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2018年8月21日 (火)

BENTO おべんとう展(東京都美術館)

弁当の展示を美術館でやる。そうかこういう着眼があったか。みんな弁当好きだよな。俺も好きだぞ。これで面白くないわけがない。

最初にあるのは弁当の歴史。主には弁当箱なんだけど、紅白のひょうたん型とか、家の形をしたのもある。重箱もいろいろ、江戸時代の花見の時の弁当の内容が模型再現されている(うまそうかというとイマイチかな)。あと、昔なじみのアルマイトの軽い弁当箱(ウルトラマンとかキャラもの)。それから世界の弁当箱いろいろ。丸い形が多いですな。オーストラリアだけ四角い。
阿部了の写真コーナー。弁当を食べる人々の姿をすっと撮ってきたとのことで、いやぁ、弁当を食べる姿ってのは、なかなかいいものですなあ。うまそうだし。
触れるコーナー。手袋をして。展示されてたものを、実際いじくることができる。重箱のいくつも重なっているのとか。ブータンの弁当箱が軽いもんで、これざるですな。タイの軽い金属製のものがよくできている。丸いのを何重にも重ねて、一度に持ち運べる。ちゃんとロックできる。タイカレーも持ち運べるんじゃないか。
それから、大塩あゆ美という人の、人から話を聞いて、その人にとっての誰かに贈る弁当を作る、という作品。弁当と、それを作るに至った物語がパネル展示されている。新幹線通勤して大変な妻とか、最近会話が少ない剣道部の息子とか、90歳の祖母とか。剣道部息子に贈る。スタミナ肉弁当がうまそうだっ。

次は一部屋使ったマライエ・フォーゲルサングのインスタレーション。こういうところが美術館展示ですな。お弁当の精霊がいろいろな話をしてくれる。まずイヤホンガイドなんかで使うような装置を渡される。六角形の複数コーナーに分かれているが、それぞれのれんというか、上から下がっている長い紐状のカーテンみたいなのがあって、それをかき分けていくと、中央に作品と解説番号プレートがある。プレートに装置をかざすと、そのコーナーの精霊の話が聞けるってわけ。主に食材の話……なんだけど、どうもお弁当の精霊というより、エコの精霊で、いきなり肉食を否定されて面食らう。肉を食べられるようにするためには大量の水を消費するんだそうな。家畜を育てるのまで入れるとミートボール1個でもう何十リットルとか。ヤバいじゃん。先ほど剣道部息子への肉弁当で感動してたらコレだよ。あとはキノコはいいだの、魚は素晴らしいだの、コンビニ弁当は容器は使い捨てだし、売れ残ったら廃棄されるからいけませんみたいな話もあって、なんか説教臭いもんでだんだん気が滅入ってくるが、まあこの手が好きな人は、うんうん言いながら共感するでしょうなあ。しかし、もったいないもったいない言ってる人は、しばしば「流通」をナメすぎてるフシがありゃしないかね。豊作のキャベツを売らずに踏みつぶしているのはなぜか? もったいないじゃーん そうだね。じゃあ、あげるから取りに来なよ。えー時間がないし交通費がもったいなーい。そこなんだよ流通をナメるなって話。で、終わったらハガキもらえました。

階を上がって、北澤潤の「おすそわけ横町」なんか雑貨屋みたいな感じなんだけど、みんな「おすそわけ」でもらったものを展示してるんだって。いろいろあるし、手にとって見れるんで楽しいぞ。オモチャやら古いカセットテープやら、外国のおかしなどもある。ペンもある。自分もおすそわけしたい、という人用に、持ち帰りの空箱も用意してあり、箱を持って帰って後日おすそわけを入れて持ってきて、みたいなこともしている。

それから最後の部屋。なんたって小山田徹の弁当写真。子供が弁当のイメージ画を描き、それに従って小山田が弁当を作る。子供の発想がものすごく、地球とか、台風とか、蛇行する川とか、子供ならではの世界に父が技術を駆使してこたえる。実はこのパターンは最強で、私も子供に詩のようなものを言わせて、それを記録して、音楽をつけて朗読作品にするとかやったことがあるのだ。大人にはできない発想をたやすくやってのけるのがマジ凄い。芸術家は結構子供の発想に憧れているのだ。で、弁当作品を見ていると、卵焼き、海苔、竹輪が結構活躍しているようだ。
あとは中学生のワークショップ、実際に弁当を作って、それに関するショートムービーを作る。フィクションでオッケー。実際にできたムービーを見ることができる……一つ見てみた。アボカドサンドイッチの話。まあ中学生が作ったんで、老人と称するのがどう見ても中学生だったり、行動中に常に独り言言っててもご愛敬である。
あと、自分で弁当の絵を描けるところがあるが、
よく見ていない。

美術展示であり、お弁当に関する展示でもある、という大変面白い着眼。よく思いついた。
http://bento.tobikan.jp/

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