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2017年4月 9日 (日)

雪村(東京藝術大学大学美術館)

「奇想の誕生」がサブタイトルで、後の簫白とか、デロリ系とか、そんなところにつながって、また尾形光琳にも影響を与えた絵師が雪村だ。時代は室町だってお。あと雪舟より後。行ったら金曜夜のエルミタージュよりは混んでて、保存の関係か会場内が暗いし、ガラス越しで距離もあるんで、単眼鏡とかあった方がいい。それも光を集めて見た目より明るくなる高性能なヤツ(というのあるのかな)。オレの単眼鏡はほとんど変わらんのであかんかった。

入ると最初が「欠伸布袋・紅梅梅図」で、三幅対ですな。文字通り中央がアクビしている布袋。説明に光琳と絵の関係も描いてあったが、左のヤツの枝の跳ねっぷりが実によくて現代的な印象も受ける。ええと、堂本印象の印象画みたいな感じかな。

それから年代順で、最初は普通に仏画とか描いてる。説明がなかなか丁寧で絵の見どころがちゃんと書いてあって、時々見どころポイントの拡大画像があったりするんで分かりやすい。最初は概ね普通なんだけど「瀟相八景図帖」の滝がぴゅーあたりから普通でない感じになってくる。ちなみに……リスト見ると展示替え結構あるな。ええ
それから「高士観瀑図」で滝壺の水の表現でニョロニョロみたいなヤツがポイントだって。ええと「百馬図帖」が面白い。シンプルにして太い線で描かれた馬。あーこれね、若冲の鶏にこんなのがあったかな。若冲にも影響与えたって話もあるようだ。「老松山水図」も松の枝跳ね跳ねな。「列子御風図」は風に乗る能力を得た仙人だかの絵。立ったまま宙に浮いて風に吹かれておる。この絵を見るといやが上にもボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」が頭の中に鳴り響く……というのは嘘で(その曲よく知らん)、でもまあ水墨でこうダイナミックな絵ってあまりないですよねえ。面白いですねえ。

ポスターにもなってる目玉の(っても前期4/23まで。後期はまた別のヤツが出るようだ)「呂洞賓図」首を上に曲げて龍と対峙してるの。壷(瓶のようだが)から煙と小龍出してるんだけど、どうしてこういうスタイルにしたか分からんそうです。でもインパクトあるよ。顔が濃いし舌出してるしダイナミーック。次も「呂洞賓図」で、こっちも顔が濃い。壷から立ちのぼる煙ともなんともつかないなんかがなんかだな。ええと「釈迦羅漢像」三幅対。左の器の水がどうたらとか解説にあるが、右の壷から光線が面白い。「五百羅漢図」の羅漢ビーム思い出しちゃうな。そうだよ羅漢たるものやっぱビーム発射だよな(なんだそりゃ)。「松鷹図」うん、普通にうまい。「寒山図」うん、寒山というかこりゃチョハッカイだな。あとはデカい屏風がいくつかあるが、結構抽象画燃えよドラゴンモード(考えるな。感じるんだ)で見た方がいい感じのが多い(※文章がふざけている時はだいたい金捨ててるレベルにちゃんと見てない)。ちなみにここまでほとんど水墨画だお。つまりモノクロだ。この先も。

階を変わって地下に降り……身近なものコーナー。野菜とか鳥とか生き物。うーんそうだな。「猫小禽図」のブタトラネコが面白いな。そんくらいかな。それから晩年の絵で「金山寺図屏風」は、山の中の寺を描くが、別に見て描いたわけじゃないそうで、それゆえ非現実っぽい面白さが出ているような気がするお。建物の目立つ横線がいいテイストで、シュールな印象もちょっとある。「蝦蟇鉄拐図」は人物画傑作。顔はアレだし口からぴゅーってアレが出ているのが面白い(アレアレ書いているが説明がめんどくさいの)。それから光琳のコーナーがあるお。雪村をリスペクトしてたって。「布袋図」が出ているが、琳派っぽくなくて(そもそも琳派に布袋って感じでもないが)、顔がまたアレなんだな(だからアレってなんだよ)。

それから雪村その後。狩野洞秀が「呂洞賓図」を模写してたり、狩野芳崖が「山水図」を模写してたり、奇想というより、普通に水墨画のお手本にもなっていたようだ。
しかし作品リストを見ると一つ一つ全国からかき集めている。この労力は凄いな。
http://sesson2017.jp/

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