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2017年5月16日 (火)

19世紀パリ時間旅行(練馬区立美術館)

タイトルだけ見て、あー例によって当時のパリの芸術家の作品が並んでいるのかなーと思いきや、はい、なんと主役はパリそのものというハードボイルドな企画。パリマニア(というのがいるかどうか分からんが)狂喜の、情報タプーリの、まともに見てりゃ長時間エンジョイできるナイスな企画だ。

最初はシャヴァンヌの壁画習作「聖ジュヌヴィエールの幼少期」で美術館らしい幕開けだが(聖ジュヌヴィエールはパリの守護聖女だって)、その後はもう当時の版画がドバッと並ぶ。当時の施設とか。当時の地図もあり、それぞれに詳しい解説文が付いて、えれえ密度だ。オレは早くも最初の部屋の半分くらいでオーバーフローしてしまい、なんか文章も読まずに漫然と見ているだけになってしまった。おなじみのノートルダム寺院とかね、ありますね、あとバスティーユとかね、シテ島とかね、ポン・ヌフ橋とかね、ふむふむね。「ドラグリーヴ神父の第9パリ地図」というのがなかなか面白い。立体的で。今だとグーグルアースで街を見るとこんな感じか。「花火」は花火の様子の版画だけど……これは広重の浮世絵の方がいいな。施設だけでなく郵便馬車もあったね。

当時の風刺画(版画)も並んでおる。有名どころのドーミエがいろいろ。他の人もあるが、しかし見ていると昔も今もあるいは国が違っても変わんねーなーというところも多い。大学に行ったのに勉強しないで遊んでばっかりの学生とか、金持ち男にぶらさがっている女とか……えー今でいわゆる港区女子ですかね。えーそれから当時のドレスが並んでいるな。昔の映画に出てきそうな腰を絞ったクリノリンってやつですな。

それから「オスマン男爵のパリ大改造」というコーナーなんだけど、また版画(エッチング)どっちゃり。今度は何とか通りという、通りを描いた版画いろいろ。あとドーミエ描く風刺画もありますな。鉄道旅行を安全にするには、一人一丁ピストル持っていること、「悲劇を演じる最中のオーケーストラ」これ面白いね。演奏家達が退屈してあくびまでしておる。マネの絵「オランピア」がセンセーションを起こした時の風刺画もある。そのマネの版画もいくつかあって、これになるとなんとなく、いつも美術館で見ている感じになるな。

それからパリ万博関係の版画、エッフェル塔の双六が面白い。あと夜のエッフェル塔のライトアップの写真がある。1900年。おお、当時でこんなのがあったんだー。あの高さだしな、こりゃパリが世界の最先端と思っちゃうよなあ。この辺からチラホラ絵画も出てきて、ギヨーマンのデカい絵。ルノワールの小品「森の散歩道」風景メインながらなかなかいい。アンリ・ルソー「エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望」……うむ、素朴派だな。あとはポスターね、おなじみミュシャも有名な「ジスモンダ」があるが、他の人も忘れずに。パルって人の「ロイ・フラー・ショー」これ、なんか女がひらひらした布を振り回すダンスだっけか。ロートレックの有名な「ディヴァン・ジャポネ」ポスター。どれも大きさ十分よ。最後の方にはユトリロの油彩4枚と、佐伯祐三1枚でシメる。

ガッチリ鑑賞すれば、ホネのズイから19世紀パリ気分になれるであろう。点数ぎっちり見応えありあり歯ごたえ十分。諸君の完走を祈る……俺は脱落組。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201702111486797027

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