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2017年3月21日 (火)

シャセリオー展(国立西洋美術館)

日曜日、朝10時頃なんだけど、上野駅を降りると大勢の、主に家族連れが向かっているんだよ。どこに? 動物園に。なんでも今日は開演記念日で入園無料だってお。でも普通の土日でも混んでいるのに、今日は中どーなっちゃうんだ? ってなことを考えつつシャセリオーよ……って誰? 誰だか知らんで行くんかい。はい、西美の企画だからさ、マチガイナイだろうってんでな。

知らないからイントロビデオを見る。少年の頃に実力を認められアングルに弟子入りし、若くして壁画を描き、アングルよりもドラクロワの影響を受け、エキゾチックな雰囲気にも手を出し、若くして亡くなり、その後モローやシャヴァンヌに影響を与えたんだって。ふーむ、どうも知名度がないのは、若くして死んだのと、代表作が壁画で、それも焼失しちゃったからのようですな。

最初に16歳の自画像。おーさすがアングルの弟子。リアルだ(という形容は範囲が広すぎるが)。要はアングルっぽい。でもまだこれ本領じゃなくて、次の「放蕩息子の帰還」これで17歳だってお。この放蕩息子が自画像に見えるのは気のせいかい。「オリーヴ山で祈る天使」天使というより若い娘なんで、あーなんだ青春の萌え絵かな。「アクタイオンに驚くディアナ」ギリシャ神話はある程度知っているからありがてえ。キリスト教絵画だとよく分からん。月の女神で怖いディアナは裸で後ろ向き。で、最初は油彩が連続したが、間もなく素描大会に。うううむ、アート通なら画家の実力がダイレクトに分かる素描も楽しく鑑賞するが、オレはどうもね、ミュシャみたいに絶妙な素描はともかく、普通の素描はよく分からぬよ。シャセリオーもそういう意味じゃ普通というか、これうまいのか? ラフな下描きだよな。おっと「アポロンとダフネ」だ。神のくせにストーカーなアポロンに恐怖して木に変えてくれと祈ったダフネ。月桂樹の冠は勝利の証……ってそれでいいのかアポロン。それはともかくこれ油彩もある。モローが同じ構成で絵を描いてるぞ。「サッフォー」の絵もある。これは男にふられて身投げしたところだそうだ。サッフォーって同性愛者だったはずだが、最後には男に惚れてしまったようだ。「ヘロとレアンドロス(詩人とセイレーン)」ええと……モローの印象に近い、とメモってある。どんな絵だったかな。そうモローの絵ってのも、なんかこれこれこういうもんですと表現しづらいよ特にその雰囲気とかさ。おっとドラクロワの版画がずらずらっとある。シャセリオーの版画もずらずらっとある。どっちも西美が持っているお。

それから「気絶したマゼッパを見つけるコサックの娘」。これが、なんか今回一番よかった。コサック娘のエキゾチックな衣装が、単なる西洋画と違う雰囲気で迫るじぇ。あと、これもモローの雰囲気と似ていて、なんかモローの原型みたいな、ロマン派とモローのつなぎみたいな面白い印象があるぞ。おっと少し先に大作が見える。「泉のほとりで眠るニンフ」裸女がドカーン! デカいし気合い入っているし、これポスターでも良さそうだけどさ、上げた腕んとこ見ると脇毛生えてんだよね。いや別に脇毛ボーボーじゃないし、別に生えてちゃいかんわけじゃないけど、なんとなく生えてないものだと思っちゃっているもので、見ると「え?」とか思ってしまう。脇毛は同時代じゃ普通だったらしい。あと十頭身ぐらいかなこれは。隣に女のリアルを描いたってことで、クールベさんの絵「眠れる裸婦」がある。これも西美が持っているヤツ。

次は肖像とか。ここでポスターにもなっている「カバリュス嬢の肖像」がある。うむ、肖像であるが美しいな。少し歯を見せて微笑しているところがまたよい。手堅く品よくまとめた感じ。これはまあシャセリオーの王道じゃないと思うが、上品で美しいところは万人向け。おーよかったなーこういう絵があって。ポスターにしてみんなにアピールできるお。それから「東方の光」というコーナーで、エキゾチック中心ながら、素描や版画が多い。油彩「コンスタンティーヌのユダヤ人女性」うむ派手だ。「コンスタンティーヌのユダヤ人街の情景」これもモロー風(とメモってあるがどんな絵だったかな)。

最後に建築というか建物壁画のコーナー。焼失したのはパリの会計検査院の建物(オルセーの前身)にあったもの。一部だけ残ってたらしい。映像でどこが残っているが紹介されていたが、失われたのが大きすぎる。あとモローの絵とシャヴァンヌの絵と。サン・メリ聖堂の絵に、フリーダ・カーロみたいないでたちの女がいるが、気のせいかな、なんかフリーダのそんな写真か何かを見たような気がするんだが。あとはモローやシャヴァンヌの絵があったりして終わり。

うーん、なんか、こういう画家がいました、という感じだな。モローやシャヴァンヌが好きなら、その画風の源泉を見る感じがして面白いかもしれない。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017chasseriau.html

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