« Roots of Kawaii 内藤ルネ展(松坂屋上野店) | トップページ | ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館) »

2018年6月16日 (土)

ルーヴル美術館展(国立新美術館)

肖像芸術で構成されとります。肖像ってやつは、それが誰か知らないとあまり楽しめなかったりして、それでもまあルーヴルだから、まあなんかそれなりのものが見れるであろうと、期待もそこそこに出向く。
半分ぐらいが彫刻で、古くはエジプトから。肖像の歴史を追うような形で展示されておる。

「マスク-肖像の起源」ってことでエジプトもの二つでスタート。一つは紀元前の木のマスクで、これはいかにもエジプトなんだけど、もう一つが2世紀後半のエジプト、テーベ出土の女性肖像画……って、なんか妙に写実的でうまいじゃないか。目に光の点々もあって、とてもそんな古いとは思えんな。

「記憶のための肖像」コーナー……なんたら文明の彫刻が多くてな、わしはあまり興味のないところじゃ。テーベ出土らしいとかいう、「第4アメン神官カミメン、妻メリトレと息子」こりゃいかにもエジプトって感じがいいですな。象形文字が味を出してますな……まあそんなところよ。エデッサあたりで出土とかいう「葬礼モザイクの3つの断片」は文字通りモザイクでの肖像。彫刻ばかりの中で風変わりで面白い。それから太陽光を反射させて顔だけ日焼けしたい人の像がある……ってのは嘘だが、「ボスコレアーレの至宝 エンブレマ型杯」は、そんな感じで、銀のデカい杯の中に頭が出ておる。お、絵画があるぞ。ダヴィッドの「マラーの死」ええええ、超有名なやつじゃん……って、なんか最近どこかで見たような気がするが。これ評判いいんで工房で同時代にレプリカを何枚も作っていて、やっぱしその1枚だってお。

「権力の顔」コーナー。はい権力者です。これも彫刻がずらずら。「トガをまとったティベリウス帝の彫像」うむ、なかなかデカいですな。よく持ってきましたな。でもあとにもっとデカいのがある。おっと肖像画、イアサント・リゴー「聖別式の正装のルイ14世」……うむ普通の絵画だ。フランチェスコ・マリア・スキアッフィーノによる代理石像「リシュリュー侯爵 ルイ・フランソワ・アルマン・デュ・プレシ」は……なかなか細かいですな。しかし名前がいちいち長えよ。山田さんとか鈴木さんとか、そういう短いのはないんかい。あーしかし知らんヤツばかりで退屈だ……というアナタに。いよいよ登場ナポレオン。みんな知ってる。やっぱこれだお。アントワーヌ=ジャン・グロ「アルコレ橋のボナパルド」おお肖像画だ。軍人にしちゃ迫力がもう少しほしいかな。グロが描いてもグロい絵ではない。それより隣のアンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾン「戴冠式の正装のナポレオンⅠ世の肖像」うむ、これの方が貫禄があってよい。皇帝らしい白マントだお。しかしそれより、クロード・ラメの大理石像「戴冠式の正装のナポレオンⅠ世」こいつは、さすがに彫刻にうといわしでも、おおおお、なんかすげえな、というシロモノ。デカいし、着物の布の質感ってんですかね、とても石に見えねえ。マントに昆虫がとまっているが何だろう(ミツバチらしい)。それから有名なアングルが描いた肖像「フランス王太子……(長いのでもうめんどくさい)」アングルらしいド写実。

「幕間劇Ⅰ 持ち運ばれ、拡散する肖像」ってことで、カメオとか宝飾みたいに小さいものを展示。暗い別室っぽい雰囲気で、なんちゅーか今回、展示室ごとに壁の色なんぞにも変化があって面白いですな。

それから、権威ある女性のコーナー。なんかベラスケスみたいな絵があるけど、うまくねえからフォロワーかと思ったらベラスケス工房だったでござる。案外元もこの程度だったりしてな。セーヴル王立磁器製作所が作った人気のマリー・アントワネット胸像あり。詩人とか文筆家、哲学者のコーナーで、イタリア出土の「詩人の彫像」がデカい。あといろいろいるが分からんな。「古代風の衣服をまとったジャン=ジャック・ルソー」あー、宗教改革やった人……いや、あれはルターだろ。哲学者のルソーね。40代までニートだったんだっけ?

「幕間劇Ⅱ」というコーナーではルイ18世の、嗅ぎタバコ入れの箱にはめ込む式の有名人の肖像コレクション。その日の気分に応じていろいろ変えられるんだぜ。

「コートとモード」のコーナー。まず男性肖像で、ボッティチェリの工房の「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」が工房作ながらいい感じで。えー、あとは……女性肖像。ここで目玉のヴェロネーゼ「《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》」さすが目玉で、いい感じの油彩肖像画ですな。品がいいですな。頬が赤いのがまたイイですな。レンブラント「ヴィーナスとキューピッド」これもなかなか。ヴィーナスのモデルが当時の内縁の妻だそうだ。そうか理想化されてない感じだもんな。それにしてもレンブラントの背景色って、黒じゃないんだよね、焦げ茶っぽいんだよ。確か他の絵もそうだったと思うぞ。ヴィジェ・ル・ブランの「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人」美人画家にして美人描きのヴィジェ・ル・ブラン。エカテリーナさんの肖像で無難に美人。なんと隣に、ヴィジェ・ル・ブランをモデルにした胸像があるんだけど美人すぎだろこれ。それから誰の絵か分からんが「老齢の家庭教師」厳しそうなババアだな……って、なんでこんな絵描こうとしたんだか、それに興味があるな。それから子供を描いた絵。ゴヤがね、描いてんだよ「第2代メングラーナ男爵、ルイス・マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネスの肖像」子供子供した子供だー。なんだかんだで宮廷画家なんだよね。ちゃんと仕事してるじゃん。ジャン=フランソワ・ガルヌレの「画家の息子アンブロワーズ・ルイ・ガルヌレ」女の子かと思った。しかしこの、今時っぽい雰囲気は何だろう。それから自画像なんだけど、ちょっと毛並みの変わったヤツ。フランツ・クサファー・メッサーシュミット「性格表現の頭像」なんか渋面というかすげえ顔だな。しかしそれよりジョセフ・デュクルー「嘲笑の表情をした自画像」これがナイスだ。こっちに指まで突きつけて、何かセリフを言わせたいですな。絵葉書があれば買いたかったが無かった。最後はアルチンボルド。「春」と「秋」再会だよな。これで終わりだ。

派手な目玉のある展示ではないが、悪くない。部屋をいろいろ巡っている感じが面白い。
http://www.ntv.co.jp/louvre2018/

|

« Roots of Kawaii 内藤ルネ展(松坂屋上野店) | トップページ | ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館) »