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2017年11月 4日 (土)

「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」(東京都美術館)

祝日金曜日に行く。「怖い絵展」にはもう行ってしまったので、余裕こいて行ったら、ここも並んでいて入るのに10分ぐらい待たされた。西美も並んでいたし、上野動物園も並んでいたし、休日はメタメタですな。
結構豊富にゴッホの絵がある。が、嗚呼去年の「ゴッホとゴーギャン」からなんだが、ゴッホ作品保存のため照明が抑え気味なんだな。油彩だから大丈夫じゃねーかとか思うが、とにかく会場内全体に薄暗い。まして今回浮世絵も数々出ているしな。だから、もはやゴッホは「色鮮やかな原色の絵画」ではないんです! 逆に、割と普通の色に見える絵が増えた。

ゴッホは日本の浮世絵が好きで、日本を画家のユートピアだと思っていたそうだ(もちろん実際は違う)。展示で最初は「画家としての自画像」それから北斎と広重の浮世絵があって、ゴッホの「種まく人」これは浮世絵風なんだが、うん、あんましうまく描けていない。渓斎英泉の美人画(っても幕末のキツいやつな)を模写した「花魁」一応目玉。がんばって模写してるし、他の絵も混ぜてレイアウト。それからええと……出品リストと順番が違ったんだよな。出品リスト順に行くとだね、次に注目したのが「エゾギク、サルビアを生けた花瓶」これはなんか珍しく背景が黒っぽい静物。あと「三冊の小説」という楕円の板に描いてある絵があったが、この板というのが日本のなんたら工商会とか書いてある。どういういきさつかは分からん(イヤホンガイドにはあるのかもしれんな)。ゴッホじゃないジャポニズムものもあって、マネの「白菊の図」は扇絵のイメージでなかなかいい。あとベルナールのクロワゾニズム(ステンドグラス風)のやつとか。

あと浮世絵がいろいろあるんだけど、なんか見たものばかりなもんで、いちいち記録も面倒なんでほとんで見てません。要するに太田記念美術館にでも行きゃあよく出くわす奴らね。ゴッホいろいろに注目。「アイリスの咲くアルル風景」は広大な感じがいい~んだけど、照明がもうチクショウメイって感じで。もう少し明るいイメージの絵だよなあこれ。「麦畑」なんかもそうですね。「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」は水のグラデーションが冴えてる。

階を上がると……なんだったっけな。肖像画か。うん、浮世絵の大首絵とか、そんなのが並んでいて、おお写楽があるじゃん、貴重な。なにニトリが所有? なんであそこが。お値段以上か。ゴッホの描いた肖像2つ。「アルルの女(ジヌー夫人)」と「男の肖像」いずれも浮世絵の大首絵っぽいですな。まあ、そういう関連で展示されてるんだけど。それから日本を舞台にした小説にインスパイアされて描いた「ムスメの肖像」のペン画。これは油彩バージョンもあるらしい。「夾竹桃と本のある静物」「オレンジ、レモン、青い手袋のある静物」は手堅い静物。「寝室」はよく見るヤツ。「渓谷(レ・ペイルレ)」は今回全部の中で一番「日本」を感じちゃったなmなぜか。例の「奇想」系の絵画に近い印象というか。

それからゴッホの死後に日本人達がゴッホ巡礼でアルルとか行ったってコーナー。芳名録にいろいろ名前書いてあるって。資料が多いのであまり見てない。絵としては佐伯祐三の「オーヴェールの教会」がたいへん結構なものであった。どこかで見たかな。

階を上がって、晩年にバカスカ描いたものが並ぶ。先も書いたがゴッホはこれまで、特に晩年の油彩は鮮やかな、ちょっとクレイジーな原色って印象だったが、今回のようにやや落とした照明で見ると、意外と元の色に忠実に描いてたんじゃないかって気がしてきた。「河岸の木々」は水彩風だし、他のも、晩年の太めな荒い筆遣いでありながら、原色ではない実景風な印象だ。最後の3つ「下草とキヅタのある木の幹」「草むらの中の幹」「ポプラの中の二人」なんてのも、もはや原色世界ではない(と、タイトルを書きつつ記憶と連動していないので、どんな絵だったかな、とか思っているんだが)。あの原色のゴッホは今いずこ……

帰り際に怖い絵展の列を見たら210分という驚異の事態。あの若冲展に迫る勢いになってきたな……
http://gogh-japan.jp/

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