« ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館) | トップページ | ミケランジェロと理想の身体(国立西洋美術館) »

2018年7月 1日 (日)

建築の日本展(森美術館)

規模がデカいだろうと思って行ったら案の定規模がデカい。デカい模型がバンバン出ているし、本物の茶室はあるし、ライゾマティクスのイケてるインスタレーションもあるんで、ほとんど日本建築博物館みたいなものである。

最初は「可能性としての木造」で、木造建築いろいろ。最初にミラノ万博2015日本館で出てたという「立体木格子」のデカい壁。木材を釘を使わず組んで壁にしているいきなり見ものだ。木と木を繋げる技術として「継手仕口」があるが、木とアクリルを使ったモデルがいいですな。おお日本の技術。「会津さざえ堂」というケッタイな螺旋の木造建築、普通に行きたい。この手ではおなじみ出雲大社。かつて高さが今の倍、48メートルだったという説もあり、そんなにあったら仰天だ。あと「ティンバライズ200」という木造高層建築の構想図と模型がある。これもできたらすげえ。

「超越する美学」のコーナー。見えないけれども何かある、というもので、まず「伊勢神宮」が紹介されているが、高名な割に見た目は地味だ。「佐川美術館」の方がなんとなく言わんとしているところが、分かるような気がする。今時の陰影礼賛かな。

「安らかなる屋根」コーナー。日本武道館の巨大にして日本的な屋根を紹介。武道館の模型。中年世代にはいやが上にも爆風スランプの名曲「大きなタマネギの下で」が耳によみがえるほどちゃんとタマネギが乗っている……いや、俺はあんまりあの曲好きじゃなかったが。「The Tsurai」みたいな方がいい。それはそれとして、おなじみ丹下健三の代々木の体育館もここにある。鶴岡の「荘銀タクト鶴岡」のナイスな模型と屋根。設計がSANAAだから見た目がイイぞ。

「建築としての工芸」ってことで、工芸風のもの、大阪万博での「東芝IHI館」の木組み組み合わせパビリオンってんですか、すごいですな。それから目玉の一つ、茶室「待庵」の原寸大模型。要するにコピー。中に入れるぞ(茶は飲めないが)。マジ入れる。楽しい。外を見ると、窓の向こうは遙か空中。こいつぁシュールだ。

「連なる空間」では休息スペースがあり、建築家の名作椅子なんぞに座れたりするが、それより継手仕口の実物があって、これがパズルみたいでおもしろい。手でいじくって繋げたり外したりできる(ちょっと重いが)。なるほどこうなっているのか。イイ技術ですなあ。それからライゾマティクスのレーザーファイバーとか映像を使ったデジタルでカッコいいインスタレーション。内容は建築と人間のスケールについて(だと思うが、まあどうでもいい感じ)。いろいろな建物の大きさがその場で再現される。クールだ。あとは丹下健三の自邸の模型……ったって1/3スケールだってお。デカすぎる。あとは名建築としておなじみ「香川県庁舎」の紹介。国立博物館の法隆寺館とか。

この辺でだんだん疲れてきて「開かれた折衷」うん、文明開化ぐらいの洋風っぽい和風っぽいケッッタイな建築であるところの「第一国立銀行」面白いですな。現存してないとはもったいない。ややケッタイな「祇園閣」の模型もある。

「集まって生きるかたち」という集合住宅ではないけれど、この先の時代にいかに集まって生きるか、という俺的には、ここが一番現代とつながっていると思った次第である。例のバブル時代のポストモダンのでさんざんもてはやされた「代官山ヒルサイドテラス」もここで紹介。それより単身世帯が増えたので、新しいシェアハウスのかたち「LT城西」に注目。個々人のフロアの高さを変えてプライベート感を出しつつも集合感も出す。よく狙っている。しかーし、単身の問題は高齢者の方が深刻だと思うんで、こうも段差階段が多いときついはずだ。ここも住んでいる人は若者達のようだ。高齢者のケースとしては、フラットな「52間の縁側」これはまだできてないのかな。今後こういうのが進んでくるはずだ。

「発見された日本」コーナー。やっぱしフランク・ロイド・ライトが手がけた「帝国ホテル」がいい。規模拡大の必要性と老朽化で取り壊し……というか玄関だけ明治村に移った。規模拡大はともかく、老朽化ってアナタ、なじぇヨーロッパみたいに何百年ももたんのじゃ。ダメじゃないか。

最後「共生する自然」ええと……何があったかな。あ、「名護市庁舎」ね。あと断崖絶壁のバカ建築「投入堂」調べたらマジすげえよここ。あー、あとトマムに行っておきながら見落とした痛恨の「水の教会」もここです。

そんなわけで日本の建築の特徴が分かり、タプーリ楽しめる大規模展示だ。今回イヤホンガイドはただではない(ので借りてない)が、イラストガイドが分かりやすいぞ。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/japaninarchitecture/index.html

|

« ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館) | トップページ | ミケランジェロと理想の身体(国立西洋美術館) »