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2018年2月24日 (土)

至上の印象派展(国立新美術館)

ビュールレ・コレクションだそうです。ビュールレさんって人の。ま、そんこたぁどうでもいいとして、ルノワールの美少女画の筆頭であり代表作であり、まだ絵なんぞ見てなかったオレでも知ってたイレーヌ嬢の絵が来るわけですよ。広告にも「美少女(センター)」とか書いてる。AKBかよ。金積んでも握手できねえじゃん。で、前に大阪に来たんだけど、さすがに東京からわざわざ行くほどのアート信者じゃないけん、見送ったけど見たかった。ついに東京に来る~♪ 混むだろうから早めのプレミアムフライデー(死語)に行ってきた。イレーヌ嬢だけの一点豪華かと思ったらなかなかどうして、中の上クラスで手堅く厳選してきて、習作や版画で水増しもなしというなかなか好印象。

最初は肖像画だお。フランス・ハルス「男の肖像」の顔のテカり具合がよい(ってそれが絵の評価かよ)。ルノワール「アルフレッド・シスレーの肖像」これがイイ顔でくっきり描かれている。そう、ルノワールの絵ってぶわぶわっとした印象があるがこういうくっきりも余裕で描けるんよ。アングル「イボリット=フランソワ・ドゥヴィレの肖像」は例によって写真っぽい。ファンタン・ラトゥール「パレットを持つ自画像」は強い光で照らされる感じよし。クールベさんの「彫刻家ルブッフの肖像」はどうってことないが、この、どうってことない具合が逆にリアルでいいよな。クールベさんリアル好きだし。

ヨーロッパの都市。カナール(カナレット)の風景画はながめよし。モネのウォータールー橋はおなじみすぎる。ここでアンリ・マティス「雪のサン=ミシェル橋、パリ」色彩に凝ったフォーヴ系でおなじみのマティスだが、ここでは思いっきり印象派。珍しい。しかもうまい。そうか、もうマティスは印象派など手中に収めちゃったんだなあ。シニャック「ジュデッカ運河、ヴェネツィア、朝」はおなじみの荒っぽい点描。うむ、定番だがオレは好みじゃない。

19世紀のフランス絵画だお。ドラクロワが2点。「モロッコのスルタン」はまあまあ。「アポロンの凱旋」これがなかなかイイ。何が描いてあるかよく分からないんだけど、何かが起きているという妖しい雰囲気よし。ドラクロワは有名だけど、そんなに日本に来ないんだよね。見ておけい。マネの「オリエンタル風の衣装をまとった若い女」シースルーじゃねーか。こんなもん着せて描きゃあがってスケベがっ。マネはピクニックの絵で女一人だけヌードにしちゃったりするヘンタイですけん。それからクールベさん「狩人の肖像」うむ、さすがだ。これも顔がリアル、というか単眼鏡で拡大すると結構肌も細かく描いてるんだな。リアルというか、狩人へのリスペクトが感じられるよね。

印象派の風景。ここは定番が揃う。ピサロはいかにもピサロで、シスレーはあいかわらず水辺風景で、モネのおなじみ細かい花いっぱいの花畑。モネの庭もなかなかだ。

印象派の人物。ここでいよいよイレーヌ嬢登場……の前にドガだお。うーん、なんか見たことのあるヤツばかり……だよな。彫刻「14歳の小さな踊り子」も見たよな。でもこれは何度見てもイイな。ロリコン御用達だよな(そうなのか?)。で、いよいよルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」第一印象は、なんだポスターと同じじゃん、というもんだったが、よく見ると、おや、胸元に真珠らしきものが光っている……よな。単眼鏡でも確認。しかもこれ、見る方向によって光が違うんだよ。ってことは本当にテカっているものが盛り上がっているのでは。そんなら演出としてなかなかやるじゃないか。あともう一つ。これはポスターじゃ気がつかなかったが、目が非常に細かく丁寧に描かれている。目力があるじゃないですか。ほれ、先のシスレーの肖像でもくっきり描いてる。ルノワールってそうなんだ。そう描けるんだ。衣装がふわっとしているので全体にふわふわした印象だが、実は顔はきっちり描いてある。特に目に注目せよ。胸元と目で魅力を出してくるルノワールの計算パネエな。あとルノワールは2点。一つはお好みのデブ裸女。一つはまあ普通。

セザンヌのコーナー。6点で一部屋だお。ここは「聖アントニウスの誘惑」を選びたい。定番テーマをセザンヌワールドで描く。ポスターの「赤いチョッキの少年」は……うーんオレには普通。それからゴッホのコーナー。こっちも6点。割とアベレージ高い。「古い塔」の存在感ありあり。「自画像」はなかなか。「日没を背に種まく人」はチラシで見てあまり期待してなかったが、ほんものはなかなかイイ。全体の質感、特に木の幹がシブくてよい。

20世紀のフランス絵画。ゴーギャン「肘掛け椅子の上のひまわり」これ、ゴッホとゴーギャンの展示で見たと思う。ピカソの「ギュースターヴ・コキオの肖像」ピカソらしくねえ。次の部屋はモダン・アート。ブラマンク「ル・ペック近くのセーヌ川のはしけ」は、フォーヴ過ぎ。ポストゴッホみたいな絵が好きなのだが。ドランもフォーヴ。ブラックはフォーヴもキュビズムもやる。ピカソの「イタリアの女」はいかにもピカソ。グラフィックだ。

最後はモネの「睡蓮の池」デカい絵でちょっと大味だが撮影可能なので、インスタ蝿がたかっている。もちろんシャッター音だらけ。今時のSNS集客のためしゃーないんだろうけどイヤだなあ。

とまあ終わりはそこそこながら、全体に悪くない、というかイレーヌ嬢だけ見るのはもったいないぞ。
http://www.buehrle2018.jp/

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