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2019年1月 3日 (木)

バッドアート美術館展(ギャラリーアーモ)

ヘタクソとか意味不明を通り越して人を惹きつける「バッド」なアートを集めた美術館が実際にボストンにあるんだって。そのナイスな作品群を展示。点数は結構多い。
バッドアートをナメてはいけない。その頂点とも言えるのは、スペインのさる教会の「あの」キリストの修復画といっていいと思います(多分知ってると思うが)。あのバッドな1枚を見に世界中から人が来てしまうんだぜ。
そんなわけで、まじめに描いた(←ここが重要)ヘンテコな絵が並ぶ。また、しりあがり寿の絵付きコメントも楽しめる。

最初は「笑像画」つまり肖像。まあいろいろあるんだが、中でも「テレビとの自画像」はケッタイぶりが際立つ。テレビが出てきた時代に描かれたっぽいが、情報摂取の形に対するメッセージを描きたいつもりが、なんかテレビを頭に乗せてる人になっている。いや、このまじめさこそが「いい味」になるのだ。「歪み」という人体がちょっと歪んでいるなんてのは割と普通に見れる。「悲しむ少女」かわいくねえな。「麗しき死体」女体でちょっとグロい表現をするのも割とあるもんで、ここでは割とまっとうな方のアート作品に見えるね。

風景画や静物画。「卵の採掘」シュールな風景としては普通タイプ。なんだよ普通っぽいのが多いなと思ったら、「人工爪」ん? 靴から変な手が生えている。しかも爪。このわけのわからなさがイイな。「緑地」黄色い何かがあるからって解説で「ゲロ」はないでしょ。これは割ときれいめな幻想絵画だと思うがね。「ランプ。C型クランプ、ヤモリ、果樹、卵」……それより星が何かヤバい。「分解された電球、煮詰められた卵、エグザクト・ナイフ、ペッツの空き容器」後ろに工場っぽいものがあり、文明批判っぽいが、それゆえありがちとも言える。おお、そうだ、バッドアート好きなら「九条美術展」に行ってみろ。結構「バッド」なヤツらに逢えるぞ(憲法九条がバッドなのではなく、その高い問題意識と稚拙な表現のギャップが時に「バッド」になるのだ)。「青い顔と緑のトウガラシ」トウガラシが生き物なのだが、わけわからん系。「青神」遠目でダリのようなダブルイメージかと思ったら全然そうではない。単なる海中が顔の絵である。キモい。「美しき死」立体っぽいが、これは割とまっとうな感じ。「沼ピクニック」なんかSF的な緑の装いの男女。それが沼でデートしている。なんじゃこりゃ? それになぜ沼なのだ? 疑問符つきまくりがナイス。「あたらしい日」火山の噴火だが、まるで星の王子様の星ですな。「ある風の強い日」あらゆるものが風になびきすぎ。

「ぬーど絵画集」コーナー。ヌードだお。「じーっ」男のヌードだが……なかなか長いモノをお持ちですな。「女性的繁殖性」マグリットの「陵辱」のような女体を使ったバッドでシュールな表現。普通にキモい。「ジョージとトイレの日曜日」トイレで座っている男だが……おい、シニャックみたいな点描だよ。

動物コーナー。「見えないワン」目の×印はなんなんだ? 「飼い犬に鼻を噛まれる」まんまな絵だが。ラフな表現がおかしいぞ。「御者台からの光景」馬の尻側から見た。珍しいと解説にあるが、たまに見かけるよ。「海辺のキリン」ダリの足の長い象みたいにしたくて失敗か。「ケンタウロスとバイカー」ちょ、この取り合わせがシュール(デペイズマン)すぎる。「娼婦のフェレット」遠目ではクリムト的色使い。近くで見ると……うむう。

「ドッペルゲン画」とのことで有名人。「オバマ大統領」は普通にうまいよ。周囲に並んでいる人はよく分からんが。「足の爪で立つマリリン」膝を曲げてジャンプしているところを描いたらしいが、描き方を失敗してタイトル通りの絵になっている(タイトルが分からんから美術館側で適当につけたみたい)。「キュビズム風の灰色の女性」うむ、ピカソだ。「女とギター」ギターのネックを部分を見つめているって、ちょっと待て、それはギターのネックには見えん。ほとんどチ○コだぞ。「緑のジミヘン」ヤバい。中途半端にウマいだけに。緑だよ。宇宙人かよ。「スリラー」マイケル・ジャクソンだが……白いよ。いや、実際白かったけどね。

スポーツ絵画。「セーフ」野球の緊迫場面だが……いやちょっと待て、そこに思い切り怪物がおるって。なんだよそれ。アウトだって。「ゲーム」麻雀だが。指が6本ある人がいる。いや、でもこれはアニメとかでよく作画間違いあるじゃん。

最後は宗教もの。「魚を揚げるメデューサ」なんかキモカワイイ。「我らが法王」真ん中の赤いギザギザがポイント。「叶えられた祈り」修行中の洞窟にエロい美女がやってきた……って叶えられすぎだろ。「聖母子像」いくつか。いずれもキリストであるところの赤ちゃんがおよそ赤ちゃんらしくない。頭脳デカそうとか。でもルネサンス期の絵とか行くと、時々出くわす感じでもある。「エクセレンス」鳥の骨格がなぜエクセレンスか? 「海辺のカーリー神」海辺リゾートかよ。「スピリット・イン・ザ・スカイ」ユルいキリストがイェーイ。

あと応募作品いくつか。

なかなか楽しい。面白い。混んでいない。でも、いいものを見たという爽快感はないよな……まあ「バッド」なんだからそういうもんなんだけど。あとフラッシュなしなら撮影もできるよ。
https://www.tokyo-dome.co.jp/aamo/event/MOBA2018.html

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