肖像」を遠目で見ると、おっ、レンブラントか? なんて思ってしまうほどレンブラント風。あとの肖像はボチボチ。それから神話テーマの裸婦が二つぐらいあるが、裸婦もがんばってるよ的な感じ。そんで次にティツィアーノの傑作「ダナエ」がある。ヴェネツィア派の見本のような柔らかタッチがイケる。うん「フローラ」より、こういう裸婦テーマの方が向いてんじゃな~い。隣に巨匠ティントレットの「レダと白鳥」があるが、うーん、こっちはイマイチだな。ティントレットってこんなんだったっけ?

それから版画コーナー。これはなんか、ぼけーと流して見ていた。「節制」って、あータロットだな、とか。「マルス」ってこれ女神に見えるが、もしや今時のなんでも萌えキャラ化と同じことを当時もやってたんかとか。

それからティントレットとヴェロネーゼ時代とか。本人作と工房作が入り乱れるが、やっぱこれ結構、差がある……よな。ティツィアーノもまだあって「教皇パウルス3世の肖像」いい顔の爺さんじゃないか。「マグダラのマリア」って……これしょっちゅう見るヤツじゃん、と思ったら何枚も描いてるっぽい。ティントレットは「ディアナとエンディミオン」なかなかだー(とメモってあるがよく覚えていない)。ヴェロネーゼもまず工房作が並ぶが、あー? なんだー? あー? という感じで印象はイマイチ、でも最後に本人の「聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ」があって、やっぱ本人作はうまいなあ……というのがネームバリュー抜きでも分かる感じだお。赤ちゃんがナチュラルでいいですな。

そういえばパルミジャニーノってヤツいなかったっけ? いや待てそれパスタ料理の名前じゃない? と思ってあとで調べたら、パルミジャニーノって画家おった。マニエリスムだって。食い物ではパルミジャーノってのがあって、でもそれはパスタじゃなくてチーズの名前だった。あれ、じゃあ一昨年あたりに西美で見たこの手合いのヤツいたよな、と思ったらグエルチーノでした。ちなみバロックだった。なんかイタリアンの名前はよく分からんな。
http://titian2017.jp/

|

« オルセーのナビ派展(三菱一号館美術館) | トップページ | 画と機(オペラシティアートギャラリー) »