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2017年6月26日 (月)

レオナルド×ミケランジェロ展(三菱一号館美術館)

どーせ素描ばっかしだしーとあまり期待していなかったしー、始まってそんなに経ってないしー、あんまり混んでないんじゃないかと思ってたら入場制限というか、入口で並んでた日曜朝。あーやっぱダ・ヴィンチ君、まあダ・ヴィンチの素描はね、いいのはいいですよね(当たり前だが)。

最初にいきなりポスターになっている二つが出てしまう、ミケランジェロ「《レダと白鳥》の頭部のための習作」、ダ・ヴィンチ「少女の頭部/《岩窟の聖母》の天使のための習作」。ミケは普通にリアルにうまい……が別に傑出しているかというとよく分からん。ダ・ヴィンチも似たようなもんだろうと思ったが、こっちはちょっと面白い。何が? 表情だ。微笑とも微笑でないともつかない微妙な表情はモナリザと同じ。なんでもこれ「世界一の素描」と言われているそうなんだが、まあこの微笑っぽいのが独特ではあるな。あとミケの肖像が出ているがもちろん他人作で言うなればサブカルチャーだよなあ。ダ・ヴィンチの肖像もあってな「ファクシミリ版」だって。要するに機械でスキャンした高解像度複製。見た目にゃ本物と変わんねーからいーだろ、って感じでダ・ヴィンチ展ではしばしばお目にかかる。

顔貌表現のコーナーでダ・ヴィンチの「顔と目の比率の研究」おお、こういう研究ものの素描は研究してます感が伝わってきて面白いね。ダ・ヴィンチは「ダ・ヴィンチと弟子」作も多い。あとミケも習作いくつか出てたが覚えておらぬ。

絵画と彫刻:パラゴーネ(比較論争)のコーナー。ダ・ヴィンチは絵画は立体を平面に表現するので、彫刻より優れていると思っていたらしいが、ミケはそれに対し、いやいやまあまあおいおいとか思っていたらしい。各人の言葉が展示されてます。そうそう解説も多い……んだけど、前も書いたが解説ってヤツは見ても何がいいのかシロートには分かりづらい作品を見て、あーつまんなかったとか言われるのがイヤなので一生懸命書いているんじゃねえかと思うのよ。逆に言うと、解説が多くて気合い入っている展覧会って、そういう作品が多いってことなのだ。さて、油彩でダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」……なんだけど時々見るヤツで、もちろんパチモン(一応同時代なんだけど山ほどある。ちなみにここでいうパチモンは赤の他人だけじゃなくてオリジナル以外弟子作工房作も全部含むのだ。キビシイのだ)で、あーなんかどーでもいーや。それよりミケの「河神」がなんかスゲエ。神ったって人体だけど、首と手足の先がない。要するに体だけのヤツなんだが、表現したくないものを削除して見せたい人体だけを見せるってなんか迫ってきますな。いわゆる「神ってる」ってヤツ? ミケの素描「背を向けた男性裸体像」も体だけでなかなかだ。

人体表現のコーナーで、ミケの素描「イサクの犠牲」……よく分からん。ダ・ヴィンチ「《アンギアーリの戦い》のための裸体人物とその他人物習作」これも筋肉の研究もので、好感度高い。しばらく行くとミケの習作が連発するが、だんだんラフになってきて「動く群衆の習作」なんてもうどーでもいーレベル(しかもミケ?とかハテナマークついてるし)。こんな適当な線シロートじゃ分かんねーよ。玄人というのは素描の描線一本から画家の技量を感じ取り「おお、さすがミケランジェロ」とか言える審美眼際だつレベルの人で、「なんかズガっとクる絵はないのかよ」とか言ってるオレはもちろんシロートなのさ。それからジョルジュ・ギージ描くミケのパチモンの印刷……まあ「最後の審判」だしね、丁寧に描いて印刷されているけどね。なんでそんな高い位置にも展示してあるんだよオレは近眼なんだぞ。

撮影コーナーを経て下の階へ行き、「馬と建築」コーナー。ダ・ヴィンチの馬の一部の習作……はシロートお断りもの。建築もあってミケの「ピア門のための習作」これがなかなか良さげな素描で解説にもあるんだけど、なんと、モノは来ているが展示されてない。そいつの裏に描いてあるどうでもいい馬の方が展示されておる。本来展示するはずだった門の絵はパネル。ダメじゃん! なんで? 直前になって却下を食らったのか? 売店に絵はがきもマグネットもあるから急遽そうなったらしいが痛恨ですな。

レダと白鳥のコーナー……ってマジですか? このアブノーマルなテーマをやるすか。解説を読むと「身を寄せ合うレダと白鳥」とか書いてあってオホホホホ、モノは言いようですなオホホホホホ、ゼウスをなんだと思っとるオホホホホ、いつだってほぼムリヤリなんだぞオホホホホ。それはさておき、ミケの習作一つと、あとパチモンの油彩があります。まあ、ダ・ヴィンチに基づく、という方はまあまあよくできてるけど、ミケのはちょっと……イケてない。元の絵がそうなのか、パチモンだからそうなのか分からないけどね、オリジナルはもう失われたみたいだし。

手稿と手紙のコーナー。ファクシミリ版連発。どうせ複製なんだから仰々しいガラスケースに入れないでもっと近くで見せてくれよと思うが……待てよ、もしかして近くで見られちゃドットとかみえちゃって困るのか? と思ったりする。ダ・ヴィンチの「大鎌を装備した戦車の二つの案」はなかなか。ファクシミリ版じゃないからありがたみも違うわな。

最後は肖像のコーナー。素描いくつか。で最後を飾るのは、ダ・ヴィンチ作と思われていたレオナルド派の「貴婦人の肖像」……まあ、ダ・ヴィンチにしちゃあちょっと堅いよなってのがシロートでも分かるが。

日本でやるダ・ヴィンチとミケランジェロなら、まあこんなもんでしょう。できることはやっている。そういえば7月11日からミケの大型彫刻が展示されるってお。それより前に入った人には、それだけ見れる券くれるぞ。
http://mimt.jp/lemi/

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