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2018年6月23日 (土)

ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館)

えーマッタク知らん人でありまして。1970年代のニューヨークで活躍し、35歳でお亡くなりという人だそうです。使わなくなった建物をブッタ切る豪快な作品(ビルディング・カット)が売り。
それより近代美術館のこの手(現代もの)の展示は期待してよいぞ。なんたって展示空間からして凝っていることが多いのです。今回もそうなのじゃ。大空間を生かした非日常空間をドカンとやってくる……あと映像が多いんでまともに全部観るにゃあちと時間が要る。
 
最初からいきなりビルディング・カット。「サーカス」と名付けられ、シカゴ現美の隣の集合住宅を壊すんで、そこに丸い模様のカットを何ヶ所も入れちゃう。面白い。面白いんだけど、写真を見ても、分かりやすくはない。いや、だんだん分かってきて「おー」とは一応なるんだけどね。しかし、今回はそんなこともあろうかと(?)。模型を用意しましたぜ。早稲田大学建築学科 小林恵吾研究室が作成。おお、これで、いかにカットしたかが分かっと。それから「ウィンドウ・ブロウ=アウト」というプロジェクト。建物の出窓に、窓ガラスを割った写真を貼り、それで公開前日になって本当に窓ガラスをぶっ壊して主催者のヒンシュクを買ったもの……と解説にあったと思うが違うかな……? 今回どうも解説文が難解なんだが気のせいか? やってることはそんなに難しくないはずなんだが。単に文章量が多くて頭がオーバーフローしたのか? まあとにかくこれは写真だけだす。
 
えーそれから木のドローイングいろいろ。「ツリーダンス」というイベントの映像。木の上で生活するはずが、なんか許可が出なくて一日になったとか。ん、なんか木の上でいろいろやってる。そういえば葉がなかったから見やすいよ。それから、空き家の一部を切断して持ってくるというようなヤツがある。
 
んでいよいよ、建物切り。まず「スプリッティング」という、家をまっぷたつにするヤツ。作業中の映像があるが……なんかアートじゃなくてもう力仕事ですなあ。大変ですな。写真もある。しかし、明らかにこれは「現場が面白い」ものだと思うんだよね。なんとなれば、あの、模型もあるんです。「スプリッティング:四つの角」という建物を四分割したヤツの模型……え? 模型じゃない? 本物の一部? ……えーそうなんだ。それから、ここは既に大空間で。「壁=紙」っていう作品群があって、古い建物の味のある壁を写真に撮り、新聞用の紙に印刷してアート作品になるぞってもん。これ本物を1枚もらえるぞ。
 
それから「グラフィティ」関係の作品群。鉄柵の囲いなんぞ使って凝った展示をしている。ストリートのグラフィティ(文字の落書き)をモノクロ写真で撮って、プリントして自分で色つけちゃう。それから映像作品いろいろ。一番デカいスクリーンが「フレッシュキル」というもんで、走ってきた車がそのまま別の車(ブルドーザー)によってスクラップにされるという観てると意外とショッキング。そういえば、外に「ごみの壁」というゴミを集積させた壁状の作品があるが、ゴミにしちゃちょっと小ぎれいだ(ゴミだけど)。これを見て、都市とかゴミとか使わなくなった建物を利用とか、我が国のアートグループChim↑Pomを思い出す。こういうところから影響受けているのかな。それから何があったかな。「パリの土の下」とかいう覗き穴から見る感じの映像なんだけど、ぜんぜん一部っきゃ見てないんだけど、土木資料映像みたいでな。あとは「日の終わり」これは分かりやすい。デカい倉庫の西側に穴をあけて、太陽の光を呼び込む。穴の形が酒井抱一の月みたいでな。で、穴をあけるところの映像があるが、光が射し込んでくる様がなかなか神秘的でイイ。あとここは倉庫風の鉄板壁で仕切られていて面白いぞ。それから時計台で髭剃ったりするパフォーマンス映像。「オフィス・バロック」というビルティングカット。これも模型がある。大規模だよなあ。
 
「フード」というレストランの映像や資料があるが、これはアーティスト達がやっていたレストランという、それ以上でも以下でもない感じがする。「アート活動」としてやっていたんだろうか。「アート」としての食事では、かの折元立身が行った「おばあさんたちのランチ」が思い浮かぶ。そういえば折元もこの時代の、フルクサスなんかに源流を持っているんだよね。実のところ「アート」として意味付けできれば、食事だろうが何だろうか「アート」になるのだ。最後に「円錐の交差」というパリのビルディングカット。これも映像があるが壁に穴あけて大変そうですなあ。これでおしまい。でも書いてないこともいろいろあるよ。
 
面白いものであるのは分かるが、何しろ解説や映像などの情報量も多い。余裕を持って、じっくり行くとよいでしょう。
www.momat.go.jp/am/exhibition/gmc/

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