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2018年8月11日 (土)

大Ah!!rt展(西武渋谷店)

思わず「アー!!ッ」っと叫んでしまうアート作品を集めたそうで、これがまたデパートの催事場で無料でやるのがちょっともったいないぐらい面白いのが集まっている。プロデューサーは放送作家の倉本美津留で、後援がフジテレビ……なもんで、テレビ企画っぽいノリがあるが、まあそこは誰でもウェルカムな雰囲気で、こういうところで現在アートにとっついてもイイじゃないか。
よく、この手合いだと、面白い「だけ」の場合も少なくないし、また「わけわかんない」というのも少なくないが、今回はテクニカルな(芸術的スゴ技を感じさせる)ものも結構あるし、意図が分かりやすいものも多い。もちろん撮影可能。インスタできるぜっ。

で、面白かったものをいくつか。江頭誠、ロココみたいな毛布だけで作った部屋セット。これ、とっても趣味が悪く見えるが、実は全部そこらにある毛布だったりするんだな。高石優真、おお、金属でできた動物骨格……ではなく骨にメッキしただけだが、この手があったのか。入江早耶、ポスターの鳥を消しゴムで消し、その消しかすで鳥の立体を作ってしまう驚異の技。これは思わず唸っちゃうぞ。こういう技を感じられるものは好きだなあ。小宮太郎、碁盤に並ぶ碁石でどれか一つだけ回っている……っていうのだが、とうとうどれか分からなかった。木村雪乃、丸いシールだけでネオンが灯る夜の街の絵を作る。これもなかなかの技あり。高田安規子・政子の切り子細工。なんと風呂の壁とかに使う吸盤に切り子細工を加えている。あれ確かに、上向けると器みたいだし、透明なもんで切り子入れるとキレイなんだなこれが。イイじゃないか。久村卓。シャツのワンポイントの絵に、さらに刺繍で周囲を追加。面白い。(euglena)タンポポの綿毛を加工するという、これも驚異の技。球形にしている作品がスゲエ。LEE KAN KYOのスーパーの広告そのままの絵画。なんちゅーかポップアートですな。

がしかし、私が最も驚いたのは太田祐司の作品……これについて、書こうかどうしようか……イタコに有名画家を憑依させて絵を描かせるというものです。あとは、何も知らずにいきなり見た方が面白いんだよなあ……なもんで、行く気のある人はこの先を読まずに行きなさい。(しばらく改行する)









憑依させた画家はジャクソン・ポロックです。地面にキャンバスを置き、絵の具を垂らしたりまき散らしたりして絵を作る人、イタコに憑依させて描いた絵の実物と、ビデオがある。ビデオじゃ実際イタコにジャクソン・ポロックを呼んでもらい、憑依したら本人確認含めていくつか質問。憑依ポロックが絵を描きたいと言うので、地面に置いたキャンバスに絵を描かせる。
できた絵の本物を見ると……え? ちょっと待てよ。どう見たってこれジャクソン・ポロックじゃないか! 色使いも全体のバランスもとても素人のものではない。ビデオ内でもちゃんと、イタコのおばちゃんがポロック的手法で作っている。え? ……マ、マジですか? ガチでやってんのこれ? イタコってそんな凄かったの?
あまりに驚いてしまい混乱の極みである。近くにこのアーティスト(イタコではない太田祐司)のファイルがあって、他の作品も見たが、どうも恐らくは「嘘」が一部混じっているらしい。本人もそう書いている。でも、その判断は私達にはつかないのだ。この判断がつかない、というところがミソで、このアート作品の意図なのですよ。イタコじゃなくて役者かもしれない……しかしもしかすると本物かもしれない。分からない。分からないが、驚いてしまったという事実は残るし、これの否定もできない。もう向こうの勝ちなのだ。
これについて、事前情報として、イタコに有名画家を憑依させて絵を描かせたらというものがあるのは知ってた。でも、多分、どう見ても似ても似つかない、なんてものが出てるんだろうなと思ったら違ったな。確かにそれじゃ当たり前過ぎて、表面的に笑うだけで面白さに深みも何もないもんだ。だから今回の、これぞアートである。

そんなわけだから、渋谷に用でもあればついでにサクッと入ってしまいなさい。
https://www.sogo-seibu.jp/shibuya/topics/page/180720Art.html

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