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2019年5月30日 (木)

34周年展(豊島区立熊谷守一美術館)

実はここは近いもんだから割と毎年行ってたりするのだが、ブログに書かなかったりして。いや、でも書かないと悶々としちゃうんで書くんだけど、こないだの日曜に行ってたわけですよ。ここはいいですよ。小さいけど点数もそこそこあるし、雰囲気はいいし、1階でコーシーも飲めるし(実は飲んだことないが)。今回は熊谷守一オンリーの企画展だ。

1階の展示室は、平面的にして単純化された画風が確立されてからの、いわば定番揃い。「夕暮れ」は二重丸というシンプルさ。平面的な絵はどれも色がいい。特にオレンジは鮮やか。「アゲ葉蝶」の花のオレンジ。パンフレットにこの絵が使われているんだけど、本物は印刷よりはるかによい。ゴッホをはじめ印刷と本物が違う画家は少なくないが、この熊谷守一もぜひ本物を体験せよといいたくなーる。「曼珠沙華」これも鮮やかだがさすがに単純化させすぎじゃね? と思ったりして、でもボケーと見てると、あーこれが曼珠沙華の印象なんだよなあと思えてきたりする。「枯木」ううむ、これはどこがどう枯木なのかな。「せんのう」もオレンジがきれいですな。「自画像」単純化似顔の傑作。「白猫」にゃー。「岩間の富士」珍しく屏風です。シンプルです。「氏家梅林」ピンクです……って色だけ書いたってしょうがないけど、いや、やっぱこの色、色がいいんだよ。それにしても毎回見るのもあれば、初めて見るのもある。リストを見ると、なるほど他から借りてるのも多い。企画展だからがんばっているのだ。

蔵みたいな中を階段を上って2階へ。ここが画風確立前というか、いろいろチャレンジしてるところ。日本的に渋いフォーヴというか、まあヴラマンクみたいなのが多いかな。そんなラフな風景画もあれば、ここの定番は「某婦人像」。光の描写で、おっ、いるね、という感じで魅せる。「自画像」も単純化でなくよく似てる。「顔」はメチャ崩していてなんかすげえ。しかし今回のハイライトは3つの裸婦が並んでいるところかな「裸」「気坐裸」「裸婦」それぞれ時代が違い描き方が違う。「裸」は裸婦がラフな感じ、「気坐裸」は単純化させたもの、しかし最後の「裸婦」がすげえ。絵の具のチューブからそのまま出したヤツで描いてるんだって。つまり太い紐みたいなので描いてるのだ。うーん、斬新にして面白いんだけど、いいなあ、という感じじゃないよなあ。

さらに階段を上って3階へ。ここは書とか墨絵とかクレパスとか。油彩じゃないヤツ。書はまあヘタウマみたいで……でも近頃人気らしい。というか私は書を見てもいいのか悪いのかよく分からんのだ。墨絵の「大蛙」マジデカい。青い色を使った墨絵「夏」これいいね。シンプルな青い線で表現。「日輪」ピンクと白。これクレパスなんだね。そうだ前にクレパスだけの美術展を見たけど、なかなか侮りがたい画材なんだじぇ。クレパス「雨蛙」うまい。クレパス「文殊菩薩」すさまじい単純化。しかし確かに文殊菩薩だよこれは。墨絵「なまず/蝦蟇/狛犬」複数絵が1枚に。ちょこちょこって描いてるけど、なかなかだ。

通常は1、2階が熊谷守一常設で3階が貸しギャラリー。しかし○周年展では他から借りるなどで全館熊谷守一になるのだ。行ってない人も一度は行ってみようぜっ。
http://kumagai-morikazu.jp/

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