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2018年6月 9日 (土)

Roots of Kawaii 内藤ルネ展(松坂屋上野店)

チケットをいただいたので行かせていただきました。かなりの点数が出ているにもかかわらず、会期が一週間しかない。なじぇだ? ウソでしょ? いろいろ巡回していて、東京圏でも前にどこかでやったとかやらないとからしいんだけど、とにかくこれがこんな短期間で終わっちゃあもったいない内容だ。
内藤ルネといえば、かつて弥生美術館で展覧会があり、行きましたよ、はい。でも弥生って資料展示的性質が大きいのと、場所もそんなに大きくない。作品全体を見るのと、現代とのコラボをエンジョイできるという意味で、今回の方がいい感じになっている。
あと今回は、復刻原画が多い。原画があまり残っていないので、印刷物などをもとに最新技術で原画を復元したもの(だったよな)。
 
最初の方からルネ・ガールの復刻原画が鮮やかかつファッショナブルに展示される。本人の言葉もパネルにあるが……おや、おねえキャラかな、という言葉遣い(本人は男だよ)。これはあとで理由が分かる。「ジュニアそれいゆ」なんかで活躍したルネ・ガールなんだけど、この造形と洗練は驚異的なものだ。いやぁ、だって、顔全体の大きさから見て、目の位置が異様に下だし、目が異様にデカい。首もバカ長いのが多い。それでいて不自然でなくカワイイと感じさせるんだぞ。並の技ではない。それにしても、時代がかった歌謡曲っぽいBGMが会場内流れ続けてる。良くも悪くもこういうのがデパート系展覧会だよな。
 
あと、当時の少女雑誌では画期的とも言える。男の子を出してきたのもルネだそうだ。もちろん健康的にね。その紹介。
それから文化学園とのコラボで、イラストの服を再現したものと一緒に複製原画を展示。この中にはかつて弥生での展覧会のポスターであった「雨の日も」がある。この絵はひときわ洗練度が高いよなあ。他も「ジュニアそれいゆ」表紙の数々は見度。服の再現は……んーまあ普通かな(それっぽい人形が着てはいる)。
それから、ミサコ・ロックスという人(漫画家らしい)が、ルネ作品をもとに描いた作品いくつか。ルネ・ガールの再現みたいなのがあるが……うーん、やっぱちょっと違う感じがするな。「あれ」はルネしか描けないと思う。あと、ピーチ・アビエーションという飛行機会社が、自分ところの旅客機にルネ・ガールを使用。すげえ。本当にこんな飛行機飛んでるのか。
「私の部屋」という、雑誌かな、そこに使われた女性像のイラスト。これはルネ・ガールじゃなくて、普通なんだけど。うーん、ルネ・ガールの方が生き生きして見える。ルネ・パンダ(見れば分かる)のグッズ展示があり、食器類なんかがあり、ゴシック風イラストあり。
 
ここで、えっ? と思うような展示。なんとルネは男性同性愛者の雑誌「薔薇族」に多くのイラストを描いていたそうで。知る人ぞ知る! 自らも同性愛者。時代が進んで認知されてきたとはいえ、まだ人知れず悩んで苦しんでいる多くの人達のために描いた男性像のイラストは、何ともセクシーで優しい感じだ。私はヘテロなもんで、真価はちょっと分からないんだけど、本人コメントなんか見ると、そういう姿勢で描いている。ルネ・ガールを始め、ルネの描く女性像が可愛いとかきれいとか素敵とかであっても、セクシーと違うのは、そういう目で見ていないという点があったわけだ。解説のおねえキャラっぽいのも、それ……なんだけど、男性同性愛者イコールおねえキャラではないので間違いなきよう。
この「ルネ・ボーイズ」については「薔薇族」編集長であった伊藤文學氏のブログにいろいろと書かれている。中でも、ルネのノートところは感動もので、ルネ自身も非常に辛い状況にあって、その辛さを忘れさせてくれる存在としてセクシーに健康的にボーイズを描き続けた。もう一つの偉大なルネの姿がそこにある。
あと女性像いろいろだけど、雰囲気として金子國義に近い。あの人も同性愛者だったかな。
 
会場を出るとグッズの販売はもちろん、原画まで売っている。
会期が短いが、巡回しているらしいが、どこをどう巡回するのかよく分からぬ。
https://www.matsuzakaya.co.jp/museum/ueno/rune_2018/

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