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2018年1月13日 (土)

ルドルフ2世の驚異の世界展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

ルドルフ2世は24歳で神聖ローマ帝国の皇帝になったが、政治やら宗教問題やら外交問題が嫌で、首都がウィーンだったところプラハに移転させて、そこで道楽三昧だった……というイントロビデオがあるから予備知識もゲットできる。これを見りゃ楽しめる。意地の悪い言い方をすると、これがないと展示品そのものは概ね2軍じゃねーかって感じなんだお。

最初は「ルドルフ2世とプラハ」コーナー。いきなり外人を描いた「秦西王侯騎馬図」屏風があって驚くんだけど複製。「秦西」って「神聖」のことかな。あとはなんたら何世の肖像とか説明。いや、今回説明は豊富ですよ。

「拡大される世界」コーナー……えーと何があったかな。ファルケンボルフって人の「アレクサンドロス大王との……(長いので略)」は何となくいい感じの空間が、ええと、あれだ、幻想風景、でもないか、まあよかったよ。バベルの塔の絵が2つあった。1つは作者不詳で雰囲気はそこそこなんだけどなんとなくパースがおかしい。いかにブリューゲルがうまいか分かっちゃうな。もう1枚は小さかったがこっちの方がいい……いや、これブリューゲルの丸パクリじゃないかっ? それから作者分からないんだけど「サビニの女の略奪」って絵があって、昔から女をムリヤリ奪う男の世界の絵は多いでございますな。もちろん服も奪ってるお。サーフェリーって人の「村の略奪」って絵もブリューゲル風。それから天文学コーナーがあってケプラーの本とか、ガリレオの望遠鏡とか……まあ複製が多いけどな。ルドルフ2世は天文学者もウェルカムだったんだぜ。

「収集される世界」のコーナーで。フーフナーヘルの細密な昆虫の絵。毛虫もおる。なかなかうまい。追随者の作品も出ているが、やっぱりちょっとレベルダウンするな。油彩の花などあってサーフェリーの動物画がずらっと並ぶ。動物それぞれを描いた版画やら。油彩では1つの絵に動物イパーイだ。鳥ばかりの絵もある。しかし諸君、お楽しみはだね「動物に音楽を奏でるオルフェウス」と「動物を魅了するオルフェウス」だお。竪琴を奏でて動物を魅了したオルフェウスだが、ここの絵は動物がメイン。動物ばっかし。オルフェウスがおらん……のではなく実はいる。いるんだよ。君も探してみよう。サーフェリーの「オルフェウスを探せ」だ。

「変容する世界」のコーナー。ここでいよいよアルチンボっちゃうぞ。最初にアルチン追随者はパクリ風。おっとキルヒャーの「ノアの箱舟」という箱船の全構造を描いた妙な絵がある。キルヒャーはルドルフ2世と接点はなかったそうだが、趣味は似ているそうな。作者不詳のアルチンボルド風の絵があり(なんとなくイマイチ)、その後、目玉のアルチンボルド「ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ2世像」これポスターでは、なんじゃこりゃみたいないつものアルチンボルドの絵なんだけど、実物はなかなかいいぞ。果物や野菜などを組み合わせて顔にしておるんだが単眼鏡で拡大して見ているとさすがオリジナル。構成物一つ一つが生き生きしているんだな。ヤン・ブリューゲル(子)「大地の水の寓意」うん、魚と美女な。ポンテという人の「9月」これ風俗画でそらに星座の天秤が浮いている……って、これどこかで見たぞ。他の星座のも。何の企画だったっけ。

それで、次の部屋に行くとまた絵画がいろいろ。ハンス・フォン・アーヘン「ルクレティアの自殺」これはなんだ、胸を出している必要があるんだかないんだかエロ目的か。ステーフェンス2世の「聖アントニウスの誘惑」裸女やモンスターで聖人を誘惑のおなじみテーマなんだけど、ボッスのとか知っちゃうとこいつはちょっとパワーが不足だ。スプランガーの「オリュンポスと芸術を導く名声」象徴画風だがコピーか。ラーフェステイン「ルドルフ2世の治世の寓意」あー、これはいいですね。平和的でね、裸女でね、キャッキャウフフでね……ルドルフ2世って生涯独身だったそうで、なんだかなあ。こういう、今でいう萌えちゃう男子? となりのアーヘンのパリスの審判もその手合いで。おいルドルフ。最後はパルミジャニーノ……のコピーの天使君の「神話画」。

あーここで終わりじゃなくて。最後に「驚異の部屋」。というコレクションルームの紹介で。ビデオで予習後、ミニミニ驚異の部屋展示。オウム貝の器とか、からくり時計とか、錠が重そうでメカニックだ。あと自然物とか、望遠鏡、天球儀など。
まだあった、現代美術家のフィリップ・ハースの立体アルチンボルドで少しキモいクロージング。

展示物一つ一つよりも、解説を読みつつ総合的な世界を楽しむ感じでいけるであろう。がんばってるぞ。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/

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